Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『天使も嘘をつく』稽古入り

2016-10-13 | Weblog
今日は『天使も嘘をつく』稽古場で、初顔合わせの客演者やスタッフの新メンバーもいるので自己紹介の後、まず、一時間半ほど、今回のビジョンを喋る。こういうことは珍しい。
後は、まずは、本番では使わない引用テキストをもとに、リーディング・ワークショップ。皆の声を聞き、いろいろを探る、試行。
書いている戯曲がどこに着地するかはまだ明かせないが、これまでの竹下景子さんとの作品とは、共通した部分もないではないが、かなり、いやそうとう違う部分が出てくるはず。かえって正統派になるのかもしれない。ともあれ、「いま」に迫りたいのだ。

私は昔、10年以上前かな、どういうわけか、巽孝之教授により慶應大学のアメリカ文学会に招かれ「冷戦期のアメリカB級表現に於ける核恐怖」というテーマを与えられて講演をしたことがあるが、その時話したのは主に映画で、対象としては「渚にて」に始まり、「ブロブ」「マックィーン絶対の危機」「遊星からの物体X」「ボディ・スナッチャー」「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」等だったが、四十歳以下の人たちに「そういうものを観たことがありますか?」と聞いても、皆さんほとんど観ていないのだね。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」も、ロメロ版ではないリメイクのものしか観てないっていうし。うーむ。
いや、今回の芝居、そうした作品の要素は直接は全くでてこないと思うが、そんなこともどこかは関係あるんです。

あと、私の生涯で、たいへん影響を受け、仕事をする機会が持ち上がったのに果たせなかった、あるアメリカの映画監督の話もした。

そう、今回は、映画に関わる芝居なのだ。

竹下景子さん主演のSF映画といえば、倉本聰脚本・岡本喜八監督の『ブルークリスマス』だ。東宝。1978年。私は公開年に観ている。というか、製作される前年にシナリオを読んでいるのだ。それにしても先見の明がありすぎた映画だ。星新一が絶賛し、『シン・ゴジラ』の庵野秀明総監督もこの映画の大ファンだという。
この映画は今回の芝居には関係ないのですが。

久しぶりに仕事をする馬渕英里何は、映画では『いつか読書する日』にも出ていたな。『現代能楽集・鵺』でご一緒した田中裕子さんが主演、渡辺美佐子さんも出ていた。最近会っていない緒方監督はお元気だろうか。
幾つかドラマで共演作のある円城寺あやと馬渕の初共演は、『GTO』でも『私を旅館に連れてって』でもなく、『女子刑務所東三号棟』というドラマだったということがわかる。

で、稽古始めには「これから稽古場でどういう呼び名で呼んでもらいたいか」をそれぞれ言うことにしているのだが、見事なくらい、男女とも、下の名前ではなく、名字かそれをひねった言い方を望んだ。彼ら自身そう呼ばれて生きてきたのだ。それもまた、「何か」だろう。

公演詳細は劇団HPを御覧ください。
http://rinkogun.com

写真は、宮古島の自衛隊基地。この日は午前中に宮古島の方とも電話で話したが、稽古場で、この地の基地問題の話もした。

ところで。

三日前のブログに関連して。
翁長知事から記者団に「歓迎するという発言は不適切で、撤回させてもらえればありがたい」という発言があったそうだ。遅いよ。
翁長知事は「オスプレイの配備撤回は私どもの一番強い要請だ」とも言ったらしいが、オスプレイが来ようが来まいが、知事本人がヘリパット建設も市民への機動隊の暴力も本気で止めようとせず、高江の自然が無惨に破壊されている現状を黙認してきたのは、事実だろう。
翁長知事よ。待っていても何も解決しませんよ。なるべく早く、せめて一度は高江現地に行って、自分が何をすべきか確かめてくるべきだ。

さいごに。

高江の米軍提供地域に毎日のように入ってオスプレイパット建設に対する抗議活動を続けている作家・目取真俊氏の新作『露』(三田文学)は、戦時、死体から出てくる水さえも求める死を前にした枯渇した生きものの有り様に、作者の現在の思いが反映している、と、感じられてくる、「渇き」についての小説だ。後は、海の男たちのリアルなスケッチとしても、僅かながらでも島々を巡ってきた身には、染みる。そう、人は、あっけなく死ぬ。だがその個別の死を、作者は、知っている。
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「戦闘」の定義もできぬなら、PKOから撤退せよ

2016-10-11 | Weblog
8日、陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に参加している様子を、稲田朋美防衛相がジュバの陸自宿営地など、現地視察した。

南スーダンでは、7月にキール大統領支持派とマシャル前副大統領支持派による大規模な戦闘があり、北部を中心に戦闘が散発、民間人が襲撃され、市民数百人や中国のPKO隊員が死亡した。
ロイター通信などによると、8日にもジュバに近い中央エクアトリア州の道路で、民間人を乗せたトラック4台が待ち伏せ攻撃を受け、市民21人が死亡、約20人がけがをしたという。AFP通信によると、ジュバと隣国ウガンダの間を走行していたバス3台も10日、銃を持った武装集団に襲われ、複数人が拉致されたそうだ。

稲田氏は「私が視察をした首都ジュバの中は落ち着きはあったと思う」と述べた。そうした出来事は稲田の視察には、関係なかったのだろう。
安倍晋三首相は11日の参院予算委員会で、そうした南スーダン・ジュバで7月に起きた大規模な戦闘について、「『戦闘行為』ではなかった」という認識を示したという。

治安悪化を懸念する野党側に対し、「安定」を強調したわけだ。
安定しているなら、なぜ「駆けつけ警護」という新たな任務を付与しなければならないのか。

稲田氏は「新たなリスクが高まるということではない」「法的な意味における戦闘行為ではなく、衝突だ」と述べた。
安倍首相も、「戦闘ではなかったのか」という再三の質問に対し、「武器をつかって殺傷、あるいはモノを破壊する行為はあった。解釈として『戦闘』で捉えられるだろうと思うが、我々はいわば勢力と勢力がぶつかったという一般的な意味として『衝突』という表現を使っている」と説明したという。
「国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺し、または物を破壊する行為」という、政府が定義する「戦闘行為」には当てはまらないのだそうだ。どうすれば『戦闘』と『衝突』の区別が可能なのだ。 

稲田氏は「仮に駆けつけ警護の任務を負わせる場合、専門的な教育を受けた衛生要員が救急車に同乗し、応急措置を行う」というが、演習じゃないのだ。
駆けつけ警護とは、例えばNGOの職員らが武装集団に襲われた際、自衛隊員がその場に駆けつけ、ときには武器を持って守ることになる。どちらの派閥にせよ、国連に反感を持ち暴走する勢力も出てくるかもしれない。何が起きるかわからないのだ。どちらか一方に正当性がある、と言いきれないときもあるはずだ。駆けつけてみたら相手が政府軍だったというようなときに、「無理です」と言って退却できるのかどうか。そもそも出動することの正当性じたいが疑われるケースも出てくるかもしれない。
PKO派遣はどう考えても憲法違反だし、そもそも現在の状況にPKO協力法は対応しきれないという説が、多い。

今日の答弁内容も、自衛隊を派遣するために必要な「PKO参加5原則」に抵触するのは当然だが、安倍総理は、「PKO法との関係、PKO参加5原則との関係も含めて『戦闘行為』には当たらない。法的な議論をすると、『戦闘』をどう定義するかということに、定義はない。」という。

言葉を弄んでいるだけだ。詭弁にさえなっていない。子供が聞いても筋が通っているとは思わないだろう。
「定義」できないなら、「ルールが違うしまだ未成熟なので海外には派兵できません」として中止するのが当然(勝手に成熟されても困るが)。
もっと簡単に言えば、「戦闘」の可能性があるのだから直ちにPKOから撤退せよ、と言うだけだ。


写真は、本文とは関係なく、高江に派遣された機動隊。
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日本最西端の日没と「わかなそば」

2016-10-11 | Weblog
日本最西端の与那国島・久部良、西崎は、日本で最後に夕日が沈む場所で、つまりこれが「その日の日本最後の夕やけ」である。
与那国に着いた日は沖縄本島は台風で、暑い日だったが、漁港の東屋には台風由来らしい風が吹き抜け、数時間はそこで資料を読んで過ごした。そこからこの風景が見えるのだ。

10年ちょっと前、『屋根裏』公演の下見と打ち合わせでマイアミに行ったとき、夕方ランニングしていて、おそろしく風と雲が動いていて、それが一種のショウのようで、自然の雄大さに浸っていたが、それが翌日飛行機を欠航にして、ホテルも立入禁止にしてしまうフランシス・ハリケーンだった、ということを思い出した。あの時は急遽陸路でアトランタに逃げたのだった。

写真を撮らなかったが、与那国でも島そばを食べた。
比川地区にある「わかなそば」。私は見ていないがテレビドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地として有名な地域だそうで、診療所のオープンセットが今も残っているという。
よく見ないと「わかなそば」の小さな看板がわからない殺風景なコンクリ造りの建物で、その隣は「肉屋」とだけ書かれた看板が出ているのである。
ところが中に入ると広く、座敷も含めて満席で、地元の人々に親しまれる人気店だということがわかる。
沖縄そばなのだが独自の豚骨スープ仕様になっていて、白濁したスープは一見、ラーメンのようである。太めの与那国そば麺を使い、肉屋と繋がっているだけに、甘辛く煮付けた豚肉がたくさん載っている。よそでは食べられない豪快な味だった。

基地の話ばかり考えているときついので、今日は楽しかった思い出を少し。



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日本最西端カフェの「ボサツ」

2016-10-10 | Weblog
東京に越してきてから、イヌやネコを飼ったことがない。
作家の方には、執筆の傍らにペットの存在がなければ、という方もいるようだ。
私はそう思うことはなかった。気が散るのではないかとか、自分が我が儘なので、動物たちに何かせがまれるのがうっとうしいという先入観もあったかもしれない。

しかし、今月初旬、与那国島、日本最西端のカフェにお世話になって、そこの「ボサツ」に出会って、ああ、こういう存在ならいいなあ、と思った。

そこは、日本で一番はしっこにある一日一組限定のイタリアンレストラン「RistoranteTETSU」。ロールケーキ専門店「Moist Roll Yonaguni」&「Moist Roll Cafe」でもある。
そこを営業するシェフ・パティシエは、猪股哲さんである。自筆プロフィールでは「独立自営農民、家内制手工業。2012年「よなこく」建国。アナーキスト。南西諸島ピースネット共同代表」ともなっている。IWJの報道の仕事もしている。店も自分で建てたという。
このたびの旅で、宮古島、石垣島から、ご一緒した。すっかりお世話になった。人見知りのきらいがあるのはお互い様で、最初のうちからそんなに話をしたわけではないが、まず、宮古島での集会の話の時から、ひょっとしたらそこに住んでいる人以上に、島と人のことを思っているのが、伝わってきた。知識と実践力を併せ持った、ナイスガイ。与那国に来て、彼が自分のライフスタイルにこだわるアーティストでもあることがいっそうよくわかった。

そんな男の相棒が、ボサツである。
亜熱帯の温度湿度は毛皮族にはこたえるということもあるのだろう、日中から物静かというか、だらんとしているのが主なのだが、突然ジャンプして高い台の上に移動する。テーブルを覗いて顔は出すが、悪さはしない。
で、ほとんど物静かだ。みゃーみゃーしないのだ。
ほとんど真っ黒で、かつてテツ氏が縁の下に発見したときは黒い毛玉のようであったという。まあなにしろ黒いのだが、緑色の眼がしっかりとしている。
そういえば、斎藤憐さん宅のゴールデンレトリバー、ルパンも、大人しいやつだった。
とはいえ、ボサツはただ大人しいだけではない何かを秘めている感じがする。

ようやく旅のことを振り返りつつの、デスクワークの日々である。

http://moistchocolat.com/ristorante/index.html
http://moistchocolat.com/index.html
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翁長知事は「歓迎している」そうだ

2016-10-09 | Weblog

翁長知事は「歓迎している」そうだ。報道によれば、だ。

報道によれば、菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志知事は、昨夜、那覇市内で会談。辺野古移設に関する訴訟で、県の主張を退ける高裁判決が9月に出て以降、初めてのこと。

菅長官は、日米両政府が部分返還で合意している米軍北部訓練場について、「年内に返還することで、今(米側と)交渉している」と述べ、年内返還を目指す方針を伝え、翁長氏は「歓迎する意向」を示したという。「いろいろな課題があるので、後日お話したい」と応じた、とも聞くが。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設問題については、話題にさえ上らなかったという。もちろん高江の「た」の字も出なかったのだろう。

私はこうした動きが、1995年に米兵による小学生の少女に対する暴行事件が起き、それに対する沖縄全体の怒りから発し、SACO合意等のさまざまな対応が取られ、それが住民を無視する内容を含んでいるために現在の事態があること、そのいい加減で差別的な対応措置が矛盾を含んだまま現在まで経過しているということを、理解しているつもりだ。
高江を犠牲にすることに、何の理もない。普天間移設先について「辺野古しかない」という決め付けは、間違っている。
許せない、と思う。

菅氏は会談後、記者団に「内閣として予算3000億円台は確保することを約束している。しっかりと対応していきたい」と語ったという。

鶴保庸介沖縄北方相は6日、東京都内で開かれた沖縄出身の自民党衆院議員のパーティーであいさつし、「沖縄県選出の国会議員に必ず、来たるべき選挙で勝利してもらわなければならない。ぜひご理解を頂きたい。(沖縄の)振興策とリンクしています」と述べたという。
選挙結果によって政府の沖縄振興策が変わると言うことは、沖縄県民に対する経済的脅迫である。
鶴保氏は9月の記者会見では、普天間問題について「早く片付けてほしいということに尽きる」と発言した。なんという傲慢。そして、明らかな憲法違反。こんな暴言、普通は辞任しなければなるまい。

真実の怒りが、忘却の彼方に押しやられ、遠ざけられようとしているのか。

沖縄国際大学・佐藤学教授は、現在の高江の事態を「1965年3月、アメリカ・アラバマ州セルマと同様」と言った。アメリカの公民権運動中にアラバマ州の都市セルマで起きた「血の日曜日事件」と同様だと、指摘しているのだ。
「血の日曜日事件」では、キング牧師がセルマからモンゴメリーへのデモを組織した有権者登録をした黒人達の公民権運動家を知事に保護させようとしたが、白人の知事は逆にデモの阻止を宣言、州兵やダラス郡保安官達が無抵抗のデモ隊に対して棍棒や催涙ガス、鞭などを使って迫害した。

高江を、辺野古を、切り捨てる気なのかどうか。翁長知事は自身がまさに正念場にいることを、わかっているはずだ。
「歓迎している」? ありえないはずだ。

政府側が今回の「米軍北部訓練場年内返還」の変換面積が「大きい」かのように喧伝するのは、ナンセンスだ。もともと使いようもなく、返しても差し支えのないところを返すだけなので、米軍にとっては痛くもかゆくもないのだ。
それを鵜呑みにした報道を繰り返すマスコミは最悪だ。 

写真は、10月6日の高江で、私の目の前に立ちふさがった、屈強なスペシャル柔道体型の機動隊員二名、顔入りバージョンである。

 

以下、追加情報。

翁長知事から記者団に「歓迎するという発言は不適切で、撤回させてもらえればありがたい」という発言があったそうだ。遅いよ。

翁長知事は「オスプレイの配備撤回は私どもの一番強い要請だ」とも言ったらしいが、オスプレイが来ようが来まいが、知事本人がヘリパット建設も市民への機動隊の暴力も本気で止めようとせず、高江の自然が無惨に破壊されている現状を黙認してきたのは、事実だろう。

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与那国島の「馬テロ」!?

2016-10-08 | Weblog
日本最西端・与那国島。北東約150キロに尖閣諸島。台湾まで111キロ。この「国境の島」に、島しょ防衛を目的にした陸上自衛隊の配備計画が持ち上がり、誘致話が本格化したのは2008年頃。与那国町長選では賛成派の現職が続いて当選。一昨年の選挙では、反対派候補との差はわずか47票。そこからは止められない勢いで、事態が進行していた。
今年3月28日、工事未完成でも「年度内」に強行することに意味があったらしく、ぎりぎりのタイミングで「陸上自衛隊与那国沿岸監視部隊」の「発足」となった。
沿岸監視レーダーを備え、沿岸監視部隊など隊員約160人が与那国島へ配備された。約25ヘクタールの用地に庁舎、体育館などを備える。
隊員と家族は祖納地区の官舎や民家、独身・単身の隊員は駐屯地の仮宿舎に入居。町人口は2月末現在の1490人から1600人以上に増えた。
島の経済は厳しい。
戦後の台湾との交易が盛んな時期は一万人、1950年代にも5千人超だったという人口の下降に、推進派は自衛隊を入れることで人口流失に歯止めをかけたかったのだろう。
サトウキビ栽培や漁業が盛んとはいえ、高校もなく、過疎化が進む。
沖縄随一のカジキの水揚げがある久部良漁港は、基地のすぐそば。「最西端の碑」が立つ西崎灯台も、そのちょっと先だ。
島外への行き来の運賃は高い。燃料代も高い。補助金があっても高い。農・漁業は採算がとりにくい。
自衛隊が来れば島での消費が見込める。外間町長は「自衛隊は一つの産業」と言い、誘致に伴う国の振興策に期待する声も大きい。だがそうした特別補助には、三年で打ち切られるものもある。

もともと島には警察官が2人。「ピストル二丁で国境を守っている」とも言われていた。
だが、自衛隊が武力事態の際、島民を守るというのは幻想だ。そもそもこの部隊はそういう目的で設置されていない。
有事となれば自衛隊は任務に追われ、住民保護は二の次であろう。
武力事態における住民を保護する「与那国町国民保護計画」じたい、いまだに示されていない状態なのだ。
有事の際、部隊がある場所が狙われるのは当然だ。沖縄戦の時もそうだった。

「米軍でなく自衛隊なら来てもいい」という声も聞くが、全国でも沖縄でも自衛隊と米軍の一体化は進んでいる。
沖縄本島のキャンプ・ハンセンで、陸自が米軍と共同使用する延べ日数は2008年当時は15日だったのが、現在は毎年百日を越えている。
オスプレイの導入計画もあるという噂に対して外間町長が「オスプレイには反対。米軍は体を張って止める」と言っても、全国各地でそんな抵抗は口先だけで終わってしまうことは実証されてしまっている。

町有地でもある南牧場の大半が駐屯地になった。
山側に威圧するように自衛隊の構造物が並ぶ。
昔は柵もなかったというもともと牧場の中の車道は、ヨナグニウマや牛が放し飼いにされていて、実にマイペースに過ごしている。
小西誠さんによると、「与那国馬(よなぐにうま)は、与那国島(沖縄県八重山郡与那国町)で飼育されてきた日本在来種の馬。1969年3月25日に与那国町の天然記念物に指定されている」ということです。

さて。
テレビドラマ「Dr.コトー診療所」というのは、ちゃんと見たことないのだが、タイトルバックとか主人公が自転車に乗って走るシーンが、この基地となった牧場内で撮影されていたという。
路上に、動物たちの落とし物が、とても多い。
「馬テロ」という言葉が思い浮かんだ。実質的には「糞テロ」なのだが。
無差別脱糞実行者たちがどういう意志を持っているかは定かではないが、基地に出て行ってほしいと思っていても不思議はない。戦争になれば彼らも被害者になる。
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高江のN1ゲート脇で

2016-10-07 | Weblog
知らぬ間に撮影されていた。抗議行動中だがこの時は車輌が通っていないのでプラカードを下ろしている。途方に暮れているわけではない。囲まれて、ただ立っていた。目の前に屈強なスペシャル柔道体型の機動隊員二名。道路に入れて(上げて)もらえず舗装道の脇の低い斜面に立っている。こんな顔していたのだな。今の自分を知る。
サイパンのシャツを選んで着ていったのは、沖縄からかの地に移住した義母の家族たちが戦闘から逃げ延びたバンザイクリフの手前で九死に一生を得た記憶が過ぎったからだったかもしれない。
沖縄・南島諸島の現状を少しでも学んで帰京した。まだ整理ができない。何ができるのか考えていきたい。
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半年ぶりの高江

2016-10-06 | Weblog
半年ぶりの高江。
N1ゲートが奪われ、ヘリパット建設のための道路が作られているのをじかに見る。
6年前、初めてここに来たときには、砂利の入った土嚢袋を投げ入れるのを阻止したりしていた。その時期から考えると、信じがたい。N4ではやがてそれがクレーン投入になったりもしたのだが。
それにしても半年前と比べてなんという変化だ。あのクルマたちの姿はない。
機動隊。今日は関西方面からの連中が加わっている。久々の柔らかな伊佐さん節「こんなことしてると大阪の彼女と結婚できないよ」に、少し表情がほどけた者も。
言葉にしたくない思いもあるが、この夏、現場に行けないけれども、「発信力に期待している」と言われてさまざまな記事をシェアしたりすることしかできなかった悔しさも含めて、事実として記す。
さまざまなことが動いている。

10月3日月曜日の国会では、共産党の赤嶺政賢議員の高江に対する質問が始まったら安倍首相らはいっせいに狸寝入りをはじめたという。なにも感じていないということをアピールしたいのだろうか。

琉球新報【ヘリパッド取材班】記事には、本日のことは、
「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場での新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で、6日午前9時20分ごろから10時40分までダンプカー32台分の砂利とショベルカーなどを積んだトラック5台がN1地区ゲート入った。
反対する市民ら10数人が「ストップ高江ヘリパッド建設」のプラカードを掲げながら、資材の搬入に抗議した。」
と出ている。
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「クワイ河に虹をかけた男」アンコール上映開始

2016-10-05 | Weblog
満田康弘監督、渾身のドキュメンタリー映画「クワイ河に虹をかけた男」、大好評の東京公開に続いて、アンコール上映が始まっています。

とはいえ、アンコール故に宣伝が行き届かず、上映されていることをご存じない方もいるようです。
とくに若い人たちに観てほしいと、今日誕生日を迎えた、私と同学年の満田監督も言っております。
ぜひぜひまわりの皆さまにご宣伝いただけますと幸いです。

写真は、カンチャナブリで、映画にも登場する、ヘルファイヤー・パス。8月、別な取材のためタイを訪れたさい、脚を伸ばしたのだ。

会場 ポレポレ東中野

<アンコール上映決定!> 10.1(土)~11.4(金)
10/1(金)~14(金) 18:00
10/15(土)~11/4(金) 10:40
 ※上映最終日:11/4(金)

トークイベント
10/16(日)・17(月)・18(火)上映後 満田康弘(本作監督)
10/23(日)上映後 佐生有語(俳優、本作出演)(上映時間119分)

料金 当日 : 一般 1700円 / 大学専門 1400円 / シニア 1100円 / 高中 1100円 / 小学生以下 無料
前売 : 1300円


以下は、以前掲載した紹介ブログの再録。

 ※ ※ ※

もう、ちょっと前になるが、完成版を試写で見た。一人でも多くの人に見ていただきたい。
今朝までタイにいたのだが、取材で行く旅の途中だったので、カンチャナブリに寄り、この映画にも出てくるところに幾つか立ち寄った。

第二次世界大戦中、日本軍がタイとミャンマー(ビルマ)間を往来する泰緬鉄道の建設を強行しようとして、多くの捕虜を強制労働させ、また、当地の住民を徴用し、数万人の死者を出した。
そのときの日本人通訳・永瀬隆さんを追った映画だ。彼は工事拠点に派遣されて捕虜への拷問にも立ち会った。
戦後、永瀬さんは犠牲者を慰霊する旅を開始、生涯をかけてタイを135回訪問し、1976年にはクワイ川鉄橋で元捕虜と旧日本兵の再会を実現させた。
本作では94年のタイ訪問を手始めに彼の旅を追い、つぐないにかける思いや関係者たちとの絆を見つめる。
事実に基づいているがフィクションの多い映画『レイルウェイ 運命の旅路』では、真田広之さんが演じた。
永瀬隆さんの「戦争のせいにしてはいけない。人間が人間を大切にしないことこそが問題なのだ」というメッセージは、今こそ重要だ。
日本兵からの虐待を受けた連合軍捕虜たちをして「彼は自分が握手することのできるただ一人の日本人だ」と言わしめた、元陸軍通訳である永瀬さんが辿った人生を、見届けてほしい。


公式サイト
https://www.ksb.co.jp/kuwaigawa_movie/index.php

ポレポレ東中野
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
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岡山映画祭SOS!

2016-10-04 | Weblog
「岡山映画祭2016」を仕切っている、岡山の誇る映画店「映画の冒険」のボス、我らが吉富真一さんから、「SOS!」の報。
「今回、多分、岡山映画祭史上最少数のスタッフで頑張っているのですが、かなり苦戦しています。」とのことなので、応援したいと思います。
10月29日〜11月6日の開催です。

上演作品はかなり豪華。
『クワイ河に虹をかけた男』満田康弘監督の作品上映にくわえて、11月6日(日)15:00-16:15には、岡山市立オリエント美術館でクロージングトーク「今、受け継ぐもの」にも満田監督が登壇。
「大地を受け継ぐ」「沖縄 うりずんの雨」等、今、日本の現実を知るために観るべき映画も登場。

とにかく、お見逃しなく。です。

詳しくは、以下を御覧ください



http://d-mc.ne.jp/off/

で、写真は
瀬戸内市 牛窓オリーブ園の、かつてのパラグライダーの出発台。
こちらは
11月29日(火)岡山市民文化ホールで上演される、竹下景子主演の燐光群公演『天使も嘘をつく』に関連しています。まだ内緒ですが。
岡山映画祭が終わったらこちらの公演もよろしく、です。

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石垣島の防空壕跡

2016-10-04 | Weblog
「非戦を選ぶ演劇人の会」ピースリーディング映像上映巡回の旅、昨夜は与那国島にて。ほんとうに、これまで私自身、南西諸島のことをよくわかっていなかったのだが、たいへんな問題が多々あることが、わかる。

写真は、石垣島の防空壕跡。草むらを抜けた先に、ある。かなりしっかり作られた通信施設の跡地もある。きちんと整備して今の子供たちに見せるべきだ。近くに、女学校の建物を解体して移転したという慰安所の跡地もある。島の市街地のちょっと上の地域に、さまざまな形で、過去の戦争のありようが、そのまま残されている。古いものだけでなく、思いがけない新しい物もたくさんある。そして、そんな島々に、どのような根拠かさえ示されぬまま、「新たな戦争」に向けた国家の強制力が覆い被さろうとしている。



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南島を巡って

2016-10-03 | Weblog
「非戦を選ぶ演劇人の会」ピースリーディング映像上映巡回の旅でもあるが、ある意味、取材ではあるし、一日一食島そばの旅でもあって、ともかく今は日本最西端・与那国にいる。
暑い。
今日は居候させて貰う店の主・哲ちゃんも原稿が締切だというので、午後からは私もデスクワークの日となる。

写真は宮古島の自衛隊基地。
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石垣島9条の碑「戦争の放棄」。「すべての国が戦争を放棄する日」リーディング映像、本日石垣島にて上映。

2016-10-01 | Weblog
石垣島に来ています。
非戦を選ぶ演劇人の会が9月1日に上演したピースリーディング「すべての国が戦争を放棄する日」の映像上映会が本日 10月1日、
石垣市健康福祉センター視聴覚室にて行われます。
上映は午後7:00からです。
入場無料。
主催は、(仮称)石垣上演実行委員会準備会
お問合せ 090-9093-7682(藤井)

【リーディング映像出演者】
東谷英人 あべよしみ 石井くに子 井上思 
井手麻渡 猪熊恒和 占部房子 円城寺あや
大沢 健* 大谷賢治郎 大月ひろ美 岡本 舞
荻野貴継 鴨川てんし 木内みどり 小嶋尚樹
小林あや 古村比呂* さとうこうじ 重田千穂子
シライケイタ 関根信一 高橋長英 武山尚史
田根楽子 中野亮輔 中山マリ 原 日出子 
HiRO 洪明花 本郷 弦 益岡 徹 丸尾丸一郎* 
みやなおこ 宗像祥子 宮城康博 流山児祥
▼スタッフ
照明=沖野隆一(RYU CONNECTION)  音響=藤田赤目  舞台監督=久寿田義晴
演出助手=シライケイタ・村野玲子  制作=篠原久美子  宣伝デザイン=柳沢崇史

共催 非戦を選ぶ演劇人の会 台本は以下のホームページから読めます
http://hisen-engeki.com

⋯⋯⋯⋯

写真は、石垣島9条の碑。
「戦争の放棄」と大きく謳ってあり、タイトルとの符合に驚く。
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