香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

私の箱子

2012-03-13 21:32:10 | 本のこと
先週の「王様のブランチ」bookコーナーで紹介された
一青妙さんの『私の箱子(シャンズ)』

 家族の「果てない絆」をみずみずしい筆致で描くエッセイ

 箱子(シャンズ)の底に眠っていたのは、愛の物語だった。
 ※「箱子」――中国語で「箱」のこと。

 台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。四人で暮らした思い出の
 家を取り壊すとき、段ボールの中から偶然見つかった「箱子」。そっと
 覗き込むと、「家族の記憶」が溢れ出した。


一青妙さんは、歌手の一青窈さんの6歳年上のお姉さんで
歯科医で女優をやっているというちょっと変わった経歴の方
お父様が台湾で5つの指に入る名家の長男で
お母様が日本人で、お二人とも妙さんが学生の時に他界されています
本の中に
  自分の命に限りがあることを知り、残された者への準備ができた父。
  自分の命の終わりを知らず、何もできずに逝ってしまった母。

とあり、ご両親のこと、お父様のご実家のことなどを書かれたエッセイ
特に、お父様が死に至る病気になったときのお母様とのお話が切なく、
また、お父様の戦争での人生観の挫折のお話は胸が痛かったです
読みやすく、すらすらと読み進めました

ただ、この頃の王様のブランチbookコーナーや本屋さん大賞はちょっと
この本も、「大・絶・賛」だったのだけど、「大」と「絶」はいらないんじゃ
素敵なエッセイだとは思っていますが
やっぱり筑摩書房の松田さんが心からお勧めしてくれる本がよかったなぁ
切ない話でも、悲しい話でも、最後には少しの希望があるお話ってたくさんある
読んでいて、嫌な思いしか残らないお話だけは、読み終わってがっかりするよ
そういう本が、このごろ本屋さん大賞とかとっていると、
なんか、自分の感覚が「今」じゃなくなっているのかなぁ・・・
と思うことが多いです

ま、好きな本も好きなラーメンも好みよね