Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

翁長知事は「歓迎している」そうだ

2016-10-09 | Weblog

翁長知事は「歓迎している」そうだ。報道によれば、だ。

報道によれば、菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志知事は、昨夜、那覇市内で会談。辺野古移設に関する訴訟で、県の主張を退ける高裁判決が9月に出て以降、初めてのこと。

菅長官は、日米両政府が部分返還で合意している米軍北部訓練場について、「年内に返還することで、今(米側と)交渉している」と述べ、年内返還を目指す方針を伝え、翁長氏は「歓迎する意向」を示したという。「いろいろな課題があるので、後日お話したい」と応じた、とも聞くが。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設問題については、話題にさえ上らなかったという。もちろん高江の「た」の字も出なかったのだろう。

私はこうした動きが、1995年に米兵による小学生の少女に対する暴行事件が起き、それに対する沖縄全体の怒りから発し、SACO合意等のさまざまな対応が取られ、それが住民を無視する内容を含んでいるために現在の事態があること、そのいい加減で差別的な対応措置が矛盾を含んだまま現在まで経過しているということを、理解しているつもりだ。
高江を犠牲にすることに、何の理もない。普天間移設先について「辺野古しかない」という決め付けは、間違っている。
許せない、と思う。

菅氏は会談後、記者団に「内閣として予算3000億円台は確保することを約束している。しっかりと対応していきたい」と語ったという。

鶴保庸介沖縄北方相は6日、東京都内で開かれた沖縄出身の自民党衆院議員のパーティーであいさつし、「沖縄県選出の国会議員に必ず、来たるべき選挙で勝利してもらわなければならない。ぜひご理解を頂きたい。(沖縄の)振興策とリンクしています」と述べたという。
選挙結果によって政府の沖縄振興策が変わると言うことは、沖縄県民に対する経済的脅迫である。
鶴保氏は9月の記者会見では、普天間問題について「早く片付けてほしいということに尽きる」と発言した。なんという傲慢。そして、明らかな憲法違反。こんな暴言、普通は辞任しなければなるまい。

真実の怒りが、忘却の彼方に押しやられ、遠ざけられようとしているのか。

沖縄国際大学・佐藤学教授は、現在の高江の事態を「1965年3月、アメリカ・アラバマ州セルマと同様」と言った。アメリカの公民権運動中にアラバマ州の都市セルマで起きた「血の日曜日事件」と同様だと、指摘しているのだ。
「血の日曜日事件」では、キング牧師がセルマからモンゴメリーへのデモを組織した有権者登録をした黒人達の公民権運動家を知事に保護させようとしたが、白人の知事は逆にデモの阻止を宣言、州兵やダラス郡保安官達が無抵抗のデモ隊に対して棍棒や催涙ガス、鞭などを使って迫害した。

高江を、辺野古を、切り捨てる気なのかどうか。翁長知事は自身がまさに正念場にいることを、わかっているはずだ。
「歓迎している」? ありえないはずだ。

政府側が今回の「米軍北部訓練場年内返還」の変換面積が「大きい」かのように喧伝するのは、ナンセンスだ。もともと使いようもなく、返しても差し支えのないところを返すだけなので、米軍にとっては痛くもかゆくもないのだ。
それを鵜呑みにした報道を繰り返すマスコミは最悪だ。 

写真は、10月6日の高江で、私の目の前に立ちふさがった、屈強なスペシャル柔道体型の機動隊員二名、顔入りバージョンである。

 

以下、追加情報。

翁長知事から記者団に「歓迎するという発言は不適切で、撤回させてもらえればありがたい」という発言があったそうだ。遅いよ。

翁長知事は「オスプレイの配備撤回は私どもの一番強い要請だ」とも言ったらしいが、オスプレイが来ようが来まいが、知事本人がヘリパット建設も市民への機動隊の暴力も本気で止めようとせず、高江の自然が無惨に破壊されている現状を黙認してきたのは、事実だろう。

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