姉と「新工場夜景ジャングルクルーズ」という船に乗った。
予想通り、周りはカップルや夫婦、家族連れなどでにぎやかだ。
「つき合わせちゃって悪いわね。友達いないから、一人で乗るのも淋しくてさ~」
ちらりと姉の顔色をうかがうと、迷惑そうな様子ではない。
「船は好きなのよ。水曜日は屋形船に乗ったしね。アタシも友達いないから、ちょうどよかったわ」
「あはは」
「ははは」
しょうもない姉妹である。前にいた老夫婦が、笑いをこらえているような気がした。
横浜を18:30に出航するこの船は、けっこう小さい。

雨の心配もなかったので、迷わず2階デッキに向かう。
景色は抜群だが、風が強くて寒いから、長袖は必需品だ。

今回は、夜景モードでの撮影練習も兼ねている。明るいうちに、カメラの状態を再チェックした。
「それでは出航いたします」
早速、遠ざかる横浜の街並みを撮影してみた。

水平に撮ったつもりなのに、これは右に傾いでいる。

もう一枚。
今度は左だ……。船からの撮影は初めてだが、思った以上に難しい。
さらに、小型船だから揺れて手ブレが激しい。スポーツをしている人を撮影するには、シャッタースピードを高く、滝などの静止画を取る場合にはシャッタースピードを低くすると教わったが、撮影する人が動いている場合はどうしたらいいのだろう。
考えても仕方ない。暗くて設定変更もできないし、さあ、チャレンジチャレンジ。
まずは、ベイブリッジ。

係員のお姉さんが、「右手にありますのは……」「左手をご覧ください」と説明してくれるのだが、カメラを抱えていてはメモも取れず、スポットの名称はほとんどおぼえていない。
「みなさま。工場夜景を楽しむには、想像力が必要です。あの建物は〇〇に似ているなどと想像して、ご自分で名前をつけてみてください」
ほほう。
では、直感で、ひらめいた名前を挙げてみよう。

ツナ缶。
ちなみに、ここにはオレンジのライトが照らされている。これは、危険物が貯蔵されている意味らしい。

AKIRAワールド。

パイプ王国。

飛び込み台。

釣り人。

足。

夫婦。
うーん、想像力の貧困さが暴露されるネーミングばかりだ……。
唯一、名前をおぼえた工場もある。
「お待たせしました。ここが一番人気の、昭和電工です」

かつて、「風雲たけし城」というテレビ番組があったが、ここはまさにお城である。形といい、煙のたなびき方といい、ゆるぎない貫禄が漂っていた。
「素敵ねぇ」
「うん」
姉もうっとりと眺めている。工場という無機質な建物が、どうしてこんなに美しいのか、教えてもらいたいくらいだ。
このあとは、来た道を戻るだけだが、暗くなった分、行きより華やいで見える。

プラレール。

クジラ。
そして、横浜の夜景が、くっきり映ったところで下船となった。

「よかったね」
「キレイだった」
船酔いする人には勧められないが、一風変わった写真を撮るにはいい。
翌日、画像をパソコンで確認した。全部で205枚撮影したが、鮮明に写っているのは、ほんの30枚ほどだ。残りの175枚は、とても人様にお見せできるような出来ではない。
ウソ~~~~!!!!
ガッカリして、座り込んでしまいそうなくらいだった。
激しい揺れにも対応できるような、「船上モード」はないのかな……。

↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
予想通り、周りはカップルや夫婦、家族連れなどでにぎやかだ。
「つき合わせちゃって悪いわね。友達いないから、一人で乗るのも淋しくてさ~」
ちらりと姉の顔色をうかがうと、迷惑そうな様子ではない。
「船は好きなのよ。水曜日は屋形船に乗ったしね。アタシも友達いないから、ちょうどよかったわ」
「あはは」
「ははは」
しょうもない姉妹である。前にいた老夫婦が、笑いをこらえているような気がした。
横浜を18:30に出航するこの船は、けっこう小さい。

雨の心配もなかったので、迷わず2階デッキに向かう。
景色は抜群だが、風が強くて寒いから、長袖は必需品だ。

今回は、夜景モードでの撮影練習も兼ねている。明るいうちに、カメラの状態を再チェックした。
「それでは出航いたします」
早速、遠ざかる横浜の街並みを撮影してみた。

水平に撮ったつもりなのに、これは右に傾いでいる。

もう一枚。
今度は左だ……。船からの撮影は初めてだが、思った以上に難しい。
さらに、小型船だから揺れて手ブレが激しい。スポーツをしている人を撮影するには、シャッタースピードを高く、滝などの静止画を取る場合にはシャッタースピードを低くすると教わったが、撮影する人が動いている場合はどうしたらいいのだろう。
考えても仕方ない。暗くて設定変更もできないし、さあ、チャレンジチャレンジ。
まずは、ベイブリッジ。

係員のお姉さんが、「右手にありますのは……」「左手をご覧ください」と説明してくれるのだが、カメラを抱えていてはメモも取れず、スポットの名称はほとんどおぼえていない。
「みなさま。工場夜景を楽しむには、想像力が必要です。あの建物は〇〇に似ているなどと想像して、ご自分で名前をつけてみてください」
ほほう。
では、直感で、ひらめいた名前を挙げてみよう。

ツナ缶。
ちなみに、ここにはオレンジのライトが照らされている。これは、危険物が貯蔵されている意味らしい。

AKIRAワールド。

パイプ王国。

飛び込み台。

釣り人。

足。

夫婦。
うーん、想像力の貧困さが暴露されるネーミングばかりだ……。
唯一、名前をおぼえた工場もある。
「お待たせしました。ここが一番人気の、昭和電工です」

かつて、「風雲たけし城」というテレビ番組があったが、ここはまさにお城である。形といい、煙のたなびき方といい、ゆるぎない貫禄が漂っていた。
「素敵ねぇ」
「うん」
姉もうっとりと眺めている。工場という無機質な建物が、どうしてこんなに美しいのか、教えてもらいたいくらいだ。
このあとは、来た道を戻るだけだが、暗くなった分、行きより華やいで見える。

プラレール。

クジラ。
そして、横浜の夜景が、くっきり映ったところで下船となった。

「よかったね」
「キレイだった」
船酔いする人には勧められないが、一風変わった写真を撮るにはいい。
翌日、画像をパソコンで確認した。全部で205枚撮影したが、鮮明に写っているのは、ほんの30枚ほどだ。残りの175枚は、とても人様にお見せできるような出来ではない。
ウソ~~~~!!!!
ガッカリして、座り込んでしまいそうなくらいだった。
激しい揺れにも対応できるような、「船上モード」はないのかな……。

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