昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

ミモザ

2019-02-20 16:12:56 | 俳句

プロヴァンスに行きたい。
夏に行きたい。
観光地ではなく、誰も行かない田舎に行きたい。
輝く太陽、碧色の空、しじまを破る噴水の音。
そんな中で夢と現の中を行きつ戻りつして無聊に身を任せたい。
贅沢な望みである。
多くの日本の文人が古来より南仏プロヴァンスに憧れたが、まさに、その西欧にあっての異国性。何と言っていいのか分からないが、西欧に在って西欧ではないエキゾチシズムが人を惹きつける。
豊かな風物。しかしそれはパリのような整然とした西欧の都会の文化ではない。
十字軍の昔から異文化との接点を持った、ある種雑然とした環境である。
太陽に照らされたプロヴァンス。
魅力的である。

日曜のミモザの咲ける垣の家   素閑

祝祷に散じる人やミモザ咲く   素閑

あざやけくミモザの如き胡姫みたり   素閑

寡婦の弾くショパンの雫ミモザ咲く   素閑

空鈍くミモザの微風染むる街   素閑

羅漢たちミモザの陰でほの笑ひ   素閑

ミモザ咲く神宮の路煉瓦塀   素閑

ミモザ咲く風に笑うは娘たち   素閑

花ミモザモンマルトルの石段や   素閑

おくれ毛をただなでる風花ミモザ   素閑

硝子窓ミモザの咲くを午後の茶に   素閑


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