Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ラ・ママ・ウンブリアでのワークショップ

2012-07-25 | Weblog
乗り継ぎ入れて羽田から17時間の飛行を経て、空港でしばらく待ち、ラ・ママのビリーが迎えに来てくれる。ローマから車で二時間でスポレート。しかし国道沿いに山火事があったとかで、道なき道を辿って、山奥のラ・ママ・ウンブリラの施設に入る。すごい自然だ。岡山でオリーブ園には馴染みがあるが、こんなに壮大なオリーブの林立は見たことがない。授業は明日から。車で1時間のアメリアの町で古い城塞を観て、夕食。……この「演出家のための国際シンポジウム」はニューヨークのラ・ママのボスだったエレン・スチュアートさんの発案で始まった。「ラ・ママ」はまさにイタリア語で「母親」の彼女の存在から名前を取った劇場だけに、ニューヨークにあるけれどイタリアがルーツなのだ。「スズキもテラヤマも私の息子」と言っていたエレンは私に1999年に『くじらの墓標』のリーディングをさせてくれたことがあるが、ちょうどその90年代の後半は彼女が気に入ったスポレートの外れに一軒家を買い、助成金がもらえるたびに少しずつ工事し、部屋やスタジオを足していった最初の時期だ。これぞ「アーチスト・レジデンス」の拠点である。もう16年前の夏からこのワークショップは開催されている。立派なカフェも併設されているが、「冬は寒くて話にならない」ということで、施設全体が夏の三ヶ月だけ使用されている。ワークショップはセッション1、2に分かれていて、私は「2」の後半を担当。これまでの講師には、アン・ボガード、リサ・クロン、ピンチョン、メレディス・モンク、ロメオ・カステルッチ、リチャード・シュクナー、チャック・ミー、オン・ケン・セン、プトゥ・ウィジャヤと、私が知っているだけでもすごい顔ぶれだ。日本人講師は過去にはヨシ笈田氏と人形の田中純氏、川村毅氏。私が四人目ということだ。で、川村毅氏滞在時には当地にいたラ・ママスタッフの藤藪さんがいないので、私の言語問題はかなり深刻である。……ともあれ、緊張しつつ開始を待つ。……と思ったら、世界では、いろいろなことが動いているようだ。高江には十トンの砂利が入れられてしまった。くやしい。……イチローはなぜかヤンキースにいてマリナーズ相手にヒットを打っている。……劇団は盛岡公演、無事に初日をあけることができたという。よし。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする