今日の昼は素麺を食った。
夏と言えば素麺である。しかし今日は、肌寒ささえ感じるほど異様に涼しい日であった。
しかし、かーたんが友人と会うため三茶に出かけているので、手軽に作れるものと言えば素麺ぐらいしか食うものが無い。
そこで素麺である。サミットで買った日清フーズ販売の『讃岐そうめん』というものである。これは値段が安い割にはなかなか美味い。
素麺は「索麺」とも 書く。奈良の三輪素麺、播磨の揖保乃糸などが有名で、それぞれ名産地になっている。特に揖保乃糸はオカブが会社員の新人時代、姫路に3年ほど赴任していたので馴染み深い。竜野市の近辺で生産されているようだ。
讃岐というとどちらかというと饂飩だ。素麺の名産地ではない。
夏というと素麺と書いたが、本場では夏にばかり素麺を食うものではない。冬でも食う。それに冷や素麺ばかり食うものでもない。温かい素麺の献立もある。だから素麺は俳句の夏の季語に入らない。
夏の季語に入るのは冷や麦である。では、冷や麦と素麺とどう違うかというと、冷や麦は単に細い饂飩である。粉を塩と練って細く刻めば出来上がりである。
一方素麺は、一年がかりで丹精込めて作る。粉を練って細く伸ばし、天日に干す。それを一年保存する。一梅雨越さないと食べ頃にならないと言われている。
しかし、関東地方では、ガラスの大きな鉢に入れた素麺を家族で囲んで食うのはやはり夏の風物詩だ。
薬味はおろし生姜。葱、紫蘇大葉、生姜くらいまではいいが、今は亡き叔父貴が、ニンニクを薬味にするのを好んで、家に遊びに行くとよく振舞われて、往生した思い出がある。
今年も、やがて梅雨が明けて本格的な夏がやってくる。
梅雨寒や来るはついに還暦か 素閑