映画 『狼をさがして』 について、コメントを書きました。
〈東アジア反日武装戦線〉を描いたドキュメンタリーである。「狼」「大地の牙」「さそり」といった部隊がある。彼らは、1970年代に連続企業爆破事件を引き起こしたこと、天皇暗殺計画「虹作戦」等で知られている。彼らが作成した爆弾指南書『腹腹時計』は、広く拡散された。
天皇の戦争責任はもちろん、侵略、植民地、強制連行、慰安婦の問題。国家・企業の現在に至る責任を問うたが、時として武装闘争を実践した。自らのアイヌへの侵略の歴史にも言及されているが、自己否定と暴力が、そのように繋がっていた時代だった。
未公開となっている『カウンターズ』に続き、韓国の映画人が、日本に棲息し続ける歪んだ国家主義に抗う者たちを取り上げてくれたのである。
〈東アジア反日武装戦線〉の活動には、誤謬もあったかもしれないが、私たちはその試行錯誤から学ばなければならない。そう思ってきた。
彼らと共有すべきものがあると考え、かつて私は戯曲『火の起源』を書いた。
あの地点から始まった〈人の繋がり〉の連鎖は、まだ続いている。時代を超えて、さらなる覚醒が必要なのだと思う。
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映画 『狼をさがして』
監督・プロデューサー:キム・ミレ
2021 年 3 月 27 日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開