武蔵野三十三観音巡りにハマっている。
といっても、訪問したのはたったの3つ。これから頑張るのだ。
最初に訪問したのは徒歩でも行かれる長命寺であった。
秩父の霊場巡りでは、僧侶でもあった当時の同僚が案内してくれたが、今回は一人である。忘れ物のないように身支度しているつもりでも、あれがない、これがないと引き返してばかりいる。
「あっ、お数珠がない」
「輪袈裟(わげさ)を忘れた」
意外に忘れないのが御朱印帳とお線香。
最新の御朱印は練馬区の三宝寺だ。お寺ひとつにつき、お賽銭の小銭と、御朱印代の300円程度の出費だから、安上がりな趣味といえるだろう。
このルートのお寺で困ったことがひとつある。
「あれえ、納経箱がないや」
秩父のお寺だと、観音堂の前に写経を納める箱があった。無人なので、私のヘタクソな般若心経も気兼ねなく納めることができたのだが、武蔵野観音のお寺では、御朱印をいただくときに「これもお願いします」と手渡すことになっているらしい。
しかも、今、私が書いている紙は写経用紙ではなく書き初め用紙を半分に切った、実にチープな紙切れである。「承ります」と言われて、何とも貧乏くさく汚い字のお経を差し出すのは、かなり恥ずかしかった。
「やっぱり、ちゃんとした用紙を買おう」
たまたま、池袋に行く用事があり、ロフトで探すことにした。
「すみません、写経用紙はどこですか」
「ご案内します」
蔦屋書店にはなかったが、ロフトにはあった。しかも4種類。どれにしようか迷ったが、お手本のないものがひとつだけあったので、それにした。実は、お手本がたくさんたまってしまい、捨てるに捨てられず難儀している。
クラフト調のシンプルな用紙で、なかなかいい感じである。
30枚ほど入ってるようだが、2300円はちと高い。でもまあ、手渡すことを想像すると、書き初め用紙の切れっぱしというわけにもいかず、「まあいいや」と割り切った。
「そうだ、筆もあるかな」
スーパーで買った筆は、写経用ではないただの小筆である。そろそろダメになりそうなので、ついでに新しいものを探してみた。
あったけど……あったけど。
こちらには3300円の値札がついていた。
「うーん、どうしようかな。小筆だったらスーパーで500円以内だよ」
弘法筆を選ばずとは言うものの、凡人は筆に左右される。「もしや、すごく上手に書ける筆かもしれない」との錯覚を起こし、清水の舞台から飛び降りる気持ちでレジに向かった。これで、次のお寺からはドヤ顔で納経できるかもしれない。
レシートを見て正気に返った。
観音巡りは安上がりな趣味じゃなかったっけ……。
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
といっても、訪問したのはたったの3つ。これから頑張るのだ。
最初に訪問したのは徒歩でも行かれる長命寺であった。
秩父の霊場巡りでは、僧侶でもあった当時の同僚が案内してくれたが、今回は一人である。忘れ物のないように身支度しているつもりでも、あれがない、これがないと引き返してばかりいる。
「あっ、お数珠がない」
「輪袈裟(わげさ)を忘れた」
意外に忘れないのが御朱印帳とお線香。
最新の御朱印は練馬区の三宝寺だ。お寺ひとつにつき、お賽銭の小銭と、御朱印代の300円程度の出費だから、安上がりな趣味といえるだろう。
このルートのお寺で困ったことがひとつある。
「あれえ、納経箱がないや」
秩父のお寺だと、観音堂の前に写経を納める箱があった。無人なので、私のヘタクソな般若心経も気兼ねなく納めることができたのだが、武蔵野観音のお寺では、御朱印をいただくときに「これもお願いします」と手渡すことになっているらしい。
しかも、今、私が書いている紙は写経用紙ではなく書き初め用紙を半分に切った、実にチープな紙切れである。「承ります」と言われて、何とも貧乏くさく汚い字のお経を差し出すのは、かなり恥ずかしかった。
「やっぱり、ちゃんとした用紙を買おう」
たまたま、池袋に行く用事があり、ロフトで探すことにした。
「すみません、写経用紙はどこですか」
「ご案内します」
蔦屋書店にはなかったが、ロフトにはあった。しかも4種類。どれにしようか迷ったが、お手本のないものがひとつだけあったので、それにした。実は、お手本がたくさんたまってしまい、捨てるに捨てられず難儀している。
クラフト調のシンプルな用紙で、なかなかいい感じである。
30枚ほど入ってるようだが、2300円はちと高い。でもまあ、手渡すことを想像すると、書き初め用紙の切れっぱしというわけにもいかず、「まあいいや」と割り切った。
「そうだ、筆もあるかな」
スーパーで買った筆は、写経用ではないただの小筆である。そろそろダメになりそうなので、ついでに新しいものを探してみた。
あったけど……あったけど。
こちらには3300円の値札がついていた。
「うーん、どうしようかな。小筆だったらスーパーで500円以内だよ」
弘法筆を選ばずとは言うものの、凡人は筆に左右される。「もしや、すごく上手に書ける筆かもしれない」との錯覚を起こし、清水の舞台から飛び降りる気持ちでレジに向かった。これで、次のお寺からはドヤ顔で納経できるかもしれない。
レシートを見て正気に返った。
観音巡りは安上がりな趣味じゃなかったっけ……。
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