かーたんと鬼怒川温泉に行ってきた。
実は、去年のちょうど同じ時期の3月末に、かーたんと行こうとしていたのだが、かーたんが大腸がんに倒れ(その時は、まだ大腸がんと判明しておらず、虚血性大腸炎と大腸ポリープの処置をしてもらっただけだが)、とにかく大病の後、抗がん剤治療に伴う不規則な食事時間や、それになによりも癌という大病を患ったことによる、かーたんの精神的なストレスは大変なものであった。
そこで一年を経て、かーたんの体調も戻ってきたところで、同じ目的地、同じ宿で再挑戦ということに相成った。
家を、朝の7時半に出て、下北沢~北千住で、東武区間快速スカイツリー会津田島行きという大変ローカルな電車に乗る。
ただ、この便は、私鉄が浅草から福島県の田島まで走るという壮大な電車なのである。
朝食を摂っていなかったので、席に座ると早速、酒盛りと弁当。
ネタは昨晩サミットで仕入れてきてある。
日本酒の五合瓶を空け、電車の中ですっかり出来上がってしまった。
まだ、春浅い、しかし暖かな日光に照らされた、長閑な田園風景が車窓を流れる。
特急列車でなど行くよりは、余程、情趣深い列車の旅である。
旅に出て利根の河原の長閑さよ 素閑
12時過ぎには、目的地の鬼怒川公園駅に着いてしまった。
宿は、歩いて5分の花の『宿松や』である。
宿のチェックインは2時である。
宿の、カフェ・ラウンジでビールとコーヒーで時間をつぶす。
この宿のコンセプトは「大正ロマン」で、竹久夢二をテーマとした調度やインテリアに溢れている。
そのうち、宿の名物女将がご挨拶に見えられ、ともに記念撮影に収まっていただくという光栄に浴した。
2時になり、仲居さんに案内されて、部屋に入り、寛ぐ。
一段落して、まずは風呂。
この宿の露天風呂は、鬼怒川の渓流を一望に見渡せる、実に気分の良い渓の湯である。
蕾かたし鬼怒見下ろして旅の湯や 素閑
宿の窓からは、残雪をいただく遠山が臨まれる。
里の宿向こうの山の残り雪 素閑
風呂から上がり、ビールなどを飲みながら、昨日の半徹夜の睡眠不足を補っているうちに、食事の時間になった。
食事は、都会風の料理だったが、大変贅を尽くした、とても食べきれないくらいの量のご馳走だった(完食したが^^)
食休みして、ゆっくりまた湯に入り、静かな宿の山の気に囲まれて熟睡した。
山の間に灯影ゆらめく春の宵 素閑