降り続いた雨があがって、少しだけ気分も良かったので、
父を「散歩」に連れ出した。
道沿いにある“大きな柿の木”には、たわわに柿が実っている。
それを長い棒で揺らしながら、知らない“おじさん”が収穫していた。
ぽたりと柿が路面にたたきつけられて、葉っぱもたくさん落ちている。
典型的な「秋の風景」だった。
二人(父と私)に笑顔がもれて、一瞬上を見上げたものの・・・
ゆっくり歩く父の頭に落ちないように、おじさんの手元は止まってしまったので、
こちらも気を遣って足元を早めた。
杖を持たないで歩いて、アパートの入口で腰掛けて、“しばし、お休み”。
しかし、危なげで、心もとないので、杖を取りに帰って・・・手に持たせると
やはり安定して、再び歩き始めた。
父には、まだ杖をもつ習慣が定着していないので、“抵抗感”を感じるようだ。
「かっこ悪いなぁ」
一人で歩けていた記憶が残っているので、どうしてもそう思うのだろう。
近くの道を、二周まわった。
「スゴイ!」
「よく頑張ったね」
私も嬉しくて、声がはずんだりして・・・。
本人も上機嫌だった。
私が1分で歩く距離を、父は15分ぐらいかけて歩く。
それでも、歩けたことが・・・何よりも嬉しかったし、気持ちが良かった。
こういう日は、「希望」を感じる。
“もっともっと良くなるんじゃないだろうか”―そんな期待も浮かんでくる。
父を「散歩」に連れ出した。
道沿いにある“大きな柿の木”には、たわわに柿が実っている。
それを長い棒で揺らしながら、知らない“おじさん”が収穫していた。
ぽたりと柿が路面にたたきつけられて、葉っぱもたくさん落ちている。
典型的な「秋の風景」だった。
二人(父と私)に笑顔がもれて、一瞬上を見上げたものの・・・
ゆっくり歩く父の頭に落ちないように、おじさんの手元は止まってしまったので、
こちらも気を遣って足元を早めた。
杖を持たないで歩いて、アパートの入口で腰掛けて、“しばし、お休み”。
しかし、危なげで、心もとないので、杖を取りに帰って・・・手に持たせると
やはり安定して、再び歩き始めた。
父には、まだ杖をもつ習慣が定着していないので、“抵抗感”を感じるようだ。
「かっこ悪いなぁ」
一人で歩けていた記憶が残っているので、どうしてもそう思うのだろう。
近くの道を、二周まわった。
「スゴイ!」
「よく頑張ったね」
私も嬉しくて、声がはずんだりして・・・。
本人も上機嫌だった。
私が1分で歩く距離を、父は15分ぐらいかけて歩く。
それでも、歩けたことが・・・何よりも嬉しかったし、気持ちが良かった。
こういう日は、「希望」を感じる。
“もっともっと良くなるんじゃないだろうか”―そんな期待も浮かんでくる。