劇作家協会の新事業「せりふを読んでみよう」。第一回めが終了。
「劇作家と俳優のためのせりふの読みかたワークショップ 」である。
「せりふを読む」という、意味や名称の似た講座は、既に各地に幾らでもあるようだが、劇作家協会がやるからには、きちんとしたものにしなければならない。
担当委員は、言い出しっぺである私と中津留章仁の他に、瀬戸山美咲、藤井ごう、古川貴義、古川健、奥山雄太の各氏。 事務局スタッフ、制作担当もベストメンバーで万全の体制を取った。私も二日め以外は顔を出した。
今回4日間かけての担当講師は、永井愛さん。「演技とは、言葉が生まれる瞬間を体現することだと言い換えることもできるでしょう。なぜこの人物は、こういう言葉を、この順番で発することになったのか? 短い場面をテキストに、発語のメカニズムに迫ります。」が、本人の言。選ばれたテキストは永井さん作『歌わせたい男たち』の一場面。音楽の女教師と社会科教師の、卒業式本番を前にした会話である。
初日は永井さんの提案で、オリエンテーション、3分間の即興。そして、いきなりの読み合わせ。大勢が観ている前なので参加者はさすがに緊張気味。だが、私はこういう時に、実際に読んでいる二人も大切だが、待機し聞いている他の十人も、見る。この待機し聞いているときのまさに十人十色のたたずまいがとてもよくて、この企画はうまくいくという確信を持った。
そう、初日と最終日の発表以降は見学可能としたのである。会場の都合でこちらも応募予約制にしたが、見学者は90名の定員のところ、完全に満席。俳優、劇作家・演出家、一般の方も含め、熱心に観ていただけたと思う。
あいだのクローズドの二日間の、緊張感と寺子屋感(?)も、私の見た限りでは、悪くなかった。
ただ、私自身は「4日間で俳優がどう変化するのか」を観ていただくというのは、ちょっと違うかも知れないと思っている。それぞれの日に、それぞれの課題がある。それを体感し、あるいは見届けていただければいい。
少なくとも、永井愛さんの演劇観、台詞や俳優についてのアプローチを知ることができるのは、どの立場からしても、とてもいいことだと思った。批評家やジャーナリズムの方にももっと関心を持ってもらってもよかったのではないかという気がしている。
最終日はリーディング発表会、質疑応答、私も参加したシンポジウム「せりふを書く、せりふを読む」。演劇教育にも話が及び、質疑応答では可能な限り訊きたいことに答えられたと思う。
その後は交流会が行われた。これはかなり楽しかった。
ワークショップに参加した俳優陣は、一般公募でそうとうな倍率の中を選ばれた十二人。今回は永井さんの意向もあって応募資格を「年齢20歳以上39歳まで」としたので、みんな若い。講座じたいを公開しているので、名前を挙げても差し支えないだろう。
東谷英人、浅倉洋介、綾田將一、石田迪子、井上みなみ、小野寺ずる、斎藤加奈子、橘 麦、野口卓磨、藤田ひさお、山村秀勝、梨瑳子の皆さん。
もともと知っている者もいるのだが、とてもよい集中力だったし、皆それぞれの個性は魅力的で、こうした企画がすぐれた出会いの場であることも、改めて痛感した。
写真は、質疑応答時間で、永井さんと中津留君も壇上に。みんな正面向きでなんだか雛祭り状態であるが。
「劇作家と俳優の為のせりふの読みかたワークショップ」の第2回めは、 2016年2月または3月を予定している。詳細が決定したらいずれまたお伝えします。
「劇作家と俳優のためのせりふの読みかたワークショップ 」である。
「せりふを読む」という、意味や名称の似た講座は、既に各地に幾らでもあるようだが、劇作家協会がやるからには、きちんとしたものにしなければならない。
担当委員は、言い出しっぺである私と中津留章仁の他に、瀬戸山美咲、藤井ごう、古川貴義、古川健、奥山雄太の各氏。 事務局スタッフ、制作担当もベストメンバーで万全の体制を取った。私も二日め以外は顔を出した。
今回4日間かけての担当講師は、永井愛さん。「演技とは、言葉が生まれる瞬間を体現することだと言い換えることもできるでしょう。なぜこの人物は、こういう言葉を、この順番で発することになったのか? 短い場面をテキストに、発語のメカニズムに迫ります。」が、本人の言。選ばれたテキストは永井さん作『歌わせたい男たち』の一場面。音楽の女教師と社会科教師の、卒業式本番を前にした会話である。
初日は永井さんの提案で、オリエンテーション、3分間の即興。そして、いきなりの読み合わせ。大勢が観ている前なので参加者はさすがに緊張気味。だが、私はこういう時に、実際に読んでいる二人も大切だが、待機し聞いている他の十人も、見る。この待機し聞いているときのまさに十人十色のたたずまいがとてもよくて、この企画はうまくいくという確信を持った。
そう、初日と最終日の発表以降は見学可能としたのである。会場の都合でこちらも応募予約制にしたが、見学者は90名の定員のところ、完全に満席。俳優、劇作家・演出家、一般の方も含め、熱心に観ていただけたと思う。
あいだのクローズドの二日間の、緊張感と寺子屋感(?)も、私の見た限りでは、悪くなかった。
ただ、私自身は「4日間で俳優がどう変化するのか」を観ていただくというのは、ちょっと違うかも知れないと思っている。それぞれの日に、それぞれの課題がある。それを体感し、あるいは見届けていただければいい。
少なくとも、永井愛さんの演劇観、台詞や俳優についてのアプローチを知ることができるのは、どの立場からしても、とてもいいことだと思った。批評家やジャーナリズムの方にももっと関心を持ってもらってもよかったのではないかという気がしている。
最終日はリーディング発表会、質疑応答、私も参加したシンポジウム「せりふを書く、せりふを読む」。演劇教育にも話が及び、質疑応答では可能な限り訊きたいことに答えられたと思う。
その後は交流会が行われた。これはかなり楽しかった。
ワークショップに参加した俳優陣は、一般公募でそうとうな倍率の中を選ばれた十二人。今回は永井さんの意向もあって応募資格を「年齢20歳以上39歳まで」としたので、みんな若い。講座じたいを公開しているので、名前を挙げても差し支えないだろう。
東谷英人、浅倉洋介、綾田將一、石田迪子、井上みなみ、小野寺ずる、斎藤加奈子、橘 麦、野口卓磨、藤田ひさお、山村秀勝、梨瑳子の皆さん。
もともと知っている者もいるのだが、とてもよい集中力だったし、皆それぞれの個性は魅力的で、こうした企画がすぐれた出会いの場であることも、改めて痛感した。
写真は、質疑応答時間で、永井さんと中津留君も壇上に。みんな正面向きでなんだか雛祭り状態であるが。
「劇作家と俳優の為のせりふの読みかたワークショップ」の第2回めは、 2016年2月または3月を予定している。詳細が決定したらいずれまたお伝えします。