九月一日が暮れようとしている。
あんなにも強烈な夏の光を放った八月(今年は雨ばかりだったが)が去り、オークルに染まる秋がやってきた。
「春愁」という言葉があるが「秋愁」という言葉もあってもいいのでは、と思えてくる。いや、秋には「秋思」という言葉があるが・・・
今日は仕事は終わり。
すっかり秋めいた暮時に、虫の音を聴きながらバーボンのハイボールを傾けている。
なかなか、良いものだ。
虫の音が最高のBGMだが、この季節に聞く音楽といったらなんだろう?
「九月」がタイトルに付いた音楽でオカブの頭に浮かんだのは下の四つ。
まず『セプテンバー・ソング』。映画『旅愁』の主題歌となった。主演はキャサリン・ヘップバーンだったかな?いやジョーン・フォンテーンだったかな。もともと歌曲だったが、オカブはサックスでクール・ジャズ風にアレンジしたものが好きだ。リンクの演奏はエラ・フィッツジェラルドの歌唱によるもの。
次に、クール・ジャズの巨匠、ジョージ・シアリングによる『九月の雨』。ちょっと感傷的なこの季節をなんとなくコミカルに聴かせてくれる。日本で猪俣猛トリオが演奏したのをブルー・ノートで聞いた。
そして、ムッシュー100万ボルトのジルベール・ベコーによるシャンソン『故郷の九月』。オカブは数十年前、新作のこの曲を古賀力の歌で『銀巴里』で聞いた。
最後に出ました!左岸の女王。バルバラのシャンソン『セプテンブル』。これは最高です!オカブはこれをバルバラが亡くなる前、来日公演の厚生年金会館で聞いた。バルバラは既に老境に入り全盛期を過ぎた消え入るようなか細い声で歌っていたが、それがかえって凄みを増した。
秋になると聞きたい音楽がたくさん出てくる。
それにつれて酒も進む。
いや、いけない!取って置きの酒が足らなくなりますな。
九月来て遥かに暮るる多摩の山 素閑
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます