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Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

シナリオ作家協会が劇作家協会の『「新共謀罪」に反対する緊急アピール』に賛同し、明日、衆議院会館で会見します

2017-06-13 | Weblog
シナリオ作家協会がどんどん進めて、以下のような告知が既にネット上に出ている。
私は午後からずっと稽古だったため確認していなかったが、明日に会見をするということに向けて、一気に動いたようだ。
明日の会見には、日本脚本家連盟の中島丈博さん、日本劇団協議会の福島正夫さんも出られるという追加情報あり。
私もいま稽古を終えたばかりで状況把握が出来ていないのだが、これからシナリオ作家協会の方を中心とした会議に出ます。

ただ、お断りしておきますが、下の文はシナリオ作家協会の井上淳一さんと加藤正人さんの文で、私の文ではありません。
「次につながる負け方」というのは、私の辞書にはない言葉です。



(気持ちを落ち着かせるために、写真は、石垣島山中のの水神様)





【マスコミ関係者の皆さんへ・拡散希望】

悲しいかな、どう足掻こうとも今週中、遅くとも来週には共謀罪は成立します。
僕が所属する日本シナリオ作家協会は今週の金曜16日が総会で、そこで共謀罪に対する反対声明を出すか否か話し合われる予定でしたが、それでは意味がないということで、急遽、一番有効な方法を探り、日本劇作家協会の声明文に賛同し、そのことを明日、衆議院第一会館で記者会見することになりました。しかし、今日の明日。マスコミの方に来てもらえるか分かりません。またマスコミリリースなどしたことがないので、漏れがあるやもしれません。それに社会部だけでは広がりがないので、せっかくシナリオライターの団体が記者会見をやるのだから、映画ライターやテレビライターにも来てもらいたいと思っています。そこで、皆さんの中でそういうお知り合いがいらっしゃいましたら、知らせていただきたいのです。もちろん、新聞、雑誌、ネットメディア、何でも大歓迎です。詳細はこの後に貼り付けるリリースに書いてあります。
此の期に及んで、声明や記者会見など何の意味があるかとお思いかもしれません。しかし、同じ負けるのでも、次につながる負けでありたいと思っています。よろしくお願い致します。
この投稿で、この動きを知ることになる協会員の方が大多数だと思いますが、こういう状況ですので、ご理解下さい。加藤正人理事長が常務理事全員の賛同は得ております。
以下、リリースと声明文です。



【マスコミ各位】

お世話になっております。

協同組合日本シナリオ作家協会の理事長の加藤正人と申します。

表現に関わる者として、共謀罪の参議院法務委員会での強行採決を前に、居ても立っても居られず、日本劇作家協会の『「新共謀罪」に反対する緊急アピール』に賛同団体として名前を連ねると共に、明14日13時より衆議院第一会館にて記者会見を開き、反対の意思を表明したいと思っています。
会見には、私、加藤正人と劇作家協会の理事である坂手洋二氏の出席が確定しております。
日本映画監督協会をはじめ、他の賛同団体には現在打診中です。
残念ながら、共謀罪は今週中に成立するでしょうが、「次につながる負け方」をしたいと願っています。
お忙しいとは思いますし、今日の明日ではありますが、映画、テレビ、演劇に関わる表現者たちの声に耳を傾けて下さい。
よろしくお願い致します。

日時・6月14日13時
場所・衆議院第一会館B1 第4会議室
会場名称・映画人・演劇人による共謀罪に対する意見交換会

協同組合 日本シナリオ作家協会
理事長 加藤正人

問い合わせ
井上淳一(脚本家・映画監督)
電話番号
メールアドレス



「新共謀罪」に反対する表現者の緊急アピール

 日本劇作家協会は、過去3度も廃案となった「共謀罪」が、問題の本質は変わらぬまま、「テロ等組織犯罪準備罪」として国会に再度提出されることに、強い危機感を覚えています。
 この法案は網羅する範囲が広く、また、私たちの創作行為が発表以前に監視されることを許すものです。恣意的な運用がなされた場合、思想信条や言論・表現の自由への脅威になりかねません。
 日本劇作家協会は、自由な表現活動を維持する立場として、あらためてこの法案に懸念を表明します。

註1:「犯罪が実際に行われていなくても」その可能性を語り合ったり、匂わせただけで、犯罪行為として処罰の対象になるのが共謀罪です。現在、未遂や予備(準備)や共謀は軽犯罪では処罰の対象にならず、重大な犯罪だけに限定されています。

註2:日本には既に共謀罪が15、陰謀罪が8、予備罪が40、準備罪が9あり、72の主要重大犯罪に、未遂よりも前の予備などの段階で処罰できる法律があります。またテロ資金供与を含む国連のテロ防止関連の条約を全て批准しており、国内法も整備し ています。マネーロンダリング防止を目的とした国連の「国際(越境)組織犯罪防止条約」を批准するためには「四年以上の刑期の犯罪全てに共謀罪を導入しなければいけない」と政府は説明していますが、アメリカなど多くの国が共謀罪条項を留保し批准しています。日本も当然、留保の形でこの条約を批准することは可能です。

註3:政府の統一見解では、対象は組織犯罪集団に限定されず、あらゆる団体(2名以上の会社、サークル、労働組合など)が犯罪の可能性を相談し、共謀した後は組 織犯罪集団とみなされ得ると説明しています。また共謀行為の立証のために盗聴の拡大や密告が奨励されるのではないかとの指摘もあります。
 

2017年2月22日 
 
一般社団法人 日本劇作家協会 

[賛同団体]                       
日本新劇製作者協会(2月23日付) 
AICT/IATC(国際演劇評論家協会)日本センター(2月26日付) 
公益社団法人日本劇団協議会(3月4日付) 
一般社団法人日本演出者協会(3月10日付) 
協同組合日本映画監督協会(3月23日付) 
公益社団法人国際演劇協会日本センター 理事会有志(3月25日付) 
神奈川演劇鑑賞団体連絡会議(5月13日付け)
協同組合日本シナリオ作家協会(6月13日付け)
コメント (1)
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『共謀罪を廃案に!安倍改憲NO!6・13市民集会』

2017-06-13 | Weblog
【拡散希望】が届きました。
『共謀罪を廃案に!安倍改憲NO!6・13市民集会』
日時:6月13日(火曜日)集会18:30~(開場18:00)集会後、銀座デモ
場所:日比谷野外音楽堂
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

私は稽古なので行けません。
参加者は雨具のご用意を。
当局にいっぱい写真は撮られるようですが、ひるまず、よろしく。
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『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M. (土、日除ク)』稽古中

2017-06-13 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M. (土、日除ク)』、稽古期間も折り返し。本番に向けた日々。
深津篤史が遺した、謎に満ちたテクストをひもとき、いまという時間に大きく羽ばたかせるための、濃厚な時間。

出演者は平均三十歳強。最年長者でさえ、私より十五歳以上、若い。
そんなことは気にしないで、自分もこの青春群像劇の渦中で、足掻く。

内容が内容だけに、一日一日、露出度が増し、下着姿でいるのも平気な稽古場となってきている(役にもよるのだが)。

リーディングやアフタートークがありますので、ご観劇日をお選びください。


写真 中央:橘 麦 左:杉山英之 右:東谷英人

お早めにご予約を!http://rinkogun.com

詳細情報


深津演劇祭 ~深津篤史コレクション舞台編~
燐光群
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M. (土、日除ク)』
作○深津篤史 演出○坂手洋二

夜明け前。工業地域を臨む町。
アイドルの名前で呼びあう10名の男女。
その性と生のゆらめき....
深津篤史の心の深淵を繙く、幻の青春群像。
燐光群 × 桃園会、運命の出会いから、20年。
坂手洋二演出による深津ワールドの新展開。

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣
《日程》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)
深津篤史戯曲のショート・リーディング(短編あるいは抜粋)。予定作『四季一会』『月灯の瞬き』『カラカラ』他。
<両リーディング出演予定者>
中山マリ 円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝  他
※作品により変わります。

アフタートーク
次のゲストと坂手洋二が出演
10日(月)
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表) 
13日(木)
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)

《チケット》
全席指定
一般前売¥3,500 ペア前売¥6,400 当日¥3,800
【S】スペシャル・リーディングありの回
9日(日)・11日(火)・16日(日)
 一般前売¥4,000 ペア前売¥7,400 当日¥4,300円
◎U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売¥2,000 高校生以下前売¥1,000は全ステージ共通料金(スペシャル・リーディングのある回を含む。当日は+500円・当日受付にて要証明書提示。)
7/6(木) 7(金)はプレビュー公演
全席自由・一律2500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。

《場所》
下北沢ザ・スズナリ
小田急線・京王井の頭線 下北沢駅 南口徒歩7分
主催○有限会社グッドフェローズ
文化庁文化芸術振興費補助金
(舞台芸術創造活動活性化事業)
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楢原拓+チャリT企画の共謀罪批判劇「キョーボーですよ!」

2017-06-10 | Weblog
楢原拓+チャリT企画の共謀罪批判劇「キョーボーですよ!」

詳細情報が届いた。

見たいけれど見にいく時間があるか否か。
楢原くんのこういうときのセンスの良さがバーンと出る方でいけていることを信じています。



びっくりするほど簡単に
あなたも今日から犯罪者

劇団チャリT企画 番外公演
「キョーボーですよ!」

作・演出 楢原 拓(chari-T)

【タイムテーブル】
6月9日(金) 19:30
6月10日(土) 15:00/19:30
6月11日(日) 14:00/18:00
6月12日(月) 19:30
6月13日(火) 15:00/19:30
※受付開始・開場は開演30分前

【料金】
一般2,500円/学生2,000円/高校生以下1,000円
※学生・高校生以下は要身分証提示

↓ご予約はこちらから!↓

http://stage.corich.jp/stage_main/66895

★★★

【劇場】
新宿眼科画廊

〒東京都新宿区新宿5-18-11
地下鉄「東新宿駅」より”徒歩8分”
地下鉄「新宿三丁目駅」より”徒歩9分”

バンカラ・ポップ
粗野・野蛮という意味の「バンカラ」と、
大衆的・ポピュラーという意味の「ポップ」とを
掛け合わせたチャリT企画オリジナルの表現スタイル。
小洒落たハイセンスさではなく、気どらないB級的なポップさをめざしている。
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『止めよう!辺野古埋立て 共謀罪法案は廃案に! 6.10国会大包囲』 本日14時~ 国会周辺

2017-06-10 | Weblog
【拡散希望】が届いている。
きょう東京にいない私は参加できないが、14時、国会正門前に集合できる方は、ぜひ。
5月3日に私も参加した、5万5千人市民が集った東京・臨海防災公園での憲法集会の流れを汲む人たちの動きです。

『止めよう!辺野古埋立て 共謀罪法案は廃案に !6.10国会大包囲』6月10日14時~ 国会周辺(4つのエリアでリレートーク)

日時:10日(土曜日)14:00~
場所:国会周辺(4つのエリアでリレートーク)

http://humanchain.tobiiro.jp


 沖縄戦では住民の4人に1人の命が奪われました。沖縄の人々は戦中戦後に収容所へ入れられて米軍に土地を奪われ、サンフランシスコ講和条約後は米軍の「銃剣とブルドーザー」により家を壊されて土地を強制収用され、「本土」で基地反対の声が高まると沖縄に基地が移されました。日本「復帰」後も基地被害が絶えず、在日米軍専用施設の面積の7割が集中している沖縄に、新たな基地を造ることは許されません。
 新基地建設NO!という沖縄県民の民意は選挙や大規模集会で、また座り込みやカヌーによる抗議など人間の尊厳をかけた非暴力の直接行動によって示されてきました。
 しかし、4月25日、日本政府は辺野古の埋め立て区域を囲む護岸工事に着手しました。人々の思いを踏みにじり、美しい海を殺す暴挙をやめさせなければなりません。翁長沖縄県知事は辺野古埋め立て承認の撤回を検討しています。
 わたしたちは民意無視の政治や、不平等な日米地位協定は改正せずに「土人」 発言を容認して沖縄への差別をあおる日本政府を許さない世論を作っていかなければなりません。
 戦争をする国づくりの法制度が戦争法であり、そのための最前線の基地が米軍と自衛隊の共同使用を視野に入れた辺野古新基地建設です。与那国島、石垣島、 宮古島、奄美大島では自衛隊が強化されています。そして戦争をする国づくりに 反対する市民運動、労働運動を弾圧するのが共謀罪(テロ等準備罪)法案です。 辺野古・高江での抗議行動を主導してきた山城博治さんらへの不当な長期勾留は共謀罪の先取りです。戦争法、辺野古新基地建設、共謀罪は一体のものです。
 わたしたちの抗議の意思を示すべく、共に声をあげ、圧倒的な数の人々で国会を包囲しましょう。


〈 主 催 〉
基地の県内移設に反対する県民会議
tel:098-833-3218 「止めよう! 辺野古 埋立て」国会包囲実行委員会
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック tel.090-3910-4140/沖縄意見広告運動 tel.03- 6382-6537 /ピースボート tel.03-3363-7561

戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会
戦争させない1000人委員会 tel:03-3526-2920/解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会 tel:03-3221-4668/戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター tel:03-5842-5611

〈 協 賛 〉
共謀罪NO! 実行委員会

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「平成」の終わりを見越して、「新元号」準備が始まる

2017-06-09 | Weblog
報道によれば、平成天皇の退位を認める特例法が9日午前、参院本会議で自由党を除く与野党の全会一致で可決、成立した。天皇の終身在位を定めた明治以降で初めて、約200年ぶりの退位が実現する。「退位は陛下一代を対象とする」が、政府は「将来の先例となり得る」との見解を示している。今後、改元や儀式など代替わりに向けた準備が加速することになる。
特例法第1条には法案の「趣旨」として、平成天皇が退位に至る事情を詳細に書き込んだ。83歳の高齢で、公務などの継続が困難となることを「深く案じておられる」と指摘。「国民は陛下のお気持ちを理解し、共感している」と明記。一般化を避け、退位が個別の事情であることを強調している。
退位制度を恒久化すれば、恣意的・強制的退位が可能となり、天皇の政治関与を禁じる憲法4条に抵触する懸念があるためだという。もちろん一代限りの退位容認 とはならず、「将来の先例となり得る」という認識もある。

退位日は、公布日から3年を超えない範囲で政令で定めるとしている。
元号法では「譲位の継承があった場合に限り元号を改める」と定められており、天皇陛下の生前退位が実現すれば当然ながら元号も変わる。
以前から、政府は平成天皇が在位30年を節目に譲位を望んでいることを受け、平成31年目の1月1日から年号を新しくする検討に入っていると報道されている。「国民生活への影響を最小限とするため元日の譲位が望ましい」と判断したという。

つまり、一年半後には、「新元号」になっている。

天皇陛下の生前退位は、国民からしてみれば、どこか遠い話と受け止められている感じだが、年号が変われば「実感」として受け止めることになる。
故・小渕首相は官房長官時代、「平成」の文字を掲げて「へいせい」と口にしてテレビに登場したことで、つよく印象付けられた。
天皇誕生日も変わる。

秋篠宮の処遇は「皇太子」と同等としているが、実質的に「皇太子不在」の時代となる。「女性宮家」創設の検討を盛り込んだ付帯決議も採択されたというが、天皇位を継ぐ者が不明確な時代に入った。

「皇室に生まれた人は縛られていて可愛そう」「天皇にも「基本的人権」を認めてあげて、「象徴」というよくわからない立場から解放してあげるべきだ」、と、ノンポリな人たちも言うようになっている。
全くその通りであるともいえることだ。
憲法の基本的な人権思想に対して天皇制の存続自体が矛盾しているからだ。
「象徴」なんて、人間存在であることを否定された、亡霊ではないか。

もちろん、「天皇制」が虚構であることは、誰もがよくわかっている。そういう時代である。

ただ、かつてこの国を無謀な侵略戦争に導いた「天皇の神格化」が繰り返されないとしても、「天皇システム」がこの国の政治の非民主的な部分を補完する仕組みは温存されている。
リベラルなはずの政党が「緩やかに認める」ことを容認してしまっている。
天皇制の存続を前提としないでこの国の未来を語る政治家が、もっと多くいなければならない。
戦後、天皇制を廃止できなかったツケが、こうしてこの国の矛盾そのものとなって続いている。
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非戦を選ぶ演劇人の会は「組織的犯罪処罰法改正案(「共謀罪」法案)の廃案を求める」提言に賛同します

2017-06-09 | Weblog
非戦を選ぶ演劇人の会は、以下の、「組織的犯罪処罰法改正案(「共謀罪」法案)の廃案を求める」提言(神奈川大学憲法を考える会)に賛同します。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

組織的犯罪処罰法改正案(「共謀罪」法案)の廃案を求める

 組織的犯罪処罰法改正案、いわゆる「テロ等準備罪新設法案」は、実質的には危険な「共謀罪」法案であり、私たちはその廃案を求める。

 こんにち、「テロ」という言葉は人びとの不安をかきたて、「テロから安全な社会を守る」という理由づけは、それだけで思考を停止させる力を持つに至っている。だが、そのような時勢だからこそ、立ち止まって熟慮することが求められている。

 第1に、政府は、東京オリンピック・パラリンピックまで引き合いに出しながら、法案の目的を、国際社会の一員として、テロを含む組織犯罪を未然に防止し、これと闘うための枠組みである国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)に加入して、国民の生命・安全を守るため、と説明している。しかし、同条約に関わる立法手続についての国連「立法ガイド」の執筆に関与した国際刑法学者を含め、国内外の専門家は、パレルモ条約はテロ対策とは別の組織的金融犯罪などの対策を目的としたものであり、条約に加わるために共謀罪の新設は必要がないことを指摘している。政府は、このような指摘に対して説得力のある応答を行なっていないどころか、自らも理事国である国連人権理事会の特別報告者によるプライバシー侵害の懸念に対して正面から向き合うことなく、個人的な見解にすぎないかのようにみなして無視しようとしている。このことは、「国際社会の一員」としての役割をはたすためという政府の説明がもともと方便にすぎなかったのではないか、という疑いを強めるものである。

 第2に、政府は、法案は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」を対象とするものであり、「一般人」には関わりがないかのような説明を繰り返している。しかし、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」には明確な定義がなく、政府の答弁も、別の目的をもった集団が「組織的犯罪集団」に性格を変える可能性を否定していない。法案の適用対象となる277もの犯罪には、例えば組織的威力業務妨害が含まれている。威力業務妨害罪は、「テロ」とは無縁の住民運動などに対しても適用される可能性のあるものであり、実際、岐阜県大垣市では、風力発電計画について勉強会を行なっていた住民たちが、「過激な運動を起こす可能性」があるという名目で警察による監視の対象となる事件が発生している。結局、「組織的犯罪集団」に当たるかどうかは、捜査当局の判断にゆだねられているのである。

 第3に、政府は、新設される「テロ等準備罪」は「準備行為」が要件とされているので共謀罪とは異なる、という説明を行なっている。しかし、「花見に地図と双眼鏡を持ってゆく」(金田法相)というようなそれ自体としては危険な行為とは言えない「準備行為」を、その前提となっている犯罪「計画」の準備だとするためには、結局、「計画」(=共謀)の存在をあらかじめ認定しておかざるをえない。このことは、目をつけた“危険な”対象が「何を考えているか」についての情報を、捜査当局が尾行、盗聴・盗撮、メールやLINEの閲覧などあらゆる手段で系統的に蒐集することを正当化し、また“熱心な”捜査当局はますます“効果的な”捜査手段の獲得を主張するようになるだろう。これが、「テロ対策」の名のもとに強行されようとしている法案が「一般人」にもたらすであろう 、もっとも現実的な脅威である。

 このように深刻な問題を孕む法案についての国会審議の状況は、目を覆うばかりである。現行法で対応することは本当にできないのか、「組織的犯罪集団」とは何を指すのか、盗聴が拡大されるのではないかなど、肝心な点をめぐる数多くの疑問に対する政府の答弁は定まらず、議論は深まらない。それは、単なる担当大臣の「答弁能力」の問題ではなく、根本的にあるのは、標榜された法案の目的と法案の実質とのあいだの説明困難な懸隔にほかならない。にもかかわらず、「ひたすら『審議時間』の長さのみを頼りに、予定された結論を急ぐ民主主義の矮小化」が繰り返されようとしている。

 2015年に強行採決された安保法制に対する異議申立てのうねりは、世の中の動きに疑問があれば集まって議論し、意思表示し、場合によっては街頭にも出ることが当たり前の民主主義社会へ、市民たちが表現の自由を堂々と行使する社会へと、日本社会を一歩前進させるきっかけとなった。私たちも声を挙げた。しかしそのとき、「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と述べた与党幹部がいたことを思い出そう。「テロ」という言葉は容易に濫用され、社会について真摯に考えようとする「一般人」を危険視する者たちによって悪用されかねないことを、改めていま私たちは目にしている。集まって議論し、声を挙げることを「怖い」と思わせるような方向に、社会を後退させることがあってはならない。

  2017年6月2日

神奈川大学憲法を考える会 世話人

出雲 雅志(経済学) 大庭 絵里(社会学) 木村 敬(物理学) 窪谷 浩人(物理学) 郷 健治(英文学) 小森田秋夫(比較法学) 小馬 徹(文化人類学) 杉田 弘也(政治学(オーストラリア)) 鈴木 陽一(中国文学) 辻子美保子(言語学) 東郷 佳朗(法社会学) 
〔五十音順〕

http://ruseel.world.coocan.jp/KUappeal.htm
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ゆうちょ「プライバシーポリシー」は誰のため?

2017-06-08 | Weblog
大袈裟太郎さんの口座凍結は解除されている。取り急ぎ。

前ブログで私は「郵便局口座」ととりあえず書いてしまったが、ゆうちょは郵便局ではなく、民営化で、郵便局窓口、郵便局流通、簡保、ゆうちょの4会社に分かれている。紛らわしいけれど、正確にはそういうことである。民営化という名の、無責任体制の果て。なんせ保険事業には外資のアフラックが入っている。

通達されたさいの問い合わせ先は「ゆうちょ銀行・東京貯金事務センター金融犯罪対応課」だったそうだ。意味不明である。
このたびの顛末は、ネトウヨの「通報」がきっかけらしい。情報提供したことを自慢しているTwitterが発見されているようだ。
何の根拠かわからないが、本人への事前の確認もないまま(ゆうちょ自身のプライバシーポリシーに反している)、根拠不明で口座が凍結されるような銀行は、信用できない。

これらのことは、大袈裟太郎さん側の問題ではない。
「法令や公序良俗に反する行為に利用され又はそのおそれがあると認められる」という通達文書については、ゆうちょ側が、きっちり説明する責任がある。
そして、一般市民の立場からいえば、ゆうちょ=銀行の「プライバシーポリシー」は誰のため? ということだ。
再発防止のためにも、マスコミはとことん追求してほしい。
しかし沖縄二紙以外の新聞は、果たしてこの事件を載せてくれたのだろうか。

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「郵便局口座凍結」の思想弾圧

2017-06-07 | Weblog
米軍基地建設に反対する者に対する、「郵便局口座凍結」の思想弾圧。
裁判もなく、予告もなく、本人への調査もない。
説明は、「法令や公序良俗に反する行為に利用され又はそのおそれがあると認められる」という文書のみ。

共謀罪がなくても「思想弾圧」が横行している、この国。
国家にとって都合の悪い相手なら、国民の財産権さえ奪う。
郵便局の判断根拠は何か。
独自の調査なのか。ならばその調査内容と根拠を明らかにする義務がある。
何者かの指示ならそれを明らかにする責任がある。

昨夏から高江に赴き、基地建設反対の活動をしている大袈裟太郎さんから、【緊急大拡散希望】が届く。
「ついに自分の身にも、ガチの弾圧の波が襲ってきました。口座が凍結されました。共謀罪ができる前にすでにこんな状況です。どこまでも腐ったこの国を可視化します。明日、弁護士さんとこ行きます。おれ、負けないす。どんどんシェアしてください。」とのことです。

これが現実に起きていることである。

マスコミはきちんと報じるだろうか。

政府は6日の閣議で、国家戦略特区での大学の獣医学部の新設をめぐって、内閣府の担当者が「官邸の最高レベルが言っている」などと発言したとされる、去年9月26日の文部科学省と内閣府との打ち合わせは確認できないとする答弁書を「決定」したという。
和泉総理大臣補佐官の証人喚問もしないで、「事実は確認できない」と、なぜ決めつけることができるのか。

一間関係ないようだが、同根である。

根拠なく事実をねじ曲げ、説明抜きの思想弾圧は行う。

正義も自由もなく、三権分立が保証されていない。

野党の皆さんはこうした不法の横行、理不尽に対して向き合い、もう材料はすっかり揃っているのだから、政権を転覆させてほしい。
これでできないなんてことは、あり得ない。
まかり間違って共謀罪審議にのこのこ加わってしまわないように。


以下、大袈裟さんの緊急通信552「言論弾圧、大袈裟太郎の口座凍結される」より。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

緊急事態です。いよいよガチの言論弾圧です。

昨年8月に高江に飛んでから10か月間、

マスメディアには伝えられない生々しい情報を届けようと、

独立メディア、ポスト–ジャーナリズムとして踏ん張ってきた、

この大袈裟通信の受信料、カンパ窓口の口座が凍結されました。


郵便局で通帳が吸い込まれ、警備員に囲まれました。

届いた書面によると、

「法令や公序良俗に反する行為に利用され又はそのおそれがあると認められる」

一体、どういう根拠でしょうか?????????

当方、何ひとつ違法行為は行っておりません。


最悪の場合、口座にあった全額が没収になるとのことです、、、

この口座には、受信料カンパ以外にも、仕事のギャラなどが入っておりました。

まったく身動きの取れない状態になりました。

いよいよ言論弾圧の矛先が自分に向かってきたことを
身を以って感じています。

6年間社会運動に関わってきた先輩が、こんな事態は初めてだと言っています。

暴力団関係者以外で、口座が凍結された初めてのケースではないかと、、、

どうやらネット右翼の嫌がらせとは、関係が無いとのことです。


権力のおそろしさに打ち震えていますが、

絶対泣き寝入りはしません。全額取り戻します。

心底、今のこの国は腐っています。

共謀罪が成立する前に、すでにこんな国になっています。

共謀罪が成立したら一体、どんな国になるか、

その危険性をみんなで共有してほしいと思います。



こんな時こそ、愛とユーモアを忘れずにやっていこう!
と高江の石原さん夫妻からも励ましてもらいました。

沖縄から全国から、たくさんの仲間たちが、チカラになって支えてくれています。

どうにか、倒れずにやっていけそうです。

ひとりの小さな市民として、

駆け出しのジャーナリストとして、

巨大な権力が個人の尊厳を生活を握り潰そうとする、消し去ろうとする、

この問題を可視化しようと思います。

おれ、負けないす。

明日、弁護士や関係各所にアプローチします。

今、書ける限界はここまでです。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

シェア元はここです



http://blog.livedoor.jp/oogesataro/archives/2175605.html

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馬鹿は結果として、時に、正直者になる

2017-06-07 | Weblog
馬鹿は馬鹿である、と言って、何が悪い。
これはもう、その「文書」が実在していることはわかっていて、それがどう世に出るかについての責任回避しか念頭にないらしい、言葉だ。

文書はあるのである。
間違いなく。

しかし、ということは、そうした抜け道の上でこの段取りを作った者は、頭がいいのかもしれない。
事実は、ここにあるのだから。

馬鹿は結果として、時に、正直者になる。
だからといって褒めてやらないが。



東京新聞の記事〈「加計」メール 告発、実名で顔出せば「対応検討」 文科相が言及〉によれば、

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省内で共有したとみられるメールの写しが新たに見つかった問題で、松野博一文科相は六日午前の会見で、職員が実名で告発するなど、出所が明らかにならない限り、調査をしない考えを示した。
メールは民進党が入手し二日に写しを公表。また、NHKの取材に対し、現役の職員を名乗る男性が文書がメールで共有されたことなどを、匿名で顔を出さずに証言している。会見で、松野氏は「報道があったことは承知しているが、実際にそれが文部科学省の職員から発言があったかどうかについて確認することができないので、それを前提にした質問に答えることは差し控えたい」とした。記者が、「(職員が)実名で顔も出して告発すれば検討するのか」とただすと、「こういったところから出て、ということが明らかになれば、調査に関して対応をしっかり検討する」と話した。
メールは文科省専門教育課の係長が昨年九月二十七日に「昨日の概要を共有します」と添付ファイル付きで省内の十人余りに送付。メールには送り先の相手の実名も記されている。添付文書には内閣府が文科省に早期の獣医学部新設を働き掛けたとされる「官邸の最高レベルが言っている」との記述がある。  

そうだ。
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非戦を選ぶ演劇人の会 今夏、ピースリーディング

2017-06-06 | Weblog
情報公開解禁となりました。

『戦場イラクからのメール』は、安田純平さんらの拘束を描いた、2004年の燐光群公演『私たちの戦争』の中の一篇。
『「反戦」落書きのススメ』は、『私たちの戦争』中の一篇を完全にリニューアル、「いま」に迫ります。

これは私たちの表現です。ここには「合意」と「準備」が存在します。ご自由に「監視」して下さい。ウエルカム「共謀罪」。私たちは「落書き」を続けます。


【非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング vol.21】

「引き返せない夏」

『9人いる! ~憲法9条と沖縄2017~』作・演出:宮城康博
『「反戦」落書きのススメ』作・演出:坂手洋二
『戦場イラクからのメール』作・演出:坂手洋二

■2017年7月19日(水)19:00 /20日(木)14:00
■全労済ホール / スペース・ゼロ
■主催 非戦を選ぶ演劇人の会
■特別協賛 全労済ホール / スペース・ゼロ
6月10日より前売り開始!

■出演予定者(50音順) 市毛良枝、内田龍磨、円城寺あや、大沢健*、大月ひろ美、大西孝洋、加藤忍、加藤義宗、木内みどり、小山萌子、さとうこうじ、関谷春子、高橋長英、竹口範顕、田根楽子、中野亮輔、中山マリ、野口俊丞、野々村のん、深沢 敦、古川 健、本郷 弦、巻上公一、宮城康博、山本 宣、山森信太郎、流山児祥 ほか *五十音順。出演予定者は変更になる場合があります。公式サイトで随時発表致します。*19日のみ出演

スタッフ  照明 齋藤茂男/ 音響 藤田赤目、丸太裕也 /音響協力 島猛 /舞台監督 三津 久 /演出助手 村野玲子/ 制作 岡本舞、桑原睦 / 当日運営 横内里穂 / 宣伝デザイン 柳沢崇史/ 記録映像撮影 姫田蘭

今年の第1部の朗読劇(ピースリーディング)は、3つの作品をオムニバス形式でお送りします。

『9人いる! ~憲法9条と沖縄2017~』 作・演出:宮城康博
「憲法9条と沖縄」リーディングの当日。待てど暮らせどやってこない9人目の出演者を待ちながら、出演者のユンタクで明らかになる、沖縄と憲法の歴史や現在。辺野古新基地建設をめぐる政府のデタラメぶり。憲法9条は理想であり現実は違うとする通説に対して、まさに違う現実である沖縄から痛切なまでの9条への意志が発せられる。2016年に書き下ろされた短編の2017年改訂版。

『「反戦」落書きのススメ』 作・演出:坂手洋二
イラク戦争開戦時、公衆トイレの外壁にスプレーで「反戦」と落書きした青年が、「建造物損壊」の罪に問われた事件がありました。……あれから十四年。私たちは「反戦」と落書きするための「非戦スプレー」を、広く皆さんに販売しようと思います。 戦争に反対することが「テロ」ですか? これは私たちの表現です。ここには「合意」と「準備」が存在します。ご自由に「監視」して下さい。ウエルカム「共謀罪」。私たちは落書きを続けます。

『戦場イラクからのメール』 作・演出:坂手洋二
2004年「在イラク自衛隊監視センター」のスタッフとしてイラク入りしていた渡辺修孝さんは、ジャーナリストとしてイラクを取材していた安田純平さんと合流。先に拘束された高遠菜穗子さんら日本人3名の消息と、ファルージャでの米軍による虐殺の真相を掴むため、共に現地へ向かう途中、地元住民の自警団に身柄を拘束された。そして2017年現在、安田純平さんが再びシリアで拘束されてから、まもなく二年。安田さんの無事を祈りながら、2004年当時、毎週のように渡辺さんから送られてきたメールを元に書き起こされたドキュメンタリードラマを通して、安田さんが戦場に赴いた初心を、確かめてみたい。


今年の第2部も濃密なトークをお聞きいただけます!
【7月19日 (水)】
スペシャルトーク 高遠菜穂子(イラク支援ボランティア)、小西 誠(軍事ジャーナリスト)、志葉玲(ジャーナリスト)
【7月20日(木)】
豪華ゲストが一堂に会してトークをつなぐ、リレートーク!
石原岳(ミュージシャン・高江在住)、織田朝日(くるどっこ劇団「ウィンクス」主宰)、志葉玲(ジャーナリスト)、高林敏之(アフリカ国際関係史研究者)、寺脇研(映画評論家)、早野透(政治コラムニスト)、菱山南帆子(解釈で憲法9条を壊すな実行委員会)、福島みずほ(参院議員)、保坂展人(世田谷区長)、馬奈木厳太郎(弁護士)をはじめとする多彩なゲストが参加予定。

※都合によりゲストが変更となる可能性があります。最新の情報はサイトをご確認くだ さい。

■全席指定(税込)一般1500円、中高生1000円、小学生以下500円
■前売り開始日 2017年6月10日(土)
■チケット取扱い ●チケットぴあ(Pコード:459-587) TEL : 0570-02-9999 http://t.pia.jp ●スペース・ゼロ チケットデスク  http://www.spacezero.co.jp(一般のみ) *開場は開演の30分前です。 *当日券は開演の1時間前から劇場受付で販売します。 *車いすをご利用の方は、7月14日(金)までに、青年劇場にご連絡下さい。

■チケットに関する問合せ(平日 10:00~17:00) 非戦を選ぶ演劇人の会(青年劇場内)TEL:03-3352-6922

■会場 全労済ホール / スペース・ゼロ 〒151-0053 渋谷区代々木2-12-10 全労済会館1階 TEL:03-3375-8741(代) JR新宿駅南口より徒歩5分、 京王新線・都営大江戸線・都営新宿線新宿駅6番出口より徒歩1分

■お問合せ 非戦を選ぶ演劇人の会 TEL.070-5457-2003
e-mail:info@hisen-engeki.com  HP:hisen-engeki.com/  公式フェイスブック: https://www.facebook.com/HisenEngeki/ 公式ツイッター: https://twitter.com/hisenn_enngeki

■主催:非戦を選ぶ演劇人の会  特別協賛:全労済ホール/スペース・ゼロ 協力:ポスターハリス・カンパニー、ネビュラエクストラサポート(Next)

実行委員(五十音順)  相馬杜宇・阿部ひろみ・石原 燃・猪熊恒和・今村修・岩瀬晶子・円城寺あや・大月ひろ美・岡本 舞・沖 直未・ 加藤ちか・金安凌平・釘本 光・くまがいマキ・桑原 睦・坂手洋二・佐藤 滋・篠原久美子・清水弥生・シライケイタ・杉浦久幸・ 関根信一・ 瀬戸山美咲・高橋長英・高橋俊也・龍野瑶子・田根楽子・常田景子・永井 愛・中山マリ・楢原 拓・西川信廣・西山水木・野溝さやか・福島明夫・藤田赤目・洪明花・松岡和子・松田美由紀・丸尾 聡・三田和代・宮城康博・村野玲子・山田勝仁・山本 亘・山谷典子・流山児祥・渡辺えり

■カンパ募集 この会の運営は全てカンパによってまかなわれています。 皆様のご協力をよろしくお願いいたします。 (一口1,000円より) ▼振込先 みずほ銀行 吉祥寺支店 普通預金 口座番号:1303466 口座名:非戦を選ぶ演劇人の会(ヒセンオエラブエンゲキジンノカイ)

■非戦バルーン 公演祝いとして劇場ロビーに飾られる「祝い花」の代わりに、非戦を選ぶ演劇人の会へのカンパ金を含んだ「祝いバルーン」はいかかでしょうか? 非戦を選ぶ演劇人の会では「非戦バルーン」の活動を行っています。 http://hisen-engeki.com/


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金田法務大臣は罷免、安倍政権は引責退陣すべきである

2017-06-05 | Weblog
金田勝年法務大臣は6月2日、衆議院法務委員会で、

「共謀罪法案は、現代版・治安維持法と呼ばれています。(中略)明治憲法明治憲法23条「日本臣民は、法律に依らずに、逮捕、監禁、審問、処罰を受くることなし。」にさえ、違反していた。(中略)そして治安維持法は国際社会にも、背を向けた。その当時の歴史の状況からも明らかであります。(中略)戦後、治安維持法が否定された以上、この法律による弾圧犠牲者の救済、名誉回復をするべきではありませんか? 法務大臣、いかがでしょう。」
という日本共産党・畑野君枝議員の質問に答え、

「えー、お答えをいたします。治安維持法は当時、適法に制定されたものでありますので、同法違反の罪にかかります、拘留・拘禁は適法でありまして、また、同法違反の罪にかかる刑の執行も、適法に構成された裁判所によって言い渡された有罪判決に基づいて、適法に行われたものであって、違法があったとは認められません。したがって、治安維持法違反の罪にかかる拘留もしくは拘禁、または刑の執行によって生じた損害を賠償すべき理由はなく、謝罪、および実態捜査の必要もないものと思われます。」

と答弁した。
(小原美由紀さんの書き起こしによる)

つまり、金田法務大臣は、戦後〜現在の価値観から見て明瞭に「間違っていた」と否定されている、戦前・戦時下の法律であっても、「当時の社会ではそれが適法だったから違法ではない」と開き直っている。

どんなに悲惨な「拘留・拘禁、刑の執行」も、「当時はそれでよかったから別にいいんだ」としらをきっているのである。
「過去の過ち」は、認めないのである。
この歴史認識だけでも、金田法務大臣は罷免されるべきである。

そして、
質問者が問題にしているのは、「現在」だ。
「現在」に於いて、その過去によって苦しめられた者がいる。
どうしてそんな物言いになるのか。

金田法務大臣は「損害を賠償すべき理由はなく、謝罪、および実態捜査の必要もない」と言う。
国家が過ちを犯せば、謝罪し、補償するのは当然のことである。実際、この国はさまざまにそうした過去の侵略戦争とそれにまつわる弾圧等に対する反省に基づく「反省の念の提示」「埋め合わせ」を行ってきた。
戦後、日本がポツダム宣言を受諾し、戦犯として処刑された者も多いという史実自体を否定するのか。
保守陣営の方々は、むしろそうした犠牲を尊重するのが本来であろう。

そして、過去の法律下でも、「国家の責任」は消えない。

迷走暴走を繰り広げるこの国が「新共謀罪」の法案を通そうとしている今、この妄言である。

安倍内閣は終わっている。
なぜ野党もマスコミも根本のところから徹底的に攻めない?
ちゃんと終わらせる気がないのか。
未来への責任はこの時代のすべての人々にある。
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住民を無視して基地配備計画を進める暴挙

2017-06-04 | Weblog
防衛省が沖縄県の宮古島(宮古島市)への陸上自衛隊警備部隊とミサイルの配備に向け、拠点となる駐屯地の建設に8月に着手することが3日、分かったという。それに先立ち月内に用地を買収する動きだという。

「昨年3月、同県の与那国島に艦艇を警戒する陸自沿岸監視隊を配備したのに続き、宮古島では初めて実戦部隊の拠点整備に着工することで、中国の脅威に備える南西防衛強化は新たな段階に入る」「沖縄本島より西は陸自が配備されていない防衛の空白地帯だったが、与那国島に沿岸監視隊を配置し、有事で初動対処にあたる警備部隊と地対空・地対艦ミサイルを宮古島と石垣島(石垣市)に置く」などと記事にはある。
「空白地帯」も何も、戦後七十年、自衛隊配備などなくても平和が保たれていたことこそが、事実である。
そうまでいうなら、ぜひ「中国の脅威」の根拠を示してほしい。

そんなに危機意識があるなら、まず外交で中国との間の安全を確保すべきだ。しかしそうではない。そもそも争点は何か。
この国では外国のことを言っているようでも、全て「国内問題」なのである。国内の覇権闘争の材料として使われる。それで得する者がいる。北朝鮮のミサイル発射報道をエスカレートさせ、それにかこつけ隣国全てが日本を襲う可能性があるという宣伝でもしたいのだろうか。

南西諸島の対象地区では自衛隊配備への反対決議が出ている。
防衛省は石垣市でも月内に住民説明会を開き、市の受け入れ表明を得るための最終調整に入る方針だというが、形だけの説明会をして、「市民の理解を得た」と言い募るつもりに違いない。
これは私が昨年秋『天使も嘘をつく』で描いたとおりの構図である。

「昨年6月に配備を受け入れる考えを表明した現職が3選を果たし、防衛省としては配備計画を推進できる環境が整った」というサンケイ新聞の報道はまったく誤っている。僅差で当選し「選挙で信任を得た」と嘯く宮古島・下地市長の得票数は、投票数の3分の1でしかない。
自衛隊配備反対候補は複数出た。票割れして当選は果たせなかったものの、基地反対候候補への票総数は過半数を優に超えているので、自衛隊配備への「選挙での信任」は理屈に合わない。
私は、自衛隊配備反対の市長候補だった奥平さん同様、「配備反対」で市議補選に出た石嶺香織さんの応援で、今年1月、宮古島にいた。
奥平さんは本当に僅差で敗れたのだ。「オール沖縄」が派閥重視で奥平さん一本化に賛成しなかったことが原因だ。まとめる努力を怠った社民党はじめ野党の皆さんの責任は重いとつくづく思う。

繰り返すが、「防衛省は宮古島の部隊配備について平成28年度予算で用地取得費などで108億円を計上していたが、一部住民らの反対運動で地元調整が難航し、用地も取得できず、経費の過半を今年度に繰り越した。」とサンケイ新聞自身が報じているとおり、もともと市民の賛同は得られていないのだ。
仮に工事が強行された場合、島民の生命線である地下水の安全も保たれない。「いのちの水を守れ」という声に、配備推進派は答えていない。
「防衛省は宮古島の駐屯地用地となるゴルフ場(千代田カントリー)で測量を終えており、土地の売買契約をした後、8月に敷地造成に着手する。」と、どうしてそこに住んでいる者たちが報道で知らされなければならないのか。
宮古島市民は納得していない。

自衛隊を配備しなければ、南西諸島は標的になることはない。基地さえなければ、仮に攻撃しようとすれば、国際法で否定されるのは、攻撃する側であるからだ。逆に、移動式ミサイル等が島に置かれれば、とうぜん島全体が軍事基地=標的になる理由が生まれ、万が一の有事には住民も巻き添えになる。基地配備は、七十年にわたって保たれていたの市民の安全を、守らないのである。そして自衛隊の公式な防衛計画でも、市民の安全確保については、一切記されていない。一度占領させた上での勇ましげな「奪還作戦」ばかりが語られている。基地を置いたために攻撃されても、島の人々を守るつもりはない。「国家全体の安全」を言い募って、いま目の前にいるはずの住民の命をないがしろにする。何度でも言う。南西諸島への自衛隊配備計画は「防衛」にさえなっていない。机上の空論である。
全国が注視し、止めなければならない。

沖縄・名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事車両用ゲート前で2日、新基地建設に反対し座り込みに参加していた女性が、抗議中のもみ合いの中で転倒し、名護市内の病院に救急搬送された。女性は意識はあるものの、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、脳挫傷などのけがと診断された。集中治療室にいて、最短でも1週間の入院が必要という。
もはや基地を作りたい勢力は、なりふり構っていない。
しかし認めるわけにはいかない。この国は戦争はしない。それは憲法で決めていることだ。

Facebook「炎上」で騒がれた石嶺議員だが、そうしたことは些事である。どーんと構えていればいい、と思ってきた。いま、こうして議会に自衛隊配備反対の議員が確実にいることが大切である。誤魔化しを指摘されることを怖れて市長が石嶺との対話から逃げ惑っているのは周知の事実だ。まっすぐに南西諸島に生きる人々の安全と自由を守ることを考え、踏ん張ってもらいたい。

参院で審議中の「共謀罪」法案を巡り、同じ国連特別報告者のケナタッチ氏が懸念を示す書簡を日本政府に送付した。
そもそも国連特別報告書は、日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性に言及している。
日本政府は「不正確で不十分な内容だ」と誤魔化そうとしているが、国連特別報告者・デービッド・ケイ氏が2日、東京都内で記者会見し、5月に公表された対日調査報告書を日本政府が批判していることについて「解釈による違いはあるかもしれないが、事実に基づいている」と反論した。
国連の一員であるなら、日本政府は誠実に答える義務がある。

日本の報道には、確かに問題がある。
現政権の言い分ばかりを垂れ流している。感情的な発言をする菅官房長官や安倍首相のぶざまさを見ても何とも思わない人が増えている。感覚が麻痺させられているのだ。大切なニュース、多様な視点、少数者・弱者の主張を、きちんと扱っていない。
安倍首相の手下とも言われるジャーナリストの「レイプ疑惑」については、東京新聞のみが報じ、大新聞系はかなり遅れてやっと朝日が載せたらしい。

昨日、某大学芸術科の特別講義だった。100人以上の学生は熱心で真摯だった。彼らに尋ねたが、南西諸島への自衛隊配備計画を知っている者も、「山城博治」の名前を聞いたことがあるという者も、一人もいなかった。
報道にも問題があるが、社会全体が、現実を正しく見ようとしない、きちんと伝えようとしていない、ということもあるだろう。
少しでも正すしかない。しんどいが、あきらめてはならない。
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民主主義の破壊は限界まで来ている

2017-06-03 | Weblog
「官邸の最高レベル」文書は、正式な文書として存在していた。
「加計学園」が計画している獣医学部をめぐり、「官邸の最高レベルが言っていること」などと記された文書は文部科学省内の複数の課の少なくとも10人以上の職員にメールで複数回、送信され、今も個人のパソコンの中などに保管されていることがNHKの取材でわかったという。「本日朝の大臣レクについて概要を作成しましたので共有いたします」などと記され、文書が添付されていたという状況も明らかになっている。
「省内の共有フォルダーなどを調べた結果、確認できなかった」という文部科学省の説明は虚偽だったのだ。文部科学省の義本博司総括審議官は報道陣に対して、「現段階でお答えすることはできない」とコメントしているというが、もう誤魔化しようがない。
こうなった以上、政府は、前川喜平・前文部科学事務次官の捨て身の訴えを無視できるはずがない。
というか、「現段階でお答えすることはできない」などと、言わせっぱなしでいいのか。菅官房長官の無内容な「かわしワザ」だけのへんてこ答弁が罷り通ってしまうおかげで、日本語が破壊され、言葉が正しい意味で認識されなくなっているというのは、ブラックユーモアでさえない。悲惨だ。

選挙で選ばれた人間がやることは正しい、というのは民主主義ではない。そこを勘違いさせる方策が罷り通っている。だが、ありえないスキャンダルが続くこの政権は、さすがにもうストップさせなければおかしい。
野党は、新共謀罪を阻止する気持ちが本物なら、政府の異常さをとことん指摘し、審議拒否を貫いてとにかく国会を通過させないようにしてほしい。

翁長沖縄知事はこんな最中に安倍首相らにかりゆしウエアを贈呈しに行ったらしい。献上の構図。ありえない。昨日は辺野古で基地反対のため抗議する人たちが怪我をしたというのに。辺野古ではどんどん石が海に積まれているというのに。翁長知事は7月に基地建設阻止のために何かするとか言っているらしいが、どこまで本気なのか。沖縄の人たちの翁長知事への寛容さは、もはや私には理解できない。

「韓国人に生まれなくてよかった」という本が出ているらしい。
表現の自由というものがあるから、そういう題名をつけることも認めるしかないのだろう。
しかし、「韓国人に生まれなくてよかった」というその題名だけで、完全なヘイトであることは疑いがない。
そもそも個人であるはずの人間を、「ある集合の一員」としてのみ、個々人の特性を度外視して断定的に評価することは、どう理屈をつけても「差別」である。
誰かも書いていたが、アメリカで「黒人に生まれなくてよかった」などと発言する人がいたら、その人は社会から追放されるだろう。
人はたんに人として生まれる。ある国に生まれてとしても、「〜国人」である前に、一人の人間である。日本国憲法はそのことを大前提にしている。自国以外の「諸国民」に期待する、という発想の素晴らしさである。それを「みっともない憲法ですよ」と言っている安部首相は、民主主義というものがわかっていない。
元韓国在駐大使がこんな本を出すことじたいが日本の恥であると考えるのが本来のはずだ。

おそらく安倍首相らは「沖縄人に生まれなくてよかった」という考え方をしていない。現在の辺野古での工事強行は、「沖縄人は日本人なんだから日本のために我慢するのは当たり前」という押しつけの証左だ。差別どころではない。じっさいに暴力によって蹂躙している。沖縄のアイデンティティーを初めから抹殺しているのだ。

防衛省が米軍再編に協力する市町村を対象に交付することを決めた新たな「再編推進事業補助金」(4月17日に交付要綱が定められた)について、名護市が現状で交付対象にならない、と報道されている。交付要件の米軍再編に向けた「円滑な実施のために必要な協力を行っていると認められること」に該当しないそうだ。
この再編推進事業補助金は、米軍再編で米軍施設が移設される市町村が行う公共施設整備に補助金を出すものだ。沖縄市が米軍嘉手納弾薬庫知花地区への米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群移設の受け入れ条件としている多目的アリーナ建設などを念頭にしているという。
名護市も対象となり得るが、防衛省は名護市が米軍普天間飛行場移設に伴う辺野古新基地建設に「協力していない」として「現状はご理解いただいていない」という理由で「対象にならない」としているという。
これはただただ名護市に対する侮辱だけが目的の行為と発言だ。
もちろん名護の人たちはそんな金がほしいわけではない。しかし工事を強行することが正しいと日本政府が思っているなら、じっさいに作業は始めているのだから、金は出そうとするのが当然のはずだ。
それを名護市の人たちが拒否する、というのが、現実に基づいた構図のはずである。
そして、金をもらうことを拒否することができるなら、工事の進行そのものも拒否できるという仕組みになっていなければ、おかしい。そうではないか。
ここには民主主義が存在しない。そこに住んでいる個々人の意志が反映されないのだ。これがたいへんな間違いだということを思わない人たちが多いことに驚かされる。これは「戦争の論理」を肯定していることに等しい。国の判断で個人が抹殺されるのを容認することに繋がるのだ。民主主義の破壊は、もう限界まで来ている。そして、逆に言うならば、民主主義の破壊が戦争を肯定することだということがここまであからさまなのに、そのように思われていない現実は、悲惨であり、あまりにも愚かすぎる。

写真は与那国島の夕景。
昨年9月、猪俣哲さんのお店の近くから撮った。哲さんは最近、与那国から南島を頻繁に巡り、自衛隊配備の不毛を訴え続けている。

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沖縄・浦添市広報による「ハクソー・リッジ 映画の舞台を体感するためのガイド」

2017-06-01 | Weblog
メル・ギブソンが監督した映画『ハクソー・リッジ』がまもなく日本で公開される。予告編は、ネットでずいぶん前から流れている。
沖縄・浦添の「前田高地」での戦いをクライマックスにしているらしい。その場所が連合軍側が付けた呼び名「のこぎり崖」=「ハクソー・リッジ」なのだ。
沖縄戦に衛生兵として従軍したデズモンド・ドスという「兵器を持つことを拒否した兵士」の実話をベースにしているということで、それだけを聞く限り、非戦のメッセージが込められているのかもしれない。ただ、主人公の戦闘拒否は、宗教上の理由からということになっているようで、メル・ギブソンは10年前、宗教映画『パッション』も撮っているから、どのような扱われ方になっているかは観てみないとわからないが。

同じメル・ギブソン監督の『ブレイブハート』の撮影が行われたのはアイルランドのダブリンからバスツアーで一日で回れる位置で、十四年前にリムリックのカンパニーから振付の仕事を依頼されてダブリンに一週間滞在したとき、休日に私も行ってみた。海に囲まれた壮大な自然の半島である。
そして、浦添・前田高地も『ハクソー・リッジ』のおかげで、「映画の舞台」として、多くの人が訪れているらしい。
映画では切り立った岩肌の崖だが、今は緑の木々に覆われているという。

連合軍側から見れば「戦地」としての映画の舞台だろうが、そもそもここは普通に人々が生活を営んでいた場所である。
戦争は、住民を巻き込み、国や軍の論理で命を奪うものだ。
ここを訪れる人たちが、戦争の悲惨を思い、平和憲法を抱く国民が二度と戦争をしないという決意を新たにするなら、それは意義のあることだ。

浦添市は映画『ハクソー・リッジ』との関連で、「前田高地」のことを、市の広報で重ねて知らせている。写真や図解を駆使して、力を入れている。展示などもしているらしい。

『ハクソー・リッジ』の公開によせて
http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2017050200104/

『ハクソー・リッジ』〜作品の舞台をご案内します〜
http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2017052900033/

『ハクソー・リッジ』の向こう側 〜沖縄戦の記憶〜
http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2017052500073/

この国の右傾化・保守化、そして戦争に反対することを「左翼的」と決めつける軍国化の風潮の蔓延は度しがたく、年々、修学旅行や平和学習で沖縄を訪れることを認めなくなってきており、沖縄戦の歴史に触れる若い人たちも減ってきているという。
とりあえず映画によって沖縄戦のことが知られることじたいは、意義があると思う。

この国が「新たな共謀罪」を進めているのは、「戦争に反対する勢力」を封じ込めるようとするためである。
全てのことは繋がっている。過去はいつでも現在とともにある。

「前田高地」に至る前に、北谷に上陸した連合軍が南下し、日本軍と激しく衝突した「嘉数高台」(宜野湾市)の戦闘については、拙作『普天間』でも触れている。こちらも参照していただければと思う。
https://www.amazon.co.jp/普天間-坂手-洋二/dp/4624700961
http://rinkogun.com/Yoji_Sakate/entori/2012/5/18_Futenma.html


映画『ハクソー・リッジ』は、6月24日日本公開。


以下は、同HPにある、この映画の主人公についての既述のある「浦添市史 第五巻資料編4 戦争体験記録より抜粋」から。

日本軍の総反撃と死闘の末
 態勢を整えた日本軍は、前田守陣地を死守すべく物量に勝る米軍と死闘を展開していった。戦闘のあまりの激しさに米兵の中には発狂者も続出したといわれている。次にその戦闘状況を資料で跡づけていく。
「四月二十九日の未明から朝にかけて、日本軍は、第九六師団前線の前面にかけて総反撃にでた。午前五時十五分、第三八三連隊の第二大隊は、手榴弾や槍をもった日本軍の強襲をうけ、G中隊の一小隊などは、この戦闘で三十名から九名になってしまった。とはいえ、第三八三連隊では二回にわたる日本軍への猛反撃で、およそ二百六十五名の日本兵を倒し、またその日の午後の戦闘では、戦車隊や火炎砲装甲車を先頭に、二百名以上の日本軍をやっつけたのである。(一三四頁)
 四月二十九日に前線交替をするまでに、第三八一連隊は戦闘能力四〇パーセントに激減、損害じつに一千二十一名にのぼった。そのうち五百三十六名は、前田丘陵四日間の戦闘でなくしたものであった。また小隊の中にはわずか五名ないし六名しか残らないところもあった。兵の多くは消耗しきっていて、彼らを後方に運ぶため、丘の下でトラックが待っているにもかかわらず、そこまで兵器をもっていく気力さえ失っていた。
 第三〇七連隊が、四月二十九日浦添丘陵分水嶺に達しておどろいたことには、ニードル・ロックのてっぺんは、幅六十センチそこそこの広さしかないということだった。丘陵の南側はけずられたように急に落ち、高さは北側ほどではなかったが、日本軍が洞窟を掘り、トンネルを通したのはここである。地下壕でそれぞれの洞窟を連絡していることがわかったのはまったく偶然からで、五月二日、一台の戦車が一つの洞窟に六発の黄燐弾をうちこんだところ、十五分ほどたったころ、三十名ほどのかくれた陣地からもくもくと煙がでてきたのが目撃できたのである。
 前田丘陵に、はげしい争奪戦がくりひろげられた。いくたびか攻め、いくたびか攻められた。手榴弾は飛びかい、洞窟やタコ壺壕には弾薬がなげこまれ、夜は夜で、双方とも敵のいつくるともしれぬ夜襲におびえていた。米軍は地上軍に加えて、空からも応援をたのみ、爆弾やナパーム弾が毎日のように投下された。戦車と装甲車は南東の方面から猛烈に攻めたてたが、丘の頂はいまなお頑強な日本軍の手中にあって、兵隊の言葉をかりていえば『ありったけの地獄を一つにまとめた』ようなものであった。(一三五〜一三六頁)
 一方、第二七師団右翼のほうでは五月一日、第三〇七連隊第三大隊が仲間を攻め、そこから学校のほうにむかって進撃をつづけていった。ところがこの作戦中、日本軍の砲弾が後方の弾薬集積所に落ち、大爆発音とともに一瞬にして五名が戦死、米軍はかなりの時間、弾薬にこと欠いてしまった。二日になっても戦況は進展しなかった。3日になって、同連隊の第一大隊では手投弾戦で死闘をくりひろげたが、日本軍もまた、反対側丘腹から手投弾や機関銃弾を雨あられのようにそそいではげしく応戦し、加えて遠距離から八一ミリ砲白砲で攻撃したのである。
 それは全く地獄絵図だった。帰ってきた兵隊は『もう二度とあんなところへなんかいくもんか』と叫んだ。だが小隊長の話によると、そういった兵隊自身、五分もたつとふたたび手投弾をもって引返していって、栓をぬくが早いか、日本軍めがけて投げつけたのである。(一三六頁)
 前田高地の戦闘で、とくにめざましい働きぶりを示したのは、B中隊の衛生兵ドス一等兵。彼はセブンスデー・アドベンチスト教会の信者で、信教上銃はもたないことになっていた。そのため衛生兵に回されたわけだが、高地攻略戦中、他の兵が撃退されても彼だけは頂上にふみとどまり、何回となくロープで、負傷兵を下方に降ろし、洞窟から洞窟にとび回って、負傷者に救急手当てをほどこし、こうして日本軍の猛砲火の中を、実に多くの兵のいのちを救ったのである。彼はのちに議会名誉勲章を授けられた。
 浦添丘陵の戦闘で、米軍の損害は大きかった。三十六時間もつづいた一回の戦闘で、第三〇七連隊の第一大隊は、少なくとも八名の中隊長を失ったことがあった。また四月二十九日、八百名で丘陵を攻めたてた部隊の、戦いすんで五月七日、丘をおりるときは、三百二十四名に減っているところもあった。だがこの戦いで日本軍は推定三千の兵を失ったのである。」(一三七頁)
 この前田の戦闘では、血なまぐさい肉弾戦の末、米兵でさえ、日本軍の“バンザイ攻撃”を地でいくような行動に出たことが記録されているが、第三十二軍残務整理部資料によると、弾の尽きた日本軍の中には、石を投げつけて抵抗しようとした部隊もあったことが記録されている。
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