これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

コーヒーブレイク

2020年12月27日 21時56分09秒 | エッセイ
 コーヒーミルが壊れた。
「そりゃ、40年も使ったんだから寿命だよね。新しいの買おう」
 というわけで、わが家にやってきた二代目がこれ。



 同じカリタ製だから、初代と見た目もよく似ている。



 古いミルは、粉のたまる引き出しが小さかったので、「いーち、にーい、さーん……」とハンドルを回す回数を数え、50回になったらドリッパーに移していた。あんばいを知らず、何度もあふれさせたことを思い出す。



 新しいミルは、かなりの量が入る。



 いちいち、50まで数えなくてすむのはありがたい。



 美味しいコーヒーをいれるには、ドリップポットが不可欠だ。



 濃いめが好きな私は、少量の湯で30秒ほど蒸らし、残りの湯をドリッパーにじっくりと注ぎ込む。以前は、ポットからジャバジャバと無造作に湯を注いでいた。このポットにしてから、同じ豆でも味が格段によくなると気づき、得した気分になった。
 一番のひいきはマンデリンフレンチか。苦みと甘みが同居しているタイプが好きだ。



 あいにく、この日は、クッキーやチョコレートがなかった。なんと、お汁粉がおやつ……。



 コーヒー向きとは言い難く、邪道と非難を浴びそうな気がした。美味しかったけど。
 クリスマスが終わると、年の瀬がやってくる。今年度は臨時休業があったため、3学期の始業式が1月4日となり、冬休みが短い。年末を大掃除で終えるのは悲しいから、この土日で片づけることにした。
「えーと、窓ふきにカーテンの洗濯、蛍光灯の傘を洗って、出窓の片づけもしちゃおうっと」
 我ながら、かなり頑張ったと思う。労働のご褒美に、アップルケーキを焼くことにした。
「ああ、いい匂い。だいぶ膨らんできたぁ~」
 でき上がったのがこれだ。



 型から出して切り、アツアツをいただくことにした。



 外側はカリッと焦げ目がついているが、内側はふわふわで湯気が立つ。でき立てが味わえるのは、手作りならではだろう。
 ケーキのお供はもちろんコーヒーだ。酸味と甘みの主役であるリンゴとの相性がよく、とても一杯では足りない。おかわりも飲み干し、満足した。
「ああ、3切れも食べちゃった。よーし、ガスレンジと換気扇も掃除して、カロリー消費しなくちゃ」
 こうして、2020年は暮れていく。
 新年を迎える前に、コーヒー片手に、今年を振り返りたい。


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2020 今年の漢字

2020年12月20日 22時13分03秒 | エッセイ
 12月14日に発表された今年の漢字は「密」であった。
 やはり、コロナ禍を反映したものになったか。振り返ってみると、年明け早々の1月は海外のニュースとしてとらえていたが、2月上旬にクルーズ船内での感染が報道されて以来、急速にウイルスが接近してきた気がする。3月には私の職場にもテレワークが導入されたし、手洗い・マスクの励行、体調の悪い人は職場に来ないなど、感染防止に明け暮れた一年となってしまった。
 そんな2020年にふさわしい、今年の漢字を考えてみる。
「そうねぇ、『家』かな」
 今年は本当に出かけなかった。ジムをやめ、美術館や観光地にも行かず、土日はひたすら自宅で料理や映画、自己啓発に励む。家族旅行も外食も一切なしだ。外食産業や旅行業の方には悪いけれど、万一、感染したら職場や家族に申し訳ないから、できるだけウイルスに近づきたくなかった。
 家の中でも、タオルやコップを共有しない、室内の換気を行う、部屋の中では距離をとるなどに気をつけて、せっせと感染防止をしているのだから、自分でも真面目だと思う。
 わが家は決して広くないし、片づいてもいないのだけど、居心地は抜群だ。使い慣れた家電は働き者で、私の代わりに洗濯をし、ゴミを吸い取り部屋をクリーンにしてくれる。スイッチひとつでエアコンが稼働し、夏は涼しく冬は暖かく迎えてくれる。加湿だってバッチリだ。家事の合間、気分転換にいれるコーヒーはマンデリンフレンチ。苦みの中にも甘味があり、チョコレートやバニラアイスと一緒にいただくことが多い。
 手の届く場所に本があり、誰かとつながりたいときはパソコンを立ち上げる。眠くなったらフカフカの布団でウトウトし、旅行の夢を見るのも悪くない。ときどき、持ち帰り仕事もするけれど、職場よりも効率よく進み、終わったときの達成感は格別だ。
 今日のランチはピザにした。オーブンが35度をキープし、生地を発酵してくれるから、粉を混ぜて丸めれば待つだけでいい。あとは、手作りピザソースを塗ってトッピングを載せ、250度で焼くだけ。外はカリッ、中はフワッのピザができた。



 ……お好み焼きに見えないこともないけど、これでもピザなんです、ピザ。
 ああ、家はいいなぁ。
 with コロナはまだまだ続きそう。
 もっと我が家と仲良くしなきゃ。


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クリスマスカードの使い道

2020年12月13日 21時23分06秒 | エッセイ
 今年は両親をはじめ、親族と一緒に祝うクリスマス会がない。新年会もない。
 コロナ感染者数が増えている昨今では、やむを得ないと思う。
「あ~あ、クリスマスらしいこと、したいなぁ」
 今年は義母が亡くなり喪中だが、クリスマスには関係ない。ひとまず、職場の机に小さなツリーを飾った。その日に限って職員が倒れ、救急搬送されたり、教員の言動に不満を持った保護者が面談を求めてきたり、というイレギュラーなこともあったけれど、たまたまであろう。
「おっ、クリスマスカードだって。いいねぇ」
 得意の生協カタログから商品を選んだ。



 両親に送るにはちょうどいい。
「赤と緑、どっちがいいかな」
 実のところ、1つあれば十分なのだが、このカタログでは2つでワンセットになっていたので、強制的に両方買う破目になる。
「赤にしよう」



 メッセージを書く欄が小さいと、もらう方は物足りないかもしれないが、送る方は楽だ。チャチャッと仕上げて封筒に入れる。あとは、コーヒーや日持ちのするクロワッサン、お菓子などを箱詰めして、一番上に封筒を載せる。ガムテープで封をし、宅配便で送れば、翌日には両親の家に届く。
 何とお手軽な時代になったことか。
 さて、緑のカードはどうしたものか。
「よし、開いてみよう」



 ちゃんと、立体的なツリーになるのだ。さすがに、折り目をつけたカードを他人様に送るのは憚られるので、これは我が家のインテリアに。ただし、紙なので風圧に弱い。デブっちょの夫が、体積にものを言わせて突進してくると、つむじ風が舞って倒れそうだ。
「食卓に飾ろうかな」
 これは正解。風に煽られることもなく、ツリーは静かに食事風景を見守ってくれる。
 クリスマスイブまであと10日間。
 醤油やマヨネーズを飛ばさないようにして、素敵なおうちクリスマスにしなきゃ。


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読売新聞「きょうのひと皿」

2020年12月06日 21時18分57秒 | エッセイ
 読売新聞朝刊の「きょうのひと皿」という料理記事にハマっている。
 失敗が少なく、口当たりのよい料理をセレクトしていると見え、なんちゃって主婦の私にも上手にできる上、家族から「美味しい!」と褒めてもらえるところがうれしい。気に入った記事のときは、すぐにハサミを持ってきて、チョキチョキと切り取る。
「ああっ、まだ読んでいなかったのに!」と夫に泣かれた日もあった……。失礼。
 たとえば、こんな料理が載っている。



「卵のクリームスフレ」
 書いてある通りにやってみると、できたできた。



 ふわっ、サクッとしていて、いくらでも食べられそうだ。
 コロナ禍のステイホームでは、かなり頼りにしていたので、切り抜きがこんなにたまってしまった。



「整理して見やすくしたいなぁ。ファイルでも買うか」
 細い切り抜きは、A4・3ポケットに、太めの切り抜きは2ポケットに収納しようと思い、ヨドバシで注文した。



 ひいきはリングファイルだ。入れ替えや取り出しが簡単なところがいい。



 整理ついでに、生協のカタログに載っていたレシピ、料理雑誌の切り抜きなども収納する。
 完成したのがこれだ。



 一覧できるようになると、「こんな料理もあったんだ」と思い出し、やる気もわいてくる。
 新聞社の方には、こういう読者もいると知っていただき、今後も引き続き幅広い料理情報をお願いしたい。
 今度、挑戦したいのはこれだ。



 アップルケーキ。
 焼き立てのアツアツを、家族にも食べてもらおうっと。


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