あけましておめでとうございます。
本年も「昼のガスパール・オカブの部屋」をよろしくお願いいたします。
昨晩は3時頃までテレビをつけていて、寝たのは4時過ぎ。まだ眠気が残っている中、寝ぼけ眼で9時過ぎに床から起き出て、家族一同新年の挨拶。まったく締りのない年の明けだ。そして恒例のお屠蘇の祝い。年の若いエルさんからの順番だ。「一滴にして!」というからたらす程度。どうもエルさんは、体質的にはアルコールに強いようだが、酒を飲むことはあまり好きではないご様子。おせち料理をつまみながら来た年賀状などを見る。さて、この例年の我が家のおせち料理、いつもと大して変わらないのだが、変わらないところがいい。塩数の子に紅白膾、八つ頭、椎茸、ごまめ、手綱こんにゃく、しみ豆腐、昆布巻き、酢ばす、たたき牛蒡、その他、関東の伝統的な我が家のおせち料理だ。雑煮は東京風鴨雑煮。昨年も書いたが、「辻留」の先代、辻嘉一翁がその著「懐石傳書」で述べられているように、伝統的なおせち料理、特に叩き牛蒡とごまめは家庭の手作りにしたいものだ。これらを食べるには歯でよく「噛む」ということがなければ、味わうことのできない美味であり、よく「噛む」ということが美味求真の根源であると言うことだ。まさに豊葦原瑞穂の国の土の匂いが漂ってきそうなご馳走だ。家での祝い事が終わって、かーたんの実家に新年のご挨拶。軽く振る舞い酒に与り、オカブだけすぐ帰った。そして日当たりの良い南向きの座敷に布団を敷いて寝正月。まったく気分の良いものだ。日ごろの疲労素が一気に抜けていく。さて、目も覚めて、御節の残りとビールで軽く夕食を済ますと、7時15分から恒例のウィーンフィル「ニューイヤー・コンサート」。今年は2008年に続いてプレートルの指揮だ。出だしの「こうもり」序曲、思わせぶりたっぷりの解釈で、ちょっとやりすぎなのでは、と思わせる。他にも表現過剰の曲があり、もうすこしオーソドックスな演奏が聞きたかった。ただ、美術史博物館でのバレーの録画は良かった。懐かしい場所が何箇所も放映された。まあ、さすがにニューイヤー。最後のラデツキーでは思わずテレビの前で拍手してしまった。こうして2010年の元旦は過ぎてゆく。
寝ぼけ目で新年の賀を申し述べ 素閑
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