Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「原発」と入力しようとすると、ミスタッチで「厳罰」と出た

2014-05-21 | Weblog
なんだかんだの6月20日。
東京電力は福島第1原発で汚染水から放射性物質を吸着して大幅に減らす多核種除去装置「ALPS」(アルプス)で処理水が白濁するトラブルが見つかり、全3系統で処理を停止したと発表。
東電によると、アルプスは3系統あるが、1系統は不具合で3月18日から停止中。今月17日には別の1系統のポンプから白濁した水が見つかって処理を停止し、残る1系統で処理を続けていた。
20日午前の定例サンプリングでトラブルが確認されたのは、その唯一処理を継続していた系統で、白濁した水が見つかり、カルシウム濃度が通常より上昇していることが判明したため、汚染水処理ができない状態となった。同9時に運転を停止。
カルシウムは汚染水の処理工程で発生するが、濃度上昇の原因は調査中で、東電は「処理再開は6月以降とみられる」と話している。
全系統の停止は今年3月18日以来という。東電は、フィルターに不具合がある可能性があるとみているという。
どうするのだ。
汚染水処理は止まってしまったのだ。
こんな状態でどうして他の原発の再稼働の話などできるのだろう。

福島第一原発事故でフランチャイズ契約していた浪江町、富岡町、南相馬市原町区にあるマクドナルド3店舗が閉店を余儀なくされ、ロイヤルティー(権利使用料)などが得られなくなった。とくに浪江町の店舗では設備や備品が放射能に汚染され、すべて使えなくなったという。そのような理由で、日本マクドナルドが、東京電力に約7千万円の損害賠償を求めて、福島地裁に提訴したという。

2011年3月、東日本大震災が起こった直後、被災地での災害救助・救援・および復興支援を目的とした援助活動を開始した米軍の「トモダチ作戦」では、2万人を超える将兵に200機近い航空機、また24隻の艦艇が送り込まれた。
3年後、作戦に参加して果敢に活動した海軍兵士や海兵隊員が、救援活動中の被ばくを理由に、東京電力を相手取って訴訟を起こした。
米軍が救助を開始した時点で原発のメルトダウンはすでに始まっており、米海軍が空母などを被災地に派遣することを東電が認識していたにも関わらず、大量の放射性物質の放出や、その時点での測定放射線量などの正しい情報を、東電が意図的に提供しなかった罪を問うものだという。
東電は、アメリカからの問い合わせ対して、「危険性はない」「すべては制御下におかれている」などとしか答えていなかった。
原告である兵士たちは、トモダチ作戦参加後に、白血病、脳腫瘍、失明、不妊、出生異常など、多岐にわたる深刻な病状を発症したと主張している。
米海軍の航空母艦「ロナルド・レーガン」の乗組員8名が、東電に対して総額1億1000万ドル(約94億円)の損害賠償などを求める訴訟を米連邦地裁に起こしたのは2012年12月。2013年3月には、他の26名も訴訟に参加し、さらに多くが加わっているのだ。

漫画「美味しんぼ」の「福島の真実」篇、福島第一原発事故を巡る描写が「鼻血と被曝を関連づけられるのか」など、議論を呼んでいるが、日本政府は米兵たちに対しても「風評被害を助長するもの」として強硬な態度を取るしかないということになる。
「美味しんぼ」騒動についてはあまり感想がない。影響としても想定通りのことばかりが起きている。こうして警鐘を鳴らし続けることは重大だという気持ちで「美味しんぼ」の提起を支援するが、漫画としては少しも面白くないのが残念であるというのも、正直なところだ。

私はあまりテレビを観ないのでわからないが、外資系保険会社を中心に、最近ガン保険のCMが少なくなったという。確かにそんな気がする。アフラックなんかもイメージ戦略になってきている。
原発事故後のガンの発症率が上がり始めたことからガン保険に売り止めがかかってるというのだ。

東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康調査」検討委員会が開かれ、実施主体の福島県立医大が、甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは前回(2月)の33人から17人増え50人に、「がんの疑い」は39人(前回は41人)になったと報告されている。甲状腺検査は、震災発生当時18歳以下の約37万人を対象としている。
検討委の星北斗座長は、チェルノブイリ原発事故では、事故から4~5年後に子どもの甲状腺がんが増加したというデータを基に「現時点では放射線の影響は考えにくい」と、これまでの見解を繰り返したという。
……ということは、早期に反応の出てしまった子供たちの数が多いということは、それだけ深刻な事態であるという可能性もあるわけで、4~5年後にもっともっと福島の子どもの甲状腺がんが増えると予想されるということではないのか。素人考えではそうも受けとれる。

「原発」と打とうとすると、ミスタッチで「厳罰」と出た。
何の疑問もなく、厳しい罰を受けなければならないのは、政府であり原発で儲けようとし続けている輩たちである。
そして、このような世の中を許容しているこの国の国民である。
福島の子供たちのはずはない。

補償問題、健康問題という大波は、確実に来る。
本当に深刻になる前に、どれだけ鈍感にならずにいられるかだ。
私はミスタッチで出た「厳罰」という文字を、私自身に対する警鐘のようなものとして受け取った。

鈍感になりたくない。なってはならない。
コメント
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