お散歩日和

2005年10月19日 | 介護日記 -
降り続いた雨があがって、少しだけ気分も良かったので、
父を「散歩」に連れ出した。
道沿いにある“大きな柿の木”には、たわわに柿が実っている。
それを長い棒で揺らしながら、知らない“おじさん”が収穫していた。
ぽたりと柿が路面にたたきつけられて、葉っぱもたくさん落ちている。
典型的な「秋の風景」だった。

二人(父と私)に笑顔がもれて、一瞬上を見上げたものの・・・
ゆっくり歩く父の頭に落ちないように、おじさんの手元は止まってしまったので、
こちらも気を遣って足元を早めた。

杖を持たないで歩いて、アパートの入口で腰掛けて、“しばし、お休み”。
しかし、危なげで、心もとないので、杖を取りに帰って・・・手に持たせると
やはり安定して、再び歩き始めた。
父には、まだ杖をもつ習慣が定着していないので、“抵抗感”を感じるようだ。
「かっこ悪いなぁ」
一人で歩けていた記憶が残っているので、どうしてもそう思うのだろう。

近くの道を、二周まわった。
「スゴイ!」
「よく頑張ったね」
私も嬉しくて、声がはずんだりして・・・。
本人も上機嫌だった。

私が1分で歩く距離を、父は15分ぐらいかけて歩く。
それでも、歩けたことが・・・何よりも嬉しかったし、気持ちが良かった。

こういう日は、「希望」を感じる。
“もっともっと良くなるんじゃないだろうか”―そんな期待も浮かんでくる。
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