
ロシアがウクライナに侵略したのは事実である。
人が殺し殺される戦争の開始ということでもいいが、始めたのは、ロシアだ。
ロシアの侵略を肯定し、その理不尽の現在形を「既成事実として認める」ことが「停戦のための条件」だと、武力・財力・情報力を持つ第三国が決めつけるのは、不正義を認めさせようとする脅迫である。
他に選択肢が見えない中でのゼレンスキーの発言が、アメリカで対峙したトランプと噛み合わなかった。それだけを取り出してとやかく言う人たちの気が知れない。
この国の総理大臣は米大統領に面談し、ただ懐いただけだった。戦時下の国の大統領は引くに引けないまま、しかし自身の意見を表明した。
劣悪な境遇の人間は、優位な立場を盤石に固めた者の一方的な発言を、黙って聞かなければならないのか。それに反発することを愚かだと決めつける権利が誰にあるのか。
そしてアメリカは、大統領一人の問題ではなく、周りにはひどい取り巻きがわんさかいて、独断采配する者の代替はいくらでもいるということを露呈させた。
それにしても、この国で、アメリカ・ロシアを肯定する陰謀史観に染まってゆく人たちの多さに、愕然とする。
デマに惑わされてはならない。
力のある者の発言に迎合することが合理的だと考えるのは愚かである。
「ロシアを追い詰めた者こそが悪」というあなたは、そうなることを止める必要を感じずに過ごしてきたはずだ。
ロシアがウクライナに侵略したのは事実である。
さすがにそれを否定する人は少ない。ほぼいない。
侵略行為を肯定することが解決策であるはずがない。
ポーランド・ワレサ氏のトランプに向けた発言は、きわめてまっすぐに聞こえる。
そしてプーチンは、あらためて全世界を脅迫している。彼を追い詰めた者が悪い、と、まだ言う者がいるのか。
写真は、モスクワ。六年前。
どの国のどの町でも、人々は幸福を求めている。
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