旅行から帰ってきても、まだ旅気分が抜けきらない。
旅の非日常は、心地よいが、過ぎ去ると寂しいものだ。
その心の吹っ切れなさを現して、かーたんが今晩のおかずに、こんなものを作ってくれた。
ちょっと洒落た容器に、もやしの明太子和え、 塩辛、もやしのお舐め和え、納豆とお舐め、ゆで卵、チーズ、スモークサーモン、そしてホウレン草を品よく盛り、酒の肴にも乙なように、作ってくれた。
まるで旅館か小料理屋の料理のようだ。
なんと言っても大切な、かーたんである。
こういう時に、なんという程もない料理だが、こういう憎いおかずのの演出をしてくれるのは、何十年も連れ添った、心の通い合う仲である。
弥生尽なにやら妻も老いゆくか 素閑