大丈夫!

2006年03月01日 | 雑感 -
父の落ち込みは変わらない。
よく泣く。

「なかなか死ねん」と呟く。

毎度のことながら、深夜に起こされて、身体介助をしてあげると、
「もったいない」「よう世話してもろた・・・」と繰り返す。
再び泣いて、100%果実ジュースを飲み干した後は、ぐっすりと寝付いてくれる。

昨年の攻撃的な精神性から一変して、かなり弱気ーそして、気弱―(一緒かぁ!)。
田舎に帰省した年末年始の「寝たきり生活」や「日々の思うようにならない身体状態」が
おそらく父の精神状態に変化を与えてしまったのかもしれない。


「あかちゃんみたいになってしまった・・・」
最近、そういう感想を頻繁に抱くようになった。
頭や胸、肩、背中などをなで擦りながら、「大丈夫だから」と繰り返すと落ち着いてくる。
今や、「大丈夫」という言葉は、私の口癖になっていて、一日に何遍となく声に出す。
また、痛い左足にシップをはって、ゆっくりと擦るのも、意外と効果的である。
  
 昔の母親がやっていた「痛いの、痛いの、飛んでいけ~~」ってやつを想起しながら、
 日々、父の身体を擦り続けている。

今日の父は、初めて私の言葉を“反すう”するように、「だいじょうぶ」と声に出した。
その言葉を聞いて、ちょっと胸に迫るものがあり、なんとなく“ぐぐっ”ときてしまった。
父の口から、この言葉を聞いたのは「初めて」のことだったから。
なんでもないことなのに、自分の奥底から噴出する想いみたいなものが・・・。

・・・ホント、予期せぬことも多い。
そりゃ、そうだよね。
人間の心なんて、そういうものだろう。

最近は、特に・・・“放し飼い状態”の「牛」みたいにしているから・・・
私の「ココロ」が何処へ行ってしまうのか、全く検討がつかないし、
予定調和でまとめたり、無理に制御してコントロールしたりもしていない。
だから余計に、「牛」みたいに“突然の暴走”に遭遇するときもあるし、
石を投げても振り向かないド~ンとした“微動だにしない安定感”を感じるときもある。


徐々に、生活の意識は固まっている・・・。
それは、日々同じようなサイクルで続けていくことが、そういう意識の変容を生んでいる
―と思う。
身体の疲れや、精神の不安(焦燥感)は拭い取れないが・・・
少しずつ「ココロ」は落ち着いてきたような感覚がしている。
辛いけれど、変わらず哀しいけれど・・・
私の心は暴れまくるけれど・・・
日々の慣れと、押し迫ってくる労働が、そういう苦しみを忘れさせてくれるときがある。

生きるためには、前をむかなければならないし、
生き抜くためには、前に進まなければならない。
決して、自分が望んでいることではないけれど・・・
 (今は、無理して進むよりも、ゆっくり留まりたい気分が多いんだもん)
でも、「どちらをとるのか?」という自問自答には、選択しなければならないから―。
だから、「前を向いて、生きていく」ことにした。
これまでもそうだったし、これからもそうだ。
私の人生も生活も、“私のためにある”はずだから・・・
あきらめちゃいけない。
何より、自分が輝いていないと・・・「自分じゃない」から。
制約があっても、その範疇で「自分を“つらぬいていこう”」と思う。
本当に、そう思う。

きっと、「大丈夫!」。
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3 コメント

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同じ気持ちでした。 (月のうさぎ)
2006-03-03 21:54:24
先週の28日に実父の看護をしていたものです。



いちどこちらのサイトに遊びに来させていただいたのですが、やった人にしかこの気持ちはわかりません。



父は先週、亡くなりましたが、

お父様の言葉などが、うちの父と一緒だったので

コメントさせていただきました。

誰にも、相談できなければ、メールなりなんでも

良いので、吐き出してください。



思いを言う相手がいないと自分までくたびれて

病気になってしまいます。



また、こちらのサイトに来させていただきますね。
返信する
きっと、大丈夫! (Tomo)
2006-03-04 12:06:14
そう、大丈夫です。

きっと、「大丈夫だろう」と思いました。







気持ちの持ち方で、いろいろなことが変わるって言いますけれど、「そうだな」って思うことも多いです。

「大丈夫」って思うことは、大切かも・・・

そんな感想を持ちました。



きっと大丈夫です
返信する
ありがとうございました。 (sachi)
2006-03-05 13:35:49
★月のうさぎさんへ

あたたかいコメントをありがとうございます。

私もくたびれないように、澱んだものがあったら、日々放出していくようにしたいと思っています。

でも、なかなか思うように“出て行ってくれない”けれど(笑)。



介護って、本当に大変ですね・・・。

先週、お父様がお亡くなりになられたのですか・・・。

ご愁傷さまです。

何と言葉をおかけしたらよいのか・・・わかりませんが、きっとお父様は(月のうさぎさんに)感謝されていると思います。

我が父と反応が一緒だったということで、なんとなく(勝手に)想像をしてしまいました。

まだまだ我が父の逝く姿は、想像できないけれど、その時“どんな気持ちになるのだろう”と。

心から、お父様のご冥福をお祈りしています。



悼む気持ちが少しやわらいできたら、徐々に、ご本人自身の“のびやかな生活”を過ごしていただきたいと感じました。

くれぐれもご健康に気をつけて下さいネ。







★Tomoさんへ

力強い励ましの言葉を、ありがとうございました。

何か・・・私も、そんな気持ちになってきましたぁ。

自分自身で繰り返しているだけは、“たよりない想いや言葉”が、こうして公に聞いていただけることで(また、それに対する言葉を頂くことで)よりハッキリと自分の心に落ち込んでいくような気がします。

「大丈夫」だと自分自身で勇気付けながら、これからも、「がんばんべ~~~」。

本当に、どうもありがとうございました。
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