Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

オリンピック誘致広告の醜悪

2013-01-09 | Weblog
安倍晋三首相の1月中の訪米が困難な情勢になったという。2期目を迎えるオバマ米大統領の多忙さに加え、早期の首脳会談では成果も乏しいと見られるからだそうだ、いや、それは有形無形に「手土産無しで来るな」とアメリカに言われているからだろう。首相は就任前の昨年12月、大統領と電話協議し、「1月に首脳会談を予定している」はずだったが、岸田文雄外相は「大統領就任式の準備などで(訪米の)外交日程が組めない」という。TPP交渉や鳩山がどっと躓いた普天間問題などで進展が見込めない以上、「具体的な成果を望んでいる」という大統領に袖にされるのは当然なのだろう。安倍は原発維持派をずらり揃えた態勢をとったが、それだけじゃアメリカに褒めてはもらえないのだ。放射能なんて怖くないと嘘ぶくのは、国際的には「犯罪」と思われてさえいる。何やら勇ましそうなことを顕示しようと焦って、全世界を道連れにするのはやめてほしい。どのみち短命政権とも言われているわけだが、誰が首相であれ、平和憲法を大切にするだけで全世界の尊敬を得られるはずだとなぜ信じないのか。……どうでもいいけどオリンピック東京誘致のゴールド縁+字の電車内吊り広告。あれを見たくないから電車に乗りたくないと思うほどの醜悪さだ。テリー伊藤の気持ちの悪さ、なんで外国人はみんな胸毛生やしてるってことになるんだ? これで浜ちゃんも嫌いになった。銀座でサッカーするな。あほらしい。猪瀬が自分売りの一枚を用意しているのも気色悪い。……映画『二つの祖国で 日系陸軍情報部』について、前回に記し忘れたことがある。それは沖縄上陸作戦の前に米軍幹部が沖縄の多くの亀甲墓の写真を見て、「この島は全島まるごと要塞だ」と絶望的に呻いたという話だ。確かに斜面や見晴らしのいいところに亀甲墓はある。つまり彼は亀甲墓を戦闘陣地と勘違いしたわけだが、そうした「勘違い」を残酷な皮肉と感じながら、アメリカ兵たちに亀甲墓にきちんと墓として出会ってもらいたかったと思った。過去の世界の歴史に於ける異文化どうしの出会いが、「戦争」「経済」「宗教」の暴力的な侵攻によって果たされることがほとんどだったのだと、あらためて思った。ネット社会やSNSにも問題はあるが、そこに「出会い」の可能性を見出さなければと思うし、その小さな社会の中にさえ暴力的な侵攻が行われないようにしないといけないとも思う。もちろん過剰すぎる反応や防衛も問題ではあるのだが。……オリンピックは、国と国どうしが、「対等」であるという仮説を用意する。それは現実であり幻想だ。右派はオリンピックを日本の没落を隠す仕組みと考えてもいるだろう。それは無駄なあがきだ。オリンピックがたたかいではなく出会いの場なら、誘致に血道を上げ無駄な金をばらまくのではなく、それぞれ特色と意義のある他の候補地に譲るのが当然である。
コメント (1)
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