Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

現代詩の演劇性

2012-07-16 | Weblog
昼公演の後、現代詩の長谷川龍生さん、小池昌代さん、清中愛子さんとシンポジウム(写真)。長谷川さんと小池さんが清中作品を高く評価してくださっていて、嬉しい。「宇宙みそ汁」に出てくる飛行士ジョセフ・キッティンジャーと長谷川さんが同年とわかって盛り上がる。「落下してきた宇宙飛行士が台所に降り立つというのが凄い」と言う長谷川さんご自身も台所で生まれたそうで、またまた盛り上がる。清中作品には長谷川・小池両氏作品の影響が色濃いと感じたが、小池さんもそう思われたそうだ。なんだか感受性を共有できる四人が話しているという雰囲気、空気の良い話。なんだか現代詩にも一種の演劇性があるという気がしてきた。……夜はジャブジャブサーキット公演を観に、スズナリへ。病み上がりだが元気そうでよかったはせひろいちさん、小堀純さんのアフタートーク。客席も賑やか。終演後、深津篤史さんとも久々にお話。……『宇宙みそ汁 / 無秩序な小さな水のコメディー』東京・梅ヶ丘BOX公演はいよいよ二十日まで。
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犬島の浜で野外劇

2012-07-15 | Weblog
9月の新作野外劇のため犬島下見。既に何度か見た予定地をまた見るわけだが、今度は森下紀彦舞台監督と一緒だ。引き潮の時間。メジャーで採寸するが、あらためて広すぎると思う。当たり前だ。敵は海なのだ。味方にしなければ。いろいろ考える。根本的なところから。……観光客用の浜ではロック・ジャンボリーが行われていて賑やかだった。若者に声を掛けられる。演劇をやっている人と音楽をやっている人がクロスしてはいるのだ。島の名物おかみ・在本桂子さんにアイスコーヒーをご馳走になる。……慌ただしく東京に戻る。書店に寄りたいが夜9時閉店でギリギリ間に合わず。
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大杉栄と坂手洋二は似ている?!

2012-07-14 | Weblog
情報宣伝のために大阪に来ている。記者会見が私の事情で遅れて始まってしまったが、だらだらと世間話をしたりした後、ほぼ全部の記者の方々と正宗屋で飲み会に突入し、小堀純兄の指揮下、予想外に盛り上がる。石原燃女史も加わる。まあなんとか責務は果たし、皆さまにありがたく思いつつ、夜は更ける。……小堀さんに「坂手は大杉栄に似ている」と言われて驚く。「以前から思っていたんだが」と言う。そもそも私は大杉栄の顔を知らない! それはいったいどういうことなのか!? ……深夜、七味まゆ美女史とも再会。……小堀さんのつくった大竹野正典さんの戯曲集は、近年見たことのない気持ちのこもった本だ(写真)。理屈はいい。買って手にとってほしい。限定版で、一冊ずつ番号が振られている。……ともあれ大阪に来て甦った、私の、一日である。
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ヘリパットの作られる村の人なら当然感じること

2012-07-14 | Weblog
いよいよ18・19日にせまった今年夏の非戦を選ぶ演劇人の会リーディング『私(わん)の村から戦争が始まる ~沖縄やんばる・高江の人々が守ろうとするもの~』だが、昨年までの非戦の会のリーディングに比べて前売状況がよろしくない。いろいろな情報に埋没しているのだろうか。オスプレイ問題がこれだけ露出しているのに、沖縄やんばるにある「高江」という地の知名度が低い、ということなのか。沖縄出身の俳優を中心に豪華出演陣だし、ミニライヴもある。どうか近隣の皆さまにもお呼びかけいただけると幸いです。
あらためて詳細情報をアップします。
よろしく!

非戦を選ぶ演劇人の会リーディング
『私(わん)の村から戦争が始まる ~沖縄やんばる・高江の人々が守ろうとするもの~』
作:清水弥生・ 瀬戸山美咲・ 坂手洋二
演出:鵜山 仁(文学座)
演出補:永井 愛
日時:2012年7月18日(水)19:00
日時:2011年8月19日(木)14:00
日時:※受付開始は開演60分前、開場は30分前になります。
日時:※各回終演後、 トーク&ミニライブを行います。
会場:全労済ホール / スペース・ゼロ(JR新宿駅南口より徒歩5分/京王線・都営大江戸線・都営新宿線新宿駅6番出口より徒歩1分 渋谷区代々木2-12-10 全労済会館 TEL:03-3375-8741(代))
 『沖縄県、東村高江(ひがしそんたかえ)は、沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれる豊 かな森に囲まれた、約160人が住む小さな集落です。
 このやんばる地方には広大な在日アメリカ軍施設「北部訓練場」があり、隣接する高江 集落でも昼夜問わず軍用ヘリコプターが上空を飛び交っています。
 1996年、日米両政府による「SACO合意」に基づいて、米国は北部訓練場の約半分を返還することを約束しました。沖縄の負担は軽減されるはずでした。
 ところがある日、高江集落を囲むように、米軍のヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)を新たに6つ、増設する工事が始められました。北部訓練場一部返還の条件として、返還される部分にあるヘリパッドを高江に移設するということが取り決められたためです 。話し合いを求める住民の声を無視して計画は進められていきました。
 2007年の夏、このままでは高江に人が住めなくなる!と考えた高江の住民たちは、工事現場の入り口で、座り込みを始めました。
そして2012年夏、日米政府は沖縄に、欠陥の指摘される垂直離着陸機・オスプレイを配備しようとしています。』

▼出演者(五十音順)
安仁屋美峰・新井 純・市毛良枝・釆澤靖起・占部房子・枝元 萌・大沢 健・大鷹明良・大谷亮介・大多和民樹・沖 直未・北 直樹・KiNoMi・きゃんひとみ・ゴリ(ガレッジセール)*18日のみ・沢田冬樹・重田千穂子・高橋長英・高山正樹・津嘉山正種・寺田路恵・中川安奈・西村壮悟・比嘉モエル・HiRO・藤木勇人・蒔田祐子・みやなおこ・宮城康博・山谷典子・ゆかわたかし
▼料金(全席指定:税込)
大人1,500円/中高生1,000円/小学生以下500円
▼チケット取り扱い(前売開始日:2012年6月27日(水))
・チケットぴあ(Pコード:422-023)
・チケットぴあ TEL : 0570-02-9999
・チケットぴあ http://t.pia.jp
・スペース・ゼロ チケットデスク  http://www.spacezero.co.jp(一般のみ)
・CoRichチケット!
http://hisen-engeki.com/information.htm
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政党名で遊ぶのはやめよう

2012-07-12 | Weblog
民主党を除名された小沢一郎元代表一派は、自分たちが新たに結党する新党の名前を「国民の生活が第一」とした。ギャグだよね、もちろん。ユーモアで世界を変えるんだ、あんたたち。俺はちっとも笑えないけど。「国民の生活が第一党」というのは、言いにくいし、アナウンサーもいい迷惑だろう。まあ、ほんとうに国民の生活が大事と思っていたら、それは人々に伝わるだろうし、そう名乗る必要もないはずだ。「初めから嘘つき」党だと言っているようなものだ。まあ「たちあがれ日本」は、この国は一生立ちあがれないという宣言のようなものだったし。……上野動物園で、同園で24年ぶりに生まれたパンダの赤ちゃんが死亡。緊急会見で園長は涙ぐんでいるし、記者の質問は非難がましいし、確かに「まるで謝罪会見」であった。……ところで、カンパニー・メンバーだが日本に留まらずハワイなどで活躍するジョン・オグルビーと久々に再会。「坂手さんフェイスブック、アクティヴですね」。はい。必要に応じて、使えるものはなんでも使います。……いろいろこれからの準備もあって、ユニクロに行ったり、ダイソーに行ったり。なんと、ダイソーの印鑑コーナーに「坂手」を発見。世界に二千三百人しかいないはずの我が一族の印鑑が一般に売られているのを見たのは、初めて。しかもダイソーだ。この話を同族にすると「あんたが悪目立ちしているからこの名字が一般に知られるようになってしまったのよ」と逆に非難されるかもしれないが。……写真は『宇宙みそ汁』より、五人の「愛子」。
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高江に異変あり

2012-07-11 | Weblog
昼夜二公演。バタバタしているうちに時間が経つ。あっちもこっちも、うんざりすること多々。自分のことしか考えていない瞬間の人間は、本質的にそれがおかしいとわかっていないようだ。ともあれ、しのぐ。そして性善説として、人を信じる。信じ、励ますしかない。既に満身創痍だが、渡世だ。……人も国家も同じなのか。自分の国を信じ、励ましたいからこそ、国に対して批判するということになっているとしたら、右も左もあるものか。国民が、そこに住んでいる人が蹂躙されようとしていることを見過ごして、守るべき国、民主主義があるものか。本日の、根源からの苛立ちは、沖縄・高江で工事準備の強行があり、N4ゲート前にトラック二台を並べられてしまったことだ。これは国家による宣戦布告だ。いままでの「業者」はさすがに良心の呵責に耐えかねて何度か撤退、交代してきたわけだが、今度の下地議員の関連が取り沙汰される会社は、どうなのか。自分の収入仕事のために、島の人間どうし傷つけあうことをよしとするのか。……心あり、時間もある皆さんは、ぜひとも沖縄・高江に行って、この阻止闘争を、身体を張って支援してほしい。総理官邸前で立ち尽くしているよりは、直接的に効力のあるたたかいができるはず。……腹が立ったりむなしかったりすることばかりで、さすがに気が滅入る。しかし前向きでなければ生きている意味がない。……写真は『宇宙みそ汁』より。清中愛子さん自身が従事した造船所労働の現場の「点呼の風景」。そう。『宇宙みそ汁』は、「格差社会」「貧困」の問題にも取り組んでいる。怒りの演劇でもあるのだ。高江でも、国家の横暴に対する人民の抵抗であるはずが、雇われ労働者と居住者のたたかいに転化されかけていることを、阻止したい。敵は国家であり、労働者どうし、庶民どうしの争いであっては、いけないのだ。
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『じらいくじら』

2012-07-10 | Weblog
ばたばたとしているうちに昼間が終わる。暑い。今年はなんとかクーラーを入れないで過ごすことを決意するが、階上に上がるとむわっと気温が上がるのは困ったものだ。夏ではなくまだ梅雨だと人は言うが。……橋下大阪市長による都市計画のため、アートディレクターの佐藤可士和氏が府市併任で特別参与に委嘱されるという。ユニクロのロゴで知られている人らしい。府と市は同市北区中之島を文化芸術の重点地域として位置付け、「ブランド化」するという。それで面白い街になるならそれはけっこうだが、「文化芸術の重点地域」って、その中身のことを考えなくちゃいけないんじゃないか。……写真は『じらいくじら』。三人で一頭のくじらを示している。十一年前に書いた脚本だが、初演なのである。国際合作〈ランドマイン・プロジェクト〉のエピローグとして書かれたが計画じたいが資金難で頓挫したので宙ぶらりんになってしまった。インドネシア・ラマレラがもともとの舞台だが固有名詞は出てこないし、時代はいつかわからないしくみになっている。完全にモノローグであったものを、新しく書き加えることは一切しないで大勢でやっている。……そして現在思っていることは、地雷と放射能は似ている、ということだ。説明はあまりいらないはずだ。
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『利き水』のバー

2012-07-09 | Weblog
今日は『宇宙みそ汁』終演後に、渡辺洋、薦田愛、清中愛子、三人の詩人の皆さんによるシンポジウム。私も登壇、詩に詳しいわけではないのだが、なんとか進行役を務める。終えて、前日が清中さん誕生日だったとかで、慌ててバースディを祝う。……『無秩序な小さな水のコメディー』の中の『利き水』の内容について、マスターのお話を引用させていただいている吉祥寺のSullivan's Irish Pub/サリバンズ アイリッシュパブへ、御礼を兼ねてうかがう。ご挨拶が遅れて申し訳ない。ギネスと、夏らしくバジルモヒート。……産経ニュース【高木桂一の『ここだけ』の話】南西諸島に自衛隊が不可欠な「3つの理由」という記事が、ひどい。「マスコミはしばしば「沖縄県民の意識」と いう言葉を使うが、沖縄県民とは沖縄本島の 人間だけを指しているのだ。当の沖縄本島の県民の間では、本土から差別されているという意識が根強い一方、南西諸島の人々を蔑む空気も強いとされる。 沖縄本島の県民意識を踏まえれば「問題になっている沖縄本島の基地をすべて南西諸島へ移転させれば結果オーライ」といった見方もなされている」というのである。私の知る限り、そのような認識はあり得ない。沖縄県民を貶めるデマである。「チュニクルサッティン、ニンダリーシガ、チュクルチェ、ニンダラン」、すなわち、他人に痛めつけられても眠ることはできるけど、他人を痛めつけてしまったら、もう眠れない、それがウチナーンチュである。……写真は、『利き水』より。ある意味ネタバレだが、六個の灰色の箱椅子だけ、ほぼ最小限の道具だけで展開するこの企画全体で、このシーンだけ専用のカウンターとスツール。皆さん、ちゃんとバーに見えると言って下さる。ホンモノの△△△と□□□□を使っているからでもあるだろう。
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七夕、星になろう

2012-07-08 | Weblog
七夕。「今夜は七夕、短冊に願いを込めて……」というメッセージがどなたかから届いている皆さんは、幸せですぞ。それはさておき、今回『入り海のクジラ』という実質四分に満たない短篇があるのだが、これは最後に「星になろう」という台詞で終わるので、考えてみれば実に七夕向けの芝居なのであった。もっと早く宣伝しておいて、カップル割引も用意しておくべきであった、と気づいたのだが、後の祭り。……4分間は、いくら何でも短すぎる? いえ、今回の『宇宙みそ汁』『無秩序な小さな水のコメディー』二本立ては、全部で1時間40分。ほんとですよ。……七夕の願いだか祈りだかは、ある意味で相手に対する「約束」でもあると思うのだが、「約束」を大事にすべき者がそうしないという事例が多すぎるのがこの国である。羽田国土交通大臣が就任後初めて、群馬県の八ッ場ダムの予定地を視察し、計画通りに建設を進める考えを地元知事などに伝えた。「前大臣の時に(事業)継続と、すでに皆さんとお話しさせていただいていますし、私もそれを踏襲させていただく」という。八ッ場ダムをめぐっては、政権交代を果たした民主党政権が2009年に建設中止を表明したが、その後、撤回。去年12月には、前田前大臣が再開を決めたものの、建設の前提となる利根川水系の河川整備計画がまとまっていないため、本体着工のめどはまだ立っていなかった。こういうこれ見よがしな行為の目的は誰の目にも明らかだが、ともかく「やらない」と言ったことを「やる」、「やる」と言ったことを「やらない」、それが民主党とその取り巻きである。八ッ場ダムはどこからどう見ても明らかな例の一つだ。保坂展人氏と現地を歩いたのは3年前だが、そのとき、「やる」「やらない」論争以前に、この数十年の宙ぶらりん状態がどれだけ人間を蝕むかということに、胸が痛んだ。民主党とその取り巻きがこの数年間日本を潰していったことを私は忘れないだろうし、どんなに言い訳し忘れたふりをしようと、彼らの罪を糾弾しつづけるだろう(自民党の罪も忘れはしないが)。新しき人たちよ、彼らを見て絶望感のみを得てはならない。あなたはあなたなのだ。満身創痍であろうと、どんなに時間がかかろうと、原則論であり正論を、その人自身の観点で言い続けることしかないのだ。……大阪市の「職員の政治的行為の制限に関する条例案」に反対する表現者の緊急アピールに対して、橋下市長がツイッターでええかげんなことを呟いているとのことで、ツイッターをやらない私にも報告が来る。これは橋下氏が自分が知りもしないことを知ったかぶって言っているだけであって、同時にもっと知らない人達を誤った認識に導こうという詐術である。詐術だけれど「詳しくは知らない」こと自体によって責任を生じさせない仕組みを作っているわけで、なるほどこの人はこういうやり方なのだなと思う。まずは呟きでなくきちんと公式に発言するのを待つ。……写真は『入り海のクジラ』。
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雨の中の15万人

2012-07-07 | Weblog
毎週金曜日に行われている永田町・首相官邸前での「反原発・脱原発」「原発再稼働への抗議」をアピールする行動に初参加。関電大飯原発3号機再稼働を「既成事実」とさせないために、15万人(警視庁は2万1千人)が集まった。私は「総理官邸前」の表示のある交叉点その場所にいたので、じっさいにどのくらいの人が集まっているか、人数はよくわからなかった。どんよりした天候だったが、6時頃からぱらぱらと降り始めた。7時半近くからは本降りになっていった。先週の20万人よりも少ない人手ではあったわけだが、「雨の中の15万人」には、価値がある。日刊ゲンダイの山田さんの報告によると、「警察の本領むき出し。ほとんどの参加者は官邸前に近づくこともてきず、先週のように官邸前道路を開放することもない。遠巻きに各個が抗議の声を挙げるだけ。雨にも関わらず先週並みの参加人数。しかし、規制規制で各個撃破され、不完全燃焼。主催者が解散指示だしても警官隊に封鎖された抗議の市民は動かず、封鎖を突破の動き。封じ込めておいていらつかせ、跳ね上がりを待ち、逮捕。官邸前抗議を終焉させるやり口」とのこと。それで結果として7時半くらいになって、車道から広がる人たちの大きな動きがあったわけだ、地下鉄国会議事堂駅は4番出口だけが開けられ、多くの人が足止めを食っていたとも聞く。山田さんは「外に出ると、横断歩道は一歩通行で渡れない。警察の指示通りに歩いていくと官邸前からどんどん遠くなる。官邸に近づけさせないように迂回路を強要される。初めて抗議に来た人は延々と迂回路を歩かされるばかり。嫌がらせとしかいいようがない。先週の解放区を見たエライさんたちが、現場の警官を𠮟り付けたんだろうな」とのことだが、じっさい警官たちは、ある意味「先頭」にいる私たちにも「ここから先はいけません」とポールを立てて足止めをしており、一方通行を強調して動きにくくする作戦、「あちらに渡って行きたければ逆方向から一回りして下さい」と理不尽なことを言う。……いきなり田中康夫議員がフーセンを配っているところに会ったり、坂本龍一教授の参加に湧いたりもしたが、かなりいろいろな人達、カメラマン、報道関係者、言論人、反原発支援関係者がいた。福島から来た女性グループのすぐそばにいて四人分をフォローして傘を持ってあげたりしたが、福島から来た人達のアピールには説得力があった。福島瑞穂ら議員たちには若干冷ややかな態度の人々が多かったと思う。いろいろな人に会ったけれども、詳細は書かない。逆に、未知の人からも挨拶され、なんだか思ったより自分は面が割れていたのだなあと驚く。警察の防衛線が崩れてからは動き、去年から反原発デモに多く出ていて様子を聞かせてくれていた小熊英二さんにも会って、いろいろ話す。確かに、多くの人達がここに集まることを「楽しむ」くらいにならないと、この運動は続かないだろう。防衛戦を崩すことにはある種の達成感があるはずだが、それ自体を目的にすると今後はあまりよい結果が得られまい。皆、冷静に、しなやかにを、保ってほしい。……先週は「大きな音がしていた」というひどい反応だった野田首相も「抗議の声と向き合っているか」という記者の質問に無言で頷き、「多くの声、さまざまな声が届いております」とのことだったが、この人、自民党がこの日の総務会で挙げた「他国への武力攻撃を実力で阻止できる集団的自衛権について、憲法改正によらずに一部行使を可能にする国家安全保障基本法案」に、迎合しかねない。原発の「軍事利用の可能性」を認めてしまった人だからな。……人々の空気から、「反原発」は「反戦」と繋がっているという、当たり前のことを思った日だった。……昼間にはニコンサロンでの安世鴻(アン・セホン)さんの写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』にも行った。こんな狭いところで所持品検査などやらんですむようになってほしいものだ。
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二日目

2012-07-06 | Weblog
大阪市の「職員の政治的行為の制限に関する条例案」に反対する表現者の緊急アピールを、発表する。私たち日本劇作家協会が主導しているが、たった一日の間に、日本劇団協議会、日本演出者協会、日本新劇俳優協会、日本舞台美術家協会、パシフィッククリエーターズ・PaCPA、Pacific Creators for the Performing Artsが賛同してくれた。ありがたいことだ。……公演は二日目。野田学さんと話し込む。一昔前に青年座に書き下ろした『とかげ』の話になる。あの劇にこんなに惚れ込んでくれていた人がいたというのは、実に嬉しい。……写真は、『宇宙みそ汁』。
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初日

2012-07-05 | Weblog
前の夜が遅かったのだが、午前から劇作家協会の運営委員会。この間忙しすぎて準備不足もあったが、疲れていてあまり使い物にならない身を、なんとか。一応予定のところに、着地。会議が終わってパソコン関係の話。自転車で高円寺から梅ヶ丘に向かうが、気温三十度を超える直射日光の路上の空気は、もう夏のものだ。……午後にプレビュー公演3回め。いろいろ調整、夜に正式初日。『宇宙みそ汁』作者清中愛子のご子息・素平六歳は、どちらの回も観る。というか、もう四回観たことになるのか。「観たい」というのだから仕方ないが。自分の役が登場する劇を観ている六歳の気持ちは、どんな感じなのだろう。ゴキブリが大挙出演するシーンでゴキブリ役で出たいなどととも言っている。……前の夜は、タイの旧友トゥア(Tua Pradit Prasartthong)が来てくれた。最初は1997年に〝Cry of Asis 〟のマニラでのワークショップで会ったのであるが、彼は後にタイ俳優版『赤鬼』に主演することになる。梅ヶ丘BOXは彼がチェンマイで運営していたスタジオと同じくらいの大きさだという。一年くらい日本にいて、立ち話とかはしたんだが、落ちついて話したのは久しぶり。写真は、彼が客席でこっそり撮った私の姿、なんでだか彼は自分のウォールにアップしている(Tuaの勇姿はそちらで見てね http://www.facebook.com/tua.makhampom)。
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SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo

2012-07-04 | Weblog
本日は告知です。8月5日(日) 座高円寺で行われる〝SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo〟。ニューヨークで東日本大震災の報に触れた演劇人たちが、互いに声をかけあって立ち上げた、短編戯曲のドラマリーディング企画です。ニューヨークの主要劇場、全米70ヵ所を越える地域で、プロから大学の演劇部までが参加する大規模なものとなり、2012年3月11日に「SHINSAI Theaters for Japan」として開催されました。それに応えて、劇作家協会公開講座の一環として、同企画に提供された日米の劇作家の作品すべてを、日本語でドラマリーディング上演します。入場料:¥1,000。現在決定したプログラムは、以下の通り。

15:00【1】第1部
1.『残された人』
  作/演出:鴻上尚史
2 『少数の屈強な人々』
  作:ジョン・グワー  訳:小田島恒志  演出:成島秀和
.   îA FEW STOUT INDIVIDUALSî より by John Guar
3.『さようならII』(抜粋)
  作:平田オリザ  演出:谷賢一
4.『子は人の父』
  作:フィリップ・カン・ゴタンダ  訳:吉原豊司  演出:土田英生
   îCHILD IS FATHER TO MANî by Philip Kan Gotanda
5.『北西の風』
  作:篠原久美子  演出:関根信一
6.『あの頃の私たちの話』
  作:リチャード・グリーンバーグ  訳/演出:谷賢一
   îWHERE WERE WE? ì by Richard Greenberg
7.『一時帰宅』
  作:坂手洋二  演出:前川知大
8.『この劇の長さはウラニウムの半減期』
  作:スーザン=ロリ・パークス  訳:常田景子  演出:河原その子
  出演:新井純、松浦佐知子、山像かおり
   îTHE LENGTH OF THIS PLAY HAS THE HALF LIFE OF URANIUMî by Suzan-Lori Parks
9.『指』
  作/演出:瀬戸山美咲
  出演:つついきえ、山森信太郎(髭亀鶴)
18:00【2】第2部
1.『太平洋序曲』からの2曲 (SHINSAIのための特別脚色版) 
  作詞/作曲:スティーヴン・ソンドハイム  脚本:ジョン・ワイドマン  訳/演出:青井陽治
  出演:池田泰基、尾川詩帆、瀧本真己、本多都、松原凛子
  ピアノ伴奏:川崎龍 (出演、伴奏ともに東京藝術大学)
   TWO SONGS From PACIFIC OVERTURES adapted for SHINSAI
    Music and Lyrics by Stephen Sondheim,Book by John Weidman
2.『はっさく』(抜粋)
  作:石原燃  演出:小笠原響
  出演:内田龍磨、木村万里(いずれもPカンパニー)
3.『消えたイザベル』
  作:ナオミ・イイヅカ  訳/演出:河原その子
  出演:岡田栄美、須藤翔、山像かおり(文学座)
   îTHE ISABEL WHO DISAPPEREDî by Naomi Iizuka
4.『ゾウガメのソニックライフ』(抜粋)
  作:岡田利規  演出:赤澤ムック
  出演:牛水里美、芝原弘、升ノゾミ、山下恵 (いずれも黒色綺譚カナリア派)
5.『日本流エチケットの手引き』
  作:ダグ・ライト  訳:常田景子  演出:坂手洋二、常田景子
  出演:坂手洋二(燐光群)、常田景子
   îA GUIDE TO JAPANESE ETIQUETTEî by Doug Wright
6.『ふるさとを捨てる』
  作:鈴江俊郎  演出:樋口ミユ
  出演:安達修子、小椋毅、佐々木琢
7.『海の風景』
  作:エドワード・オールビー  訳:鳴海四郎  演出:鈴木聡
  出演:鈴木聡(ラッパ屋)
   Childrenís Monologue from ìSEASCAPEî by Edward Albee
8.『血の問題』
  作:坂手洋二  演出:前川知大
9.『水の中』 ìキャロライン、オア チェインジî より
  作詞/作曲:トニー・クシュナー、ジャニーン・テゾーリ  訳/演出:青井陽治
  出演/伴奏:『太平洋序曲』に同じ
   îUNDERWATER from CAROLINE,OR CHANGEî by Tony Kushner and Jeanine Tesori
10.『危機一髪』 ミュージカル ì危機一髪î より
  作曲:ジョン・カンダー  作詞:フレッド・エブ  脚本:ジョセフ・スタイン  訳/演出:青井陽治
  出演/伴奏:『太平洋序曲』に同じ
   From ìTHE SKIN OF OUR TEETHîMusic by John Kander,Lyrics by Fred Edd,
   Book by Joseph Stein

http://www.jpwa.org/main/content/view/161/
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プレビュー開始

2012-07-03 | Weblog
『宇宙みそ汁』『無秩序な小さな水のコメディー』、プレビュー公演開始。プレビューというのは、本公演前の試演ということではあるが、実際にやっていることは変わらないので、実質は本番開始ということではある。ブロードウェイとかだと何ヶ月も「プレビュー」が続くことがある。この期間の公演については「批評」は出さないのがかの地の常識であり、観客の反応をもとにさまざまな改良を加えられる場合がある。日本では余りそういう認識はないようだ。初期上演なので割引があったりする。じっさい、私たちも少し安くしている。なのでぜひいらしていただきたい。ともあれ、初めて観客に触れることができた。演劇は観客の存在によって初めて演劇として成立する。ほっとするし、同時に、新たに「本番の時間」の態勢を整えなければならない。写真は、『宇宙みそ汁』より。……7月1日以降は、6月いっぱいがノグチゲラ繁殖期のために防衛施設局が工事を見合わせていた高江のヘリパッド基地工事が、解禁される。平日の月曜日であるこの2日に工事が再開される可能性があったが、座り込みで反対運動をしている高江の知人に連絡してみたが、特に何ごともなかったらしい。まあしかし予断を許さない状態であることは間違いがない。
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告白します

2012-07-02 | Weblog
 森本敏防衛相は1日、沖縄、山口両県を訪れ、事故を起こす可能性が高いとされる米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備計画を「説明」。当然のように「拒否」されるが、要は「強行」することの「宣告」なのだ。でも、マスコミ論調も含めてみんな勘違いしているように思う。「安全」が保証されたとしても、拒否すべきなのだということを忘れてはならない。仲井真知事は面談後、「配備を強行したら、全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得ない」。たまにはいいこと言うではないか。……ついに関西電力大飯原発3号機稼働。許し難い。……日本では『レバ刺』が食べられなくなった7月1日、カリフォルニア州では『フォアグラ』が禁止になったという。フォアグラも肝臓だが、大きくするために鳥を太らせるのが動物虐待なんだと。
 アトリエ公演はいよいよ初日を迎える。『宇宙みそ汁』は初演だが、舞台で読まれるのは初めてではない。三田文学新人賞の表彰式にて、西山水木さんに朗読して頂いたのだったと、思い出した。……で、告白しますと、『宇宙みそ汁』は三田文学新人賞奨励賞を受賞したということになっているが、これは正確には「坂手洋二奨励賞」という名前なのである。審査員としての私は早々に戯曲部門を「該当作無し」にしてしまったので、あまり仕事がなくなってしまった。小説等の他部門には積極的に意見を言わなかったが、詩については迷いなく『宇宙みそ汁』を推した。そして吉増剛造さんらと協議の結果、賞を増やしてしまったのである! 『宇宙みそ汁』は演劇にすることを想定して書かれたものではないのに、そんじょそこらの戯曲よりも、劇空間でのテキストとして耐えられる強度を持っている。とうとうお客さんに触れることに、どきどきする。お楽しみに。
 写真は、稽古場で、自作の紙を披露する清中さん。
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