香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

きみはいい子

2012-08-04 08:17:19 | 本のこと
中脇初枝さんの『きみはいい子』

 同じ日、同じ町、ある雨の夕方。
 みんなこの町でいろんなものを抱えて生きている。
 大事なのは、相手の存在を認め、受け入れること・・・。
              
 17時までは家に帰ってくるなと言われ、雨の日もウサギ小屋の前で
 時計を見上げる生徒と、新任教師との心のふれあいを描いた、
 「サンタさんの来ない家」。

 娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語「べっぴんさん」。

 ひとり暮らしが長くなった老女と、家を訪ねてきたある男の子を描く
 「こんにちは、さようなら。」など、それぞれの家族が抱える傷と、
 そこに射す光を描いた全5篇からなる、連作短編集。

 怖かったのも、触れたかったのも、おかあさんの手だった。


王様のブランチで紹介された文章です
テレビで見た時に気になっていたのだけど、
救いようのない話、特に子供が絡む話はつらいだけだと思い
本屋さんでも手に取らないようにしてさけていました
でも、こちらにも時々コメントをくださるホークさんが
ご自身のブログ私的図書館で「とにかく読んで欲しい」の言葉に
読んでみようかなと心が傾き、
本屋さんで手に取って、帯の宮下奈都さんの言葉
「・・・人間を信じよう。という気持ちになる。」が決め手
家に帰ってきてから、一気に読んでしまいました

一番印象的だったのは、若い小学校の先生が
「ただ、ぼくははじめて気がついた。
 こどもは、ひとりひとり違う。」
当たり前のことだけど、当たり前と言ってしまうほど
全てをわかって生きている人はいないんだよと言われているようでした
そして、失敗や後悔をしながら生きていくしかないから
くよくよしないで、やさしい気持ちでいたいなと願っていました

つらい、普段は目をそむけたいような内容のお話ばかりでしたが
ただつらい気持ちだけで終わらせなかったところが、すごいなと思います
でも、やっぱり、何度も読みたいとは思わないかも・・・です