つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

ナチュラルな注連縄~津幡町・加賀爪「白鳥神社」。

2010年10月06日 09時10分24秒 | 日記
散歩をしていて気が付いたのだが、近頃の「注連縄」は、何やら化学的だ。

神社の鳥居に張られた「注連縄」は、神聖な場所を他と区別するための一種の結界。
新年の祝いなどの際、邪気が入らないように家の入り口にも張る。
いわゆる「正月飾り」がそれだ。
本来は左捻りの藁縄が原材料なのだが、町内の神社で見かけるものは、どうも怪しい。
藁縄をビニールでコーティングしているのか?
あるいはビニールで藁に似せているのか?
はたまた別の素材・製法なのか?とにかく、妙な光沢がある。

「今日の一枚」…津幡町・加賀爪の「白鳥神社」のそれは、本物だ。
但し、画面手前、大正時代に建てられた古い鳥居に掛った方は…である。
画面奥、陽のあたる新しい鳥居の方の注連縄は、ニュータイプだ。

丈夫で雨風に耐える、コストパフォーマンス、注連縄作りの担い手の有無など
きっと様々な理由があって、新たな製品が開発されているのだろう。
しかし、やはり藁の香りがする注連縄は、力強さを感じるし、
時折、真新しくなって青々とした注連縄を見るのは、気持ちのいいものだ。

ところで、神社の案内看板によれば、白鳥神社の由来は、今から1800年昔へ遡るらしい。
曰く…『仲哀天皇の時代(192~200)にこの地に白鳥が舞い降り、
    土地の人々がこれを捕えて差し上げたところ、
    天皇は先に日本武尊の魂が
白鳥となって飛び去ったという話を思い出され
    この地は尊の魂のおとどまりになった所とお考えになり、
    お宮を建て白鳥の神と名づけて尊をまつられたといわれている。』
…との事。

由緒ある社殿である。
写真からは見切れているが、境内の木陰では、藁の「はさがけ」が行われていた。
きっと、これからも伝統を受け継ぎ、正統を守って、
本来の注連縄を未来へと渡してくれるのではないかと期待している。
コメント
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