Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

福島でフレコンバッグ流出

2015-09-14 | Weblog
共同通信(九月十一日付)等によれば、環境省は、大雨で福島県の河川が氾濫し、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染廃棄物の入った大型土のう袋が川に流出したと発表したという。
この袋は約1立方メートルのフレコンバッグと呼ばれるもので、福島の立入禁止エリアにはいると国道沿いから延々と山のように積まれているのがわかるものである。その光景が何十分も続くのだ。私も立入のさいに目撃し、この世のものとは思われぬ光景に、声を失った。
そもそも除染袋は耐久性について「3~5年程度」とされており、そろそろ痛んできて移し替えねばならないものも出ているのではないかと懸念されているものもある。
11日午前6時ごろ、飯舘村役場から環境省に袋が流出していると連絡があったのが最初らしい。袋は川に浮いて流れている状態で、連絡を受けた除染業者が回収した。もともと水田に仮置きしていた。飯舘村以外に同県川俣町の仮置き場2カ所でも冠水したが、袋の流出は確認されていないという。
望月環境相は「関係者の方々にご心配、ご迷惑をおかけしていることについて、おわび申し上げる」と述べたという。
この時は、土のう袋は、仮置き場に運ぶ前に、一時的に保管していた場所から少なくとも82袋が流され、11日までに回収できた数は37袋と発表された。約30袋を回収したが全体の流出数は分かっていないという情報も出た。
環境省は12日、同村内で238袋、下流の南相馬市原町区で2袋の計240袋を発見したと発表した。南相馬市の2袋は中に何も入っておらず、流失したとみられるという。
同省は「いずれも最近刈り取られた草などで放射性物質濃度は比較的低く、周辺環境への影響はほとんどない」と説明しているが、中身が流れてしまっただけではないのか。
飯舘村では111袋を回収したが、残る127袋は重機や人が近づけない河川の中州や対岸にあり、水位の低下を待って回収する、という。
こうした土のう袋のずさんな管理について、望月環境相は、汚染物質を袋に入れたら、すぐに仮置き場に運ぶか、袋にタグを付けるなどして管理するなど、新たに改善策を検討する方針を示した。
何を今さら、と言うしかない。
時事通信(9月13日付)によれば、福島県飯舘村の除染現場から廃棄物の入った袋が豪雨により川に流された問題について、環境省は12日夜、破けて空になった2袋が下流で見つかったと発表したという。除染で刈り取られた草が入っていたという。同省は「放射性物質濃度は比較的低い」と説明している。残りは増水している水位の低下を待って、回収する予定ということだった。流出の総数は分かっていない。望月義夫環境相は発表に先立つ12日午後、「総力を挙げ、一つも喪失することのないように実態を把握しなければならない」と福島市内で述べたようだ。
数はどんどん増えていっている。
じっさい、豪雨で流出したものがそれだけというはずはない。環境省に「濃度が低い」と言われても、俄には信じがたい。

私たちはフレコンバッグを『バートルビーズ』で使用した。ラストには複数出てきて出演者全員が入る。そして棹のように棒を立て、「箱船」のように漂流していく佇まいで終わる。
悪夢と現実の区別がつかなくなってきている。
コメント (2)
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