日本に於ける「政治犯」当事者の獄中結婚を描いた拙作『ブラインド・タッチ』は、今年の三月、2002年の初演以来の、本格的な再演を行いました。私自身の演出での上演は、初めてでした。
主人公のモデルとなっている星野文昭さんは、収監されてもう四十四年になります。
「渋谷事件」についての裁判はきわめて杜撰であり、様々な証拠から冤罪であることが明らかであるにもかかわらず、再審が認められません。
そして、これだけの歳月を経ても、仮釈放を認められていません。
刑務所内での処遇にも深刻な問題があります。
星野さんの健康状態も多くの人が心配するところです。
家族、弁護団、支援関係者が重ねてきた、現在徳島刑務所にいる星野さんの仮釈放を求める運動は、四国地方更生保護委員会への要求を軸にしています。
国際社会に訴えるべきだという声も大きいです。
1971年の時点で星野さんがたたかっていたのは、「沖縄復帰闘争」です。
半世紀近く経って、星野さんが抗った日米軍事同盟の謀略により、沖縄・辺野古の海が埋め立てられようとしている現実を前に、星野さんのたたかいの貴重さを思い、「時代を超えた連帯」を果たさなければならないと、あらためて感じています。
星野さんの沖縄闘争以来の年月と、現在の辺野古の現実との繋がりは、重要です。国家権力が「歳月の積み重ね」を武器にすることに抗う困難さも、共通しています。
四国地方法務局・更生保護委員会に対する12回目の申し入れが、12月26日(水)に行われました。私も申し入れに参加しました。弁護士会館がその控室となりました。(写真)