同僚の栗本さんに案内してもらう秩父巡礼が、いよいよ佳境に入っている。
「次で最後です。16番から23番まで一気に回ってしまいましょう」
「はーい」
「いつがいいですか」
「じゃあ、10月1日、都民の日なんてどうですか」
「構いませんよ」
というやりとりをして日程を決めたのだが、どうも具合が悪いらしい。
「笹木さん、10月1日の件ですが、風水を見たらよくないんです」
「えっ」
「9月30日の方がいいですね。日程を変更しても大丈夫ですか」
「大丈夫でーす」
などと答えていたのだが、台風24号が来るとあっては事情が変わる。
「ミキは行きたくないな。次の日は内定式だし」
同行するはずの娘の裏切りにもあい、ひとまず栗本さんに相談しようと話しかけた。
「台風? 問題ないですよ。山じゃありませんから」
「でも、電車が止まったら帰れなくなりますよ」
「風水で『この日』と出ていますし、迷いはありません」
「そうですか。どうしようかなぁ」
栗本さんに迷いはなくても、私は迷っていた。天気予報を見る限り、外出に最適な日とは到底考えられない。家族だって心配するではないか。別に、30日にこだわらなくてもいいと思うのだが。
「じゃあ、やめときましょうか」
「え」
栗本さんが私の心を見透かすように言った。
「笹木さんは今、体調がよくないでしょう。無理しない方がいいかもしれませんね」
「はあ」
「一週間ずらして、7日にしませんか」
そんなわけで、めでたく日程変更となり、正直いってホッとした。
そして迎えた今日。朝から土砂降りと思っていたのに、空は明るかった。雨は上がっている。洗濯物を外に出し、買い物に出かけるときには日が差してきた。
「うそ~、降ってない?」
予定を変更したことを後悔していたら、午後からはだんだん暗くなってきた。洗濯物を取り込み、夕食の仕込みをしていると、15時ごろには盛大な音を立てて大粒の雨が屋根を叩き始めた。
「やっぱりね。さ、ジムの準備しようっと」
このまま、台風接近まで本降りが続くのだろうか。傘を差していても濡れるほどの雨なら、山用のレインウエアが必要だろう。
さらに、防水のショートブーツを履けば完璧だ。強風や雷がなければ、歩いてジムまで往復するくらい、どうってことはない。大きな傘を持ち、胸を張って家を出る。すると、すでに雨は小降りになっていた。
「なんだ、単なる通り雨?」
完全武装したというのに、傘を差さなくてもいいかな~という程度の小雨ではガッカリする。
「でもまあ、帰りも不安だし、これくらい着込んでおいたほうが安心だよね」
自分に言い聞かせるように、無理やり納得する。しかし、スカッシュを終えて17時ごろにジムを出たら、雨はすっかり上がっていた。
「は? やんでるじゃん……」
うーん、栗本さんが予想した通り、秩父には問題なく行かれたみたい。悪いことをしたと反省する。しかも、帰り道々、レインウェアがサウナスーツと化して暑かった。はあはあ。
20時からはJRの首都圏各線が運転見合わせとなったけれど、日中はさほど気にせずともよかったようだ。天気を当てるのは難しい。
台風情報を見ていたら、「明日10月1日の東京都心の最高気温は34度」と報道されていた。うへ~。
だから、風水的には10月1日よりも9月30日となったわけか。
ものになるか自信ないけど、私も風水、勉強しようかな。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「次で最後です。16番から23番まで一気に回ってしまいましょう」
「はーい」
「いつがいいですか」
「じゃあ、10月1日、都民の日なんてどうですか」
「構いませんよ」
というやりとりをして日程を決めたのだが、どうも具合が悪いらしい。
「笹木さん、10月1日の件ですが、風水を見たらよくないんです」
「えっ」
「9月30日の方がいいですね。日程を変更しても大丈夫ですか」
「大丈夫でーす」
などと答えていたのだが、台風24号が来るとあっては事情が変わる。
「ミキは行きたくないな。次の日は内定式だし」
同行するはずの娘の裏切りにもあい、ひとまず栗本さんに相談しようと話しかけた。
「台風? 問題ないですよ。山じゃありませんから」
「でも、電車が止まったら帰れなくなりますよ」
「風水で『この日』と出ていますし、迷いはありません」
「そうですか。どうしようかなぁ」
栗本さんに迷いはなくても、私は迷っていた。天気予報を見る限り、外出に最適な日とは到底考えられない。家族だって心配するではないか。別に、30日にこだわらなくてもいいと思うのだが。
「じゃあ、やめときましょうか」
「え」
栗本さんが私の心を見透かすように言った。
「笹木さんは今、体調がよくないでしょう。無理しない方がいいかもしれませんね」
「はあ」
「一週間ずらして、7日にしませんか」
そんなわけで、めでたく日程変更となり、正直いってホッとした。
そして迎えた今日。朝から土砂降りと思っていたのに、空は明るかった。雨は上がっている。洗濯物を外に出し、買い物に出かけるときには日が差してきた。
「うそ~、降ってない?」
予定を変更したことを後悔していたら、午後からはだんだん暗くなってきた。洗濯物を取り込み、夕食の仕込みをしていると、15時ごろには盛大な音を立てて大粒の雨が屋根を叩き始めた。
「やっぱりね。さ、ジムの準備しようっと」
このまま、台風接近まで本降りが続くのだろうか。傘を差していても濡れるほどの雨なら、山用のレインウエアが必要だろう。
さらに、防水のショートブーツを履けば完璧だ。強風や雷がなければ、歩いてジムまで往復するくらい、どうってことはない。大きな傘を持ち、胸を張って家を出る。すると、すでに雨は小降りになっていた。
「なんだ、単なる通り雨?」
完全武装したというのに、傘を差さなくてもいいかな~という程度の小雨ではガッカリする。
「でもまあ、帰りも不安だし、これくらい着込んでおいたほうが安心だよね」
自分に言い聞かせるように、無理やり納得する。しかし、スカッシュを終えて17時ごろにジムを出たら、雨はすっかり上がっていた。
「は? やんでるじゃん……」
うーん、栗本さんが予想した通り、秩父には問題なく行かれたみたい。悪いことをしたと反省する。しかも、帰り道々、レインウェアがサウナスーツと化して暑かった。はあはあ。
20時からはJRの首都圏各線が運転見合わせとなったけれど、日中はさほど気にせずともよかったようだ。天気を当てるのは難しい。
台風情報を見ていたら、「明日10月1日の東京都心の最高気温は34度」と報道されていた。うへ~。
だから、風水的には10月1日よりも9月30日となったわけか。
ものになるか自信ないけど、私も風水、勉強しようかな。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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