2014年12月の「THE DIGジェネシス」(シンコーミュージック)に続き「文藝別冊ジェネシス」(河出書房新社・写真右上)が先月発行された。THE DIG版も大変読み応えがあったが、こちらの一冊も同様、今まで知らなかった情報もたくさん得ることができた。例えばフィル・コリンズが脱退して後任のシンガーのオーディションで最後まで残った二名の一人が現Big Big Trainのデヴィッド・ラングトンだったこと。彼の声質はフィルとピーターの両面を備えており、さらにフルートも演奏するので、レイ・ウィルソンも悪くはなかったが彼が合格していたら新生ジェネシスはどうなっていただろうかと夢見てしまった。読み進めるにつれ改めてジェネシスの素晴らしさが蘇り、このたび所有している音源を棚から引っ張り出してみた。
Trespass(侵入)。70年リリースのセカンド・アルバム。写真上の1枚は高2の頃、見学旅行先の京都で買ったと記憶している。レーベルがビッグ・マッドハッターだがマトリクスはA-2U、B-3Uなので完全な初回盤ではないだろう。背表紙に文字はない。後に歌詞の印刷されたインサートのあることがわかったがこれには封入されておらず、数年前そのためだけに後発プレス盤(下)を購入した。このインサートの紙は白だが、初期のものはグレーとのこと。CDはSACD+DVDの紙ジャケ盤のみ所有。
1曲目のLooking For Someone、イントロなしでいきなりピーターの歌から始まる。とても印象的だ。全6曲中5曲はアコースティック・ギターがフューチャーされたフォークロック的な楽曲。時には静かに、時には叫ぶように歌うピーターと12弦ギターのサウンドが耳に残る。中でもB-2のDuskが好きだ。もの悲しくも美しい旋律と意味深な歌詞、途中の展開も曲にアクセントをつけ引きつける。B-1のStagnationでは左右のギターの真ん中でシンセのように弾くオルガンのソロ部分が美しい。White Mountainは後年A Trick Of The Tailツアーの時にも演奏された名曲。しかし何と言ってもそうした5曲をまるで前座のように感じさせる最後の曲Knife。突然激しくロックなこの曲が最後に来ることで、ジェネシスというバンドが他とは違う何かを持つことを感じさせるに充分だっただろう。実際にはGenesis Liveで既にKnifeを聞いていた私は、逆にアルバムの他の曲が全く違うロマンティックな印象であることに驚いた。ジャケットのイラストとそれを引き裂くナイフの画像は当然Knifeという曲のイメージでもある。こうした曲の構成は完全に意図したものだろう。聞いた話によると当時の彼らのライブも、延々と静かな曲を演奏し、最後の最後にKnifeを演奏することで観客の度肝を抜いたそうだ。アンソニー・フィリップスがここまで攻撃的なギターを弾くということも驚きだった。残念なのはドラムのフレーズが一本調子で物足りない。結局この後ドラマーはフィル・コリンズにチェンジする。
Trespass(侵入)。70年リリースのセカンド・アルバム。写真上の1枚は高2の頃、見学旅行先の京都で買ったと記憶している。レーベルがビッグ・マッドハッターだがマトリクスはA-2U、B-3Uなので完全な初回盤ではないだろう。背表紙に文字はない。後に歌詞の印刷されたインサートのあることがわかったがこれには封入されておらず、数年前そのためだけに後発プレス盤(下)を購入した。このインサートの紙は白だが、初期のものはグレーとのこと。CDはSACD+DVDの紙ジャケ盤のみ所有。
1曲目のLooking For Someone、イントロなしでいきなりピーターの歌から始まる。とても印象的だ。全6曲中5曲はアコースティック・ギターがフューチャーされたフォークロック的な楽曲。時には静かに、時には叫ぶように歌うピーターと12弦ギターのサウンドが耳に残る。中でもB-2のDuskが好きだ。もの悲しくも美しい旋律と意味深な歌詞、途中の展開も曲にアクセントをつけ引きつける。B-1のStagnationでは左右のギターの真ん中でシンセのように弾くオルガンのソロ部分が美しい。White Mountainは後年A Trick Of The Tailツアーの時にも演奏された名曲。しかし何と言ってもそうした5曲をまるで前座のように感じさせる最後の曲Knife。突然激しくロックなこの曲が最後に来ることで、ジェネシスというバンドが他とは違う何かを持つことを感じさせるに充分だっただろう。実際にはGenesis Liveで既にKnifeを聞いていた私は、逆にアルバムの他の曲が全く違うロマンティックな印象であることに驚いた。ジャケットのイラストとそれを引き裂くナイフの画像は当然Knifeという曲のイメージでもある。こうした曲の構成は完全に意図したものだろう。聞いた話によると当時の彼らのライブも、延々と静かな曲を演奏し、最後の最後にKnifeを演奏することで観客の度肝を抜いたそうだ。アンソニー・フィリップスがここまで攻撃的なギターを弾くということも驚きだった。残念なのはドラムのフレーズが一本調子で物足りない。結局この後ドラマーはフィル・コリンズにチェンジする。