香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

虹の岬の喫茶店

2013-01-30 22:23:38 | 本のこと
本屋さんをプラプラしていて、
平台でもなく、普通の本棚にあったんだけど
なんとなく手にして、ついつい買ってきた本
森沢明夫さんの『虹の岬の喫茶店』

 トンネルを抜けたら、ガードレールの切れ目をすぐ左折。雑草の生える荒地を進むと、
 小さな岬の先端に、ふいに喫茶店が現れる。そこには、とびきりおいしいコーヒーと
 お客さんの人生にそっと寄り添うような音楽を選曲してくれるおばあさんがいた。
 彼女は一人で喫茶店を切り盛りしながら、ときおり窓から海を眺め、何かを待ち続けていた。
 その喫茶店に引き寄せられるように集まる人々==妻をなくしたばかりの夫と幼い娘、
 卒業後の進路に悩む男子大学生、やむにやまれぬ事情で喫茶店に盗みに入った泥棒など
 ==心に傷を抱えた彼らの人生は、その喫茶店とおばあさんとの出会いで、変化し始める。


6章からなる物語は、1章から15年~16年くらいかけて6章に進み
1章ごとに、曲や音楽のタイトルからなり、他にもたくさんの曲が出てきます
美味しいコーヒー、心地好い音楽、居心地の良い建物の世界にひたって
このやさしい小説を読むことが出来たのは、とてもよかったな
喫茶店を訪れる人たちも、喫茶店の店主・悦子さんも、甥の浩司くんも
色々な苦悩も辛さも寂しさも抱えながら、ほんの少しのやさしさで
ちょっとだけ前向きになれたり、明るくなれたりしている
そのちょっとだけの具合に、希望が持てるような感じがして読みました
素敵な言葉がたくさんあって、たくさんの付箋をはった小説です

 「生きるって、祈ることなのよ」
 「人はね、いつかこうなりたいっていうイメージを持って、それを心のなかで
 祈っているときは生きていけるの。・・・略・・・」
 「過去を懐かしむことって、自分の生きてきた道のりを受け入れられている証拠でしょ。
 辛かったことも含めて、これまでの人生の積み重ねをまるごと肯定できているから、
 あなたたちは『懐かしい』っていう気持ちで当時を追懐できるのよ。」


この小説とは本当に出会ったんだと思うと、とてもうれしい気持ちでいっぱいなのです

昨日、帯広に出張した帰りにJR駅のESTAに入っている本屋さんで
おみやげに、”全国タウン誌コンテスト”で最優秀賞受賞した雑誌
   HARU
を買って、お土産にする前に、ちょっと読んでみました

オホーツクを深堀りするローカルマガジンでのVol.2
写真がいっぱいで、ローカルな話題ばかりだけど、面白かったな
HARUって、アイヌ語で、自然からいただく食の恵みという意味ですって

先週から、うちにきたヒヤシンスが、少しだけ花が咲きました

この季節に、ヒヤシンスがうちにあると
仕事から戻って来たとき、満開に咲いているとふわっと香りがして
とても楽しませてくれるので、大好きなのです

今週は、ドイツのお友達が作ったカレンダーとポストカードが届きました

あたたかくてユーモアもあって、やっぱり可愛いなぁと大満足です