香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

ぼくと、ぼくらの夏

2011-08-16 20:25:29 | 本のこと
今日はずっと雨 読書日和
樋口有介さんの『ぼくと、ぼくらの夏』

 高校二年の夏休み、同級生の女の子が死んだ。
 刑事の父親と二人で暮らすぼくは、友達の麻子
 と調べに乗り出したが・・・・・。開高健から
 「風俗描写が、とくにその”かるみ”が、しなや
 かで、的確であり、抜群の出来である」と絶賛
 され、サントリーミステリー大賞読者賞を受賞
 した、青春ミステリーの歴史的名作。


本屋さんで見つけて、面白そうと直感して買ったのだけど
読まずに2ヶ月ぐらいベットの横に置いていた積んどく本
今日、手に取って読み始めたときは、
どういう本なのか忘れて、読み始めていたんだけど
語り部で主人公のぼくのキャラクターが軽快で面白く
読みやすくって、するすると読んでいった
途中、「あれ?この小説の設定って昭和?」と思ったのは
文中に携帯電話が出てこないから
それ以外には古さは一切感じられず、最後まで楽しめたミステリー
昭和63年の作品だったとは・・・。読み終わってビックリ
和久井映見ちゃんで映画化もされていたのね
雨の一日を、楽しく過ごさせてもらった本です

昨日の夜、読んだのは
山本文緒さんの『アカペラ』

 身勝手な両親を尻目に、前向きに育った中学3年生
 のタマコ。だが、大好きな祖父が老人ホームに入れ
 られそうになり、彼女は祖父との”駆け落ち”を決意
 する。一方、タマコを心配する若い担任教師は、二
 人に振り回されてーーー。奇妙で優しい表題作のほ
 か、ダメな男の二十年ぶりの帰郷を描く「ソリチュ
 ード」、独身の中年姉弟の絆を見つめた「ネロリ」
 を週力。温かくて切ない傑作小説集。


最初の『アカペラ』は
読み始めは、面白く引込まれて読んでいったのだけど
途中の展開から、嫌~な気持ちがふつふつと湧いてきて
読み終わりは最悪の気持ちになってしまい、
もう読み続ける気持ちにはなれなかった。
内容を思い返し、ああいう展開が小説になることって
たくさん読んできたけど、最初がさわやかだっただけに
ショックが大きくて、最後はなんなんだろうと、納得いかなかった
文章は読みやすくて、好きなタイプなんだけど
きっと、相性が悪いというのはこういうことなんだと思う
それがわかっただけで、よかったかな

ハッピー・リタイアメント

2011-08-15 19:03:46 | 本のこと
浅田次郎さんの『ハッピー・リタイアメント』

 定年まであと四年のしがない財務官僚・樋口と愚直だけが取り柄の
 自衛官・大友。二人が突如転属を命じられたJAMS(全国中小企業
 振興会)は、元財務官僚の理事・矢島が牛耳る業務実態のない天下
 り組織。戸惑う彼らに、教育係の立花葵はある日、秘密のミッショ
 ンを言い渡す。それは汚職か、横領か、それとも善行か!?
 痛快娯楽、「天下り』小説。


本当に、痛快でした
なんども、ぷぷ~っと吹出してしまって
人から見たら怪しい人になってしまった
文頭に出てくる浅田次郎氏の自宅の趣味の悪さというか
成金趣味というか、もう小説の中で笑わせないで
と、ひとりつっこみ
浅田次郎さんが大好きなマッカーサー将軍が
ここでもキーマンになるというのにも驚かされるし
樋口氏と家族たちのあまりに阿呆な会話と関係にあきれる
自衛官の大友の「パスポートが無い」には
マジに、バスの中で吹出してしまった
立花葵の清さと愚かさとやさしさには、ほろっと・・・
最後の最後に、ハラハラさせられて、
想像していたハッピーエンドではない、でも最高のハッピーエンドで
すっかり浅田次郎さんの掌中にはまってしまった

解説はあの勝間和代さんで、
とても真面目に天下りについて、この小説について書かれていて
それもまたおもしろかった
わたしにとって、浅田次郎作品はビタミン剤かも

父の初盆だったので、墓参りに行くのに、
母や弟たちと一緒に行くことが出来なかったので
ひとりで室蘭に高速バスで行ったのだけど
室蘭で、叔父と叔母たちが待っていてくれて一緒に墓参り
そして、夜は父の一番下の妹の家で宴会
叔父、叔母たちにとっては、いくつになっても
初めて出来た姪っ子のわたしは、可愛がってもらえて幸せ
その時、明日早く起きて地球岬まで散歩しようかと思うと言ったら
叔父たちが、行きは母恋から行って、帰りは反対から帰って来た方が
距離が短くていいよと教えてくれたのでした

次の日は天気予報通り曇り空
というか、室蘭ってカラっと晴れる日ってあまりないんだよね
母恋までは5分位の道のりで、少し平らなところがあったので
走ったりしたのだけど、途中からはずっと登り坂で徒歩
3.2kmくらいだけど、後半はかなりの坂道で汗だく

久し振りの地球岬はやはり絶景
曇っているので見えなかったけれど、
晴れているときは函館の森町の方が見えるんだよねぇ
海と空の堺を見ていると、やはり地球は丸い
アイヌ語でポロ・チケップ(親である断崖)が、
チケウエ→チキウとなったと初めて知った
北海道の地名の由来はアイヌ語が殆どとは知っていたけど
地球岬はそうじゃないと思っていたのでびっくり

地球岬から見た室蘭の町

地球岬の公衆電話は地球儀だったよ

帰りは、素直な姪っ子は叔父たちの言葉を信じて
観光道路を来た方向と逆方向に向かって歩いたのだけど
ひとっこひとり歩いちゃいないし、どんどん登り坂だし
「えぇ~、本当にこの道行って帰れるの~」と心細い

途中、チャラツナイの絶景を写真撮ったりして気持ち落ち着かせるも
どんどん山の中だし・・・やっと分かれ道が現れるも
標札は一方向だけに「室蘭駅」って出ているだけ
おおざっぱ過ぎるでしょう
そんな時に、犬を連れて散歩しているおばさまが分かれ道から現れて
思わず駆け寄って
「すいません、ここ降りていったらどこに行くんですか
なんて質問して、びっくりされちゃった
結局、距離は行きと変わらずで、
やたらと山を登った分、帰りの下り坂の急なこと・・・腰痛くなった
途中の細い農道のような道を歩いていて見つけた「草原の椅子」

やっとちゃんと帰れる気になったのだった

お盆を迎えて、今日の札幌は曇り時々雨
暑くて湿気の高い日だったけれども
いまこの時間になると、窓を開けていると寒い感じ
一日中暑いより過ごしやすくていいけど
もう夏も終わるのかと思うと、ちょっとさびしいな

北の国から

2011-08-11 19:32:08 | なんでもない話
本日の北海道は、燃えていました
札幌で34℃までいったようで、
ちょうどお昼頃に外出していたわたしは
溶けそうでした・・・

今朝は、少し早く目が覚めたので
北大まで走ることにしたのです
札幌競馬場の横の道路にかかる歩道橋

これ、馬が厩舎から競馬場に渡る歩道橋なのです
13日から、JRAの札幌競馬が始まります
土日は色々とイベントもありそうだし、
出店もでているし、久し振りに行こうかなぁ

脱線しましたが、朝、北大校内に入ると
やたらと目に入ってきた花がありました

オオハンゴンソウが満開に咲いています
このお花を見ると、ドラマ『北の国から』を思い出します
ひとりで子供を産む決心をした蛍に
正吉くんが、百万本のバラに真似て送る花です
わたし、この頃の『北の国から』が大好きで、
とくに正吉くんが大好きで、シーンのひとつひとつが目に浮かびます
正吉くんが、看護婦をやめて札幌で働いている蛍の元に駆けつけた時
蛍が掃除の仕事を終えたホテルは、昔の不二屋ホテルだと思う
そして、ふたりで話をした場所が、芸術の森と大通公園
蛍と正吉くんが、純やお父さんに挨拶に行ったシーンとか
なんだか、忘れられないのですよね
今、BSフジで月曜夜10時から『北の国から』再放送をしているのです
最初の頃の連続ドラマは見ていなかったので
今頃、楽しんでみているのです

まだ満月には早いけれども
とてもきれいなお月様が空に浮かんでいます

明日は日本全国、少しでも暑さがやわらぎますように

コンビニと猫

2011-08-09 21:05:04 | 本のこと
村山早紀さんのコンビニたそがれ堂シリーズ
第2弾 奇跡の招待状
『作家の猫2』を平行して読んでいました


『コンビニたそがれ堂~奇跡の招待状』は
先に第3弾を読んで、改めていいなぁと思い購入
「雪うさぎの旅」、「人魚姫」
「魔法の振り子」、「エンディング~ねここや、ねここ」
ファンタジーなのかもしれないけれど、
やさしい可愛いだけではなく、凛とした芯のあるお話
特に「魔法の振り子」は好き
悲しく切ないけど、主人公が淡々と自分の身の程を知り
やさしく強く生きている様子に、胸が痛くなる
これで、3シリーズ揃ったのだけど
熱望続編

『作家の猫2』は、元々出版されていた『作家の猫』が手に入らず
欲しいなぁと思っているうちに、2が出ちゃったのです
荻原葉子さん、池辺良さん、佐野陽子さん、谷啓さん
田中小実昌さん、久世光彦さん、立松和平さん、、、、
他にもたくさんの方々の猫とのお話で写真満載です
猫好きとしては、たまらん1冊です

今日、バルコニーで育ったトマトがとうとう熟して食しました

甘くて美味しかった~
そして、出勤途中のおうちのお庭で見かけたポップな植物

か、か、かわいい・・・

紅梅

2011-08-07 20:08:48 | 本のこと
津村節子さんの『紅梅』

内容紹介
 『文學界』にこの作品が掲載されるときは、心配で夜も眠れなかった」
 とおっしゃる津村さん。本作は雑誌発売と同時に大きな反響を呼び、
 津村さんの不安を吹き飛ばす賞賛の声が相次ぎました。2005年2
 月に舌癌と診断された吉村昭氏。抗がん剤治療や免疫療法を試みる闘
 病生活、転移から死に至るまでの日々を、妻と作家両方の目から、津
 村さんが冷静にかつ力強く描ききりました。5年を経て小説へと昇華
 された傑作です。(KK)


新聞での津村節子さんのコラムで知って、出版されたら読みたいと
手帖の”読みたいものリスト”にメモしていたら
知り合いの方が読まれて、お話を伺って、すぐに本屋さんに行きました
新刊コーナーに平積されるものと思い込んでいたので、見逃していました

自分のことなのに冷静に忠実に淡々と事実を描かれていて
胸にずしんっと響くものがありました
吉村昭さんの命に対する誠実な考え方には、なんとも言えない気持ちでした
自分の父とはもちろん状況は違いますが
どうしても、亡くなった父と、毎日見舞っていた母の姿が思い浮かび
何度も涙が出て、読めなくなりました

亡くなった人に対して自分がダメだった悪かったと思わないでほしい
最後に思ったことです


昨日の夕方、E師匠の友人がお店を出している本郷通商店街
萬蔵祭をしていて、もつ煮を売っているよとの知らせで
仕事帰りにひょこひょこと行って来ました

一方通行の道路は通行止めになっていて、
道路傍でたくさんの人たちが飲んで食べていました
E師匠も、お友達のお店の前で暑い中、熱いもつ煮を売ってます
本郷通商店街は、わたしの地元ですが、
わたしが住んでいたころは無かったお祭りなので、今年が初めて
同級生とか知ってる人に会うかなぁと思ったけど
会わなかったのか、分からなかったのか

今日はいつものコースより少し遠回りして走ったので
六花亭北大エルム店の前を久し振りに通りました

札幌にもたくさんの六花亭の店舗があるけれど
このお店の佇まいが好きなんだぁ
中に入ると商品のディスプレイの奥の大きな窓から
北大の牧場の広々とした緑が広がっているのです
休日のいつものコースで北大の中を走ったのだけど
走り始めたのが8時過ぎていたので、暑くて
なんだか疲れちゃって、蓮池で休憩 水が美味しい

無理はいけませんね

八月十五日の夜会

2011-08-05 20:38:58 | 映画のこと
蓮見圭一さんの『八月十五日の夜会』を読み終えました
蓮見さんの『水曜の朝、午後三時』は好きだったし、
本屋さんで最初のページを立ち読みして、面白そうと思ったの
 祖父が死んだ。あの戦争を「生き延びたせいで見なくても
 いいものをたくさん見た」と語っていた元二等兵の違灰を
 故郷の海へ還すため、孫の秀二は沖縄を訪れる。そこで手
 にしたのは、古びた四本のカセットテープ。長いときを超
 え、その声は語り始める。かつての南の島に葬られた、壮
 絶な個人的体験を===。敗残兵の影、島民のスパイ疑惑、
 無惨な死。生への渇望と戦争の暗部を描く、力作長編。


最初は淡々と読み進んでいたのだけど、
戦争末期の時代の話で、場所も沖縄の伊是名島に移ってからは
残酷さと異常な固執、身勝手、世情への疎さでつらくなってしまった
あの時代のことを、きれいごとで済ませたいと思っている訳ではない
でも、つら過ぎる・・・殺すことが殺されることが通常な日々
そんなんで、文章は読みやすいのだけど、
読むのにとても時間がかかりました
もう少し時がたったら、もう1度読み直そうと思うかな
しんどいお話でした

今朝、バルコニーの植物にお水をあげていたら
トマトがやっと赤くなっていた 突然
ミニトマトだと思っていたのだけど、
ちょっと小さめのイタリアントマトだった

結構、実がなっているので、もう少ししたら食べられるかなぁ

平日の朝は、1時間前後で農試公園を2周出来るようになったの
公園の中に、ちょっとした運動ができる器具があって、
鉄棒みたいなのにちょこっとぶら下がったりしています
今朝、ぶら下がりながらみた空です


今年、亡くなってしまって40代最後の誕生日を
迎えることが出来なかった大切な人の、今日は誕生日です
知り合って30年以上、
いつも今日は彼の誕生日だなと思い出していました
もう風になって空を自由に飛んでいると思いますが
ちょっとお花でも飾って、偲んじゃうかなんて、センチメンタル


コクリコ坂から

2011-08-04 23:05:31 | 映画のこと
スタジオジブリの『コクリコ坂から』観てきました


実は、これは観に行かないかなぁと思っていました
でも、レディスデイだし、
19時50分からだったら行けそうだしなぁと
気が変わって札幌駅の映画館に行って来たのです

面白かった
ちょんまげ結ってないし、もんぺはいていない
時代劇でも戦争ものでもない
48年前の、戦後の、横浜での物語なんだけど
確実に時代が大きく変わったんだなぁと思う
大真面目に、テレもシラケもなく、青春しちゃうんだもの
冗談とか、ひくくらい古くさいんだけど
子供の頃夢中で読んでいた漫画の世界
こっ恥ずかしいけど、小学生くらいまでマジに夢見ていた世界
生徒会長が、「諸君!」って生徒たちに声かけるんだよ
アイドルが舟木一夫さんなんだよ
横浜の町並も、わたしの知っている横浜じゃなくって
なんだか映画「転校生」で観た尾道みたいだった
でも、埠頭には氷川丸がちゃんとあって、綺麗だった
ストーリーとか、ほぉ、こうきたかというくらい昔の漫画だったけど
素直に受け入れることが出来て、あっという間の1時間半だった
後半に出てきた坂本九ちゃんの「上を向いて歩こう」
なんか、涙が出そうだったよ
手嶌葵ちゃんの声も映画にぴったりでした

今日もいつものように朝1時間位走って
お客様のところにまっすぐ行ったのだけど
色々な行き違いがあって、午前中はすごく歩くことになったの
そして、今日は映画のチケットを予約していたので
自転車で札幌駅まで行ったのだけど
さっき、恐る恐るiPodの歩数計を見たら
28,804歩
疲れる筈だよ