Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ヨーロッパアマツバメにはなれない

2016-10-28 | Weblog
クジラ学の師、小島曠太郎さんが、記事を紹介してくれた、
AFP=時事通信によれば、こげ茶色の羽毛をした小型の鳥「ヨーロッパアマツバメ」が、10か月間にわたり一度も着地することなく連続飛行することがわかったという。空中で過ごす時間としては、知られている鳥類の中で最長。

10か月間。長すぎる。というか、いったいどうなっているのだ。渡り鳥が大海を渡るあいだ休めないのはわかるが、10か月である。その間に人間は子供を産めるぞ。

スウェーデン・ルンド大学(Lund University)の研究チームが、ヨーロッパアマツバメ13羽の背部に、重さわずか1グラムの超小型データ記録装置を取り付け、飛行状況や加速度、位置情報などを収集した結果、わかったらしい。
そんな小さなメカが発明されて初めて実現した調査だ。動物に負担をかけないで調べられたわけだ。そんなものを開発するなんて、えらいぞ、人間も。

ヨーロッパアマツバメは8月に繁殖地を出発して西アフリカ経由で中央アフリカの熱帯雨林まで移動する際、10か月後の次の繁殖期に戻ってくるまで一度も着地しないのだという。
海ではないのだ。休もうと思ったら休めるのだ。なのに飛び続ける。
「一部の個体は真冬に短時間、場合によっては一晩中、木に止まっていることもあるが、その他の個体はこの期間中、文字通り一度も着地しなかった」。実際に止まった個体もその期間はわずかで、10か月間の99.5%を飛行して過ごしたという。

やつらはいったいいつ寝ているのだ。
と思ったら、「移動中の睡眠の有無やその方法については、まだ解明されていないが、毎日の明け方と夕暮れに高い位置まで上昇し、そこからゆっくりと降下する間に一眠りしている可能性がある」という。
グンカンドリなどの鳥も、滑空しながら眠ることが知られているらしい。

しかし、飛んでいる間、メシは食っているのか。エネルギーはどう補給するのだ。
ヨーロッパアマツバメは飛行中に餌を捕まえ、日中は暖気の上昇気流に乗って滑空することでエネルギーを節約していると思われる。
エサがなければ飛び続けるしかない。すごい。

「暖気の上昇気流に乗って滑空する」というのも、すごい。ちょうど今、そういうことに言及する芝居を稽古しているのだ。

そういうあんたも走り続けているではないかと言ってくれる人もいるかもしれないが、こちらはだらしない。
集中できなければどうにもならない。

いろいろ邪魔がはいる。飛びっぱなしにはしてもらえない。
信じがたい難題が持ち込まれる。
面倒な相談が来る。
気持ちのブレをぶつけられる。
パソコンがおかしくなってあたふたする。
とんちんかんになる。
だが、人やモノのせいにしてはいけない。

結論としては、降参する。
素直に認めよう。
私はヨーロッパアマツバメにはなれない。

だけど、飛び続ける。
つもりだ。

※写真は、石垣・下地空港。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161028-00000003-jij_afp-sctch
コメント
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