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アルバムを級友から借りて聞いた時の状況はかつてこちらで紹介したので省略するが、その時をきっかけとして私とジェネシスとの長い付き合いが始まったのだ。そういう意味では記念すべき重要作である。いや、ジェネシスの歴史においてもこのアルバムは重要作であろう。何と言っても組曲形式のSupper’s Readyが収録されている。12弦ギター3台が重なり合う美しい演奏のラブソングから8分の9拍子上のオルガンソロのハードな曲まで、いくつかの異なった曲が絶妙に配置され、歌詞も意味深。最後は感動的に盛り上がるという、まさにプログレの王道をいく名曲である。
後のSACD+DVD盤におけるインタビューでこの曲について各メンバーが多くを語っているが、ソング・ライティングにかなりの自信を持つようになっていたようだ。アポカリプス・イン・9/8で悪魔の数字666…が歌われる部分の制作状況では、トニー・バンクスが「インストゥルメンタルに仕立てる予定でヴォーカルを入れるつもりはなかったのに、ピーターが歌詞を乗せた。台無しかと思ったが結局は彼が正しかった。」マイク・ラザフォードも「あの歌を聴いたのは録音された時だった。僕たち自身も不意を突かれたが歌が演奏に見事に調和していた。」と述べている。彼らにとってもこの曲は絶対の自信作となったのだ。当然私も大好きな一曲である。
手元には3枚のアナログ盤がある。最初に買った1枚はアメリカ盤だった。番号はなぜか次のUK盤と同じCAS105。ゲートフォールドのジャケットで、日本盤とのイラストの違いに驚いたものだ。Buddhaレコードからのリリースでレーベルはビッグ・マッドハッターだが、本物をコピーしたような色合い。今調べてみるとこのレーベルはソウル系のアーティストが多かったようだが、カリスマとも契約しており、ジェネシスのアメリカの音となった。ずっと聞いてきた盤なので馴染みがありすぎるとしても、音は良いと思う。
UK盤は2枚。1枚はCAS1058、スモール・マッドハッターレーベル。ジャケットは結構年期が入っているが見開きのテクスチャー加工で、背文字のタイトルがほとんど消えかかっているが赤字。マトリクスはA面2U、 B面1Uである。残念ながらA-1 Watcher of the skiesの最後部分にノイズと音飛びがある。それ以外は良好。迫力ある音である。もう一枚はCHC38、ジャケットの背表紙が白抜きでレーベルもブルーカリスマ。かなりあとの時期のもので4thプレスあたりか。
ところで、B面1曲目にハケット先生のHorizonsが収録されている。ナイロンギターによるソロだ。この曲が終わった直後にイントロなしで次のSupper’s Readyが始まるという一瞬が実にスリリングで良いのだ。
<追記>Polar Bear氏のご教示を得て、一部記事を改訂しました。
初コメントでいきなり指摘するのは気が引けますが、国内盤で初めて発売されたのは本作ではないです。
日本フォノグラムの " Do It Rock ! "シリーズで邦題『侵入』 ( Philips SFX-7383 ) で、ほぼリアルタイムで発売されています。
さて、Genesisがプログレかどうかは判断に迷いますが、個人的にはほぼリアルタイムで聴いてきた世代なので、概ね彦摩呂さんと同じ思いです。
偶に聴きたくなるのが、本作と「月影の騎士」、『トリック・オブ・ザ・テイル』かな。
ちなみに、僕も札幌生まれの札幌育ちですが、現在は函館在住の北海道人です。今後とも宜しくお願い致します。m(_ _)m
彼らのアルバムの好みが似ていますね、同じ北海道人として嬉しく思います。ジェネシスのアルバムについては多分 Invisible Touchまで行くと思います。ぜひまたコメントを入れて下さい。