劇作家の清水邦夫さんが、4月15日午後零時46分、亡くなられました。
死因は老衰ということです。
葬儀告別式は近親者のみにてとりおこないます。
喪主はなく、ご遺族の希望により香典、献花などはご辞退されるということです。
清水邦夫さんの名前を初めて憶えたのは、映画『竜馬暗殺』。
高校時代、ポスターを部屋の壁にずっと貼っていた。
じつは倉敷で自主上映したのである。
そこに「脚本 清水邦夫」とあるその人と、その後、出会い、親しくお話をさせていただくようになるとは、その頃は想像もしていなかった。
戯曲集『ぼくらが非情の大河をくだるとき』は、ボロボロになるまで読んだ。
『楽屋』は、おそらく、日本でもっとも上演されている戯曲だろうと思う。
私が岸田戯曲賞候補となって、二度めに選んでいただいた時のことは、忘れられない。
また、劇作家協会では、創設時から、いろいろなお話しをさせていただいた。先輩たちの中でも、独特の感受性で、本当に素敵だった。
一緒に審査員等をしたときの意見は、百パーセント合致した。そんな人は後にも先にもいない。
清水さんの存在そのものに、励まされた。
感謝しかない。
私の『屋根裏』の文庫版の解説を書いてくださるはずが、その頃から体調を崩された。
お話しできない時間が長かったことも、残念でならない。
これほど個性、文体が、くっきりとしている劇作家は、もうこの国にはいないのではないかと思う。
ご冥福をお祈りします。