これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

6月に生まれた男の宿命

2024年06月16日 16時44分01秒 | エッセイ

 今日は父の日。そして夫の誕生日でもある。

「一度に済むと楽ね! 6月生まれの男はありたがいわ」

 毎年、父の日兼誕生日祝いで片づけられ、当事者はどう思っているのか、あえて追求しないことにする。

 せっかくだから寿司でもとりたいところだが、美味しいお店はとうになくなってしまい、何年も前から我が家は寿司難民となっている。かといって、食べに出るのも面倒だ。

 スーパーに行ったら、ウニがあった。

「てことは、ウニ丼と牛ヒレステーキでいいか」

 この暑さでは、ケーキを買うのも厳しい。

「ヨーグルトティラミスを作ればいいんじゃない。プレートをつければそれらしくなるし」

 名前は「パパ」にすれば描くのも簡単。さらに楽して祝うに限る。

 我が家はこれでオーケーだが、関係する男はもう一人いる。私の父だ。父もまた6月生まれなので、常にお祝いをまとめられてきた。これまで特に疑問を感じていないところが父らしい。

「そういえば、面白いと思って買い置きしたバースデーカードがあったっけ」

 罪滅ぼしというわけでもないけれど、カードぐらいは豪華にしてあげよう。先週末に、お菓子や日用品と一緒に父のもとへ宅配便で送った。

 本日、予定通り荷物が到着したと、母から連絡を受けた。

「いろいろもらってありがとうね。ハーバーも入っていて楽しみ」

 母はありあけのハーバーが好きなので、父用の荷物であっても、なるべくプラスするようにしている。菓子だけでなくカセットコーヒー、調味料、乾麺なども喜ぶ。最近では、そちらの方が多いくらいだ。

「バースデーカードは音が出るんだね。お父さん、無表情で何回もボタンを押してるよ」

 ベートーベンらしく、バースデーソングは運命の「ジャジャジャジャーン」から始まり、違和感なしにハッピーバースデーに変わって、「おめでとうございま~す!」で終わる。時間があればお耳を拝借したい。

 今年で86歳を迎え、ときどきボケが入ってきた父。無表情なのは「こんな歌だったかな」などと考えているからかもしれない。刺激になるなら、これからも曲の入ったカードを送ってみよう。

 すぐに電池がなくなっちゃったりして……。

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コメント (6)
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