これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

北京豆知識

2023年10月29日 17時22分55秒 | エッセイ
 中国は、近くにあるのに遠い国のひとつだ。
 でも、知人が何度か行き来しているので、話を聞いたら印象が変わった。
「今回はね、北京に行きました。時差は1時間ですよ」
 日本が午後6時だったら、北京は午後5時らしい。ヨーロッパやアメリカと違って、まさに隣国との印象を受けた。
「東京にいるのと同じように、快適に過ごせます。お店はほぼ同じですし。街並みの写真を見ますか」
 たしかに、衣料品もファストフードもブランド品も、たくさん揃っているようだ。
「あれ……」
 気になったのはこの写真である。



「スターバックスは絵でわかりますが、星野珈琲もあるんですか」
「いえいえ、星巴克珈琲というのがスターバックスなんです。当て字ですね」
「なるほど」
 勘違いして、スフレパンケーキを探す人がいるかもしれない。私などは特に危ない。
「代金は日本よりちょっと高いかもしれません。あちらは現金が使えない店が多いので、アリペイを入れました」



 ここで混乱した。
「33円? どうなっているんですか」
「人民元も¥で表示されるんですよ。1元が120円なので、660円ぐらいですね」
「えええ」
 いやあ、知らないことが多いと実感する。おみやげに、パンダとお菓子をいただいた。



「どれどれ、お菓子を食べてみよう」



 見た目からして美しいが、中身は何だろう。実は、ロウソクだったりして……。
「えーと、パッケージの漢字を検索してみようかな」



 どうも、チョコレートケーキの一種らしい。たしかに、中はこんな感じになっていた。



 甘さ控えめで、なかなか美味しい。2個入りだったので、残りは夫にあげたら、素直に食べていた。中国のお土産をいただくのは初めてかもしれない。
 スモッグがひどいとか、お腹を壊すなどという話も聞くが、「そんなことなかった」という声もある。万里の長城も一度は見たいし、旅行先の候補に入れていいかも……。
 中国が、にわかに近くに感じられてきた。
 我ながら単純!

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レディに一目惚れ

2023年10月22日 17時45分58秒 | エッセイ
 誕生日が近づいてくると、家族が気をつかって尋ねてくる。
「ケーキは何がいいの。前に欲しいのがあるって言ってたじゃない」
 そうそう。アトリエアニバーサリーのフェミニンなデコレーションで祝ってほしいと思っていたのだっけ。すかさず、ホームページを検索してみた。
「これがいい」



「こっちでもいい」



「どこで売ってるの?」
「池袋か新宿三丁目だね」
 答えながら、通勤定期を持っているのは私だけなので、自分で買うべきではないかと思った。なんか違う気もしたが、好きなケーキが選べるのだから「まあいいか」である。
 ケーキを買うには、日が暮れる前に職場を出なければならない。いつもより早く退勤した。池袋より新宿伊勢丹が近いので、まずはここから攻めたら、すぐにレディのケーキに出会えた。
「スイートレディホワイトをください」
「プレートをおつけしますか」
「はい」
 自分の誕生日とはいえ、「お誕生日おめでとう 砂希ちゃん」などとは頼みづらい。さすがに痛すぎる。無難に「ハッピーバースデー ママ」にした。
「買えた、買えた♪」
 帰宅するや否や冷蔵庫に入れる。クリームが溶けたら悲惨なことになりそうだ。真夏じゃなくてよかった。
 夕食の寿司をいただき、いよいよケーキが登場する。



「わあ、可愛い」
 よく見ると、HPとはドレスの柄が違うが、ウロコのようなデザインもまた素敵だ。
 後ろはこんな感じ。



 横からは……あまり見ない方がいいかもしれない。



「ロウソクをもらったからつけてみよう」
 クジャクの羽のように差してみたが、家族からは不評だった。
「何か千手観音みたいじゃない?」
 うん、まあ、そう言われればそうかも。



「ハッピバースデートゥユー」
 バースデーソングを歌ってもらい、ロウソクを吹き消す。誰かに祝ってもらえることが嬉しい。
 いよいよレディにナイフを入れるときがやってきた。胴体を抜かないと、うまく切れそうもない。3人で分けるにはちょっと大きいので、2日がかりで食べればよいかもしれない。



 カステラはフワフワ、クリームも軽くて、サクサク切れる。
 断面はこんな感じ。ドレスの中にもイチゴがあって、満足感が大きい。



 背が高いので、カットしたあとは寝かせた方が安心だ。



「いただきまーす! 美味しいね」
「うんうん、イケる」
 あっという間に食べてしまい、残りの半分に目が行った。
「全部食べちゃおうよ」
「そうだね」
 さすがにお腹いっぱいになったが、美味しいうちにいただけたのは正解だった。
 食後、ダラダラとネットサーフィンをしているときに思いつく。
「そうだ、Facebookにケーキをアップしよう」
 お祝いメッセージを寄せてくれた友人もいたので、お礼とともにレディを紹介したら、反応がすごかった。
「可愛い!」
「キレイなケーキですね」
 小学生のお嬢さんがいる友人からは「娘が誕生日のケーキをこれにして、って言ってます」なんてコメントも書き込まれ、レディは大人気である。
 ドレスがピンクのレディもいますからね。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

英文メールを書いてみた

2023年10月15日 20時56分45秒 | エッセイ
 勤務先の高校で、留学を希望する生徒からの申請書を受け取った。
「なになに、ニュージーランドか」
 留学の条件は、受け入れ先の学校が正規の高等学校であることが必須となっている。日本にある大使館に電話をすれば教えてもらえるので、ニュージーランド大使館を調べてみた。
「え? 直接、現地に掛けてくださいってどういうこと?」
 HPを見たら、日本ではなく、ニュージーランドの電話番号が載っていた。貧乏な公立校には無理だ。
「おっ、メールアドレスもあるじゃん」
 すかさずメールを送ってみる。日本語で、受け入れ校が正規の高等学校に相当するかを尋ねたのだが、どうもこの手の質問には対応していないらしい。
「ご自身で問い合わせされてはどうですか。当該校のアドレスはこちらです」
 そんな回答が返ってきたので、初の英文メールにチャレンジすることになった。
 まず、頼りにするのはパソコンが得意な職員だ。
「ああ、それなら、Google翻訳ですね。日本語を英語に翻訳してくれますから、メールに貼りつければいいだけです」
「へ~、そんなに簡単なんですか」
「ただね、仕上げは英語科の先生に見てもらった方がいいかもしれませんね」
「はーい」
 早速、Google翻訳にアクセスする。日本語から英語への翻訳を設定すると、こんな感じになった。



 私が日本の高校で教員をしていること、生徒がそちらに留学予定であること、正規の高等学校ですか、どうぞよろしくお願いしますといった言葉を並べ、タイトルは「Greetings(ご挨拶)」とした。合っているのかどうかわからないけど。
「英語の先生、英語の先生は……いないじゃん」
 待てずに送信ボタンを押した。奇妙なメールかもしれないが、気持ちは伝わるだろう。
「おおっ、返事が来た!」
 2時間後ぐらいに先方から返信があり、ドキドキしながら開封した。
「Hi Sasaki」
 理事に相当する立場の方からだったが、何とくだけた書き出しなのだろう。
 メールをありがとう、正規の高等学校です、その生徒のお名前を教えてもらえませんか、などと短い文が並んでおり、ちょっと感動する。
 翻訳を使わなくても理解できたが、文末の「Kind regards」という語の意味がわからず気になった。
「敬具?」
 どうも結びの言葉らしい。こちらの気持ちを受け止めてもらい、丁寧な対応をされたことを嬉しく思う。
「返事の返事を送るぞ!」
 こちらも結びの言葉を使ってみたい。「Many Thanks」が気に入り、ラストにつけてみた。
 再度、送信ボタンを押すと、遠いニュージーランドが近くに感じられ、笑みが浮かんできた。
 英語の先生に採点してもらわなかったけれど、一日でとても賢くなった気がする。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コレステロール値が高いワケ

2023年10月08日 20時49分19秒 | エッセイ
 その日は隣接する区の中学校で上級学校説明会が行われた。校長同士が知り合いというご縁で勤務校が呼ばれ、私が学校説明のために出向くことになった。
「終わった終わった。中学生は可愛くていいね~」
 どの生徒も真剣に話を聞いてくれたので、こちらもつい熱が入り、口数が多くなる。終了後はのどがカラカラだった。
「おっ、もう5時か。お茶して帰ろう」
 初めの場所だと、どんな店があるかわからない。オシャレなカフェを見つけた瞬間、ここがよいのではと閃き、ドアを開けて突進した。紫芋のパフェとホットのカフェラテを注文しひと息つく。



「ん~、おいし。労働後のスイーツはやめられないね」
 食べながら思い出したことがある。そういえば、健康診断って来週じゃなかった?
 私の悩みはLDLコレステロール値が高いことだ。過去3年間の数値はこんな感じになっている。



 何で下がらないのか不思議に思っていたが、先日、NHKラジオの「健康ライフ」を聞いて納得した。
「LDLコレステロールの高い方は、脂の多い肉を鶏のささみや大豆製品に置き替えて、チーズ、卵など控え目にすることをオススメします」
 なるほど、脂ののったロースが好きで、毎朝玉子料理をいただき、ピザやトルティーヤが好物だと、この数値は当然というわけか。今まで、ほとんど自覚がなかった。ついでに生クリームにも格別な愛情を感じるのだから、脂質異常は当然であろう。
 食べ物だけでなく、運動についてもアドバイスがあった。
「一日7500歩以上は歩くようにしましょう。電車の中ではなるべく立つ、エスカレーターは使わず階段を上るなども効果があります」
 これは9月からやっている。てきめんに体調がよくなり、体重が落ちてお腹がスッキリしてきたが、継続すればさらに改善できそうだ。欲張った目標を立ててみたい。
 30代までは健康診断に備えて食事や運動を意識しなかった。何もしなくても、これといった異常がなかったからだ。しかし、40代以降は血糖値が高かったり、コレステロール値に戸惑ったりと、常に何らかのトラブルを抱えている。これらを放置すると血管がもろくなり、動脈硬化などの深刻な病気に発展していくというから、もっと粗食に舵を切らないといけないのだろう。
「でもまあ、パフェはたまのお楽しみってことで」
 まずは、鶏ささみの料理を勉強しましょうか。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御朱印ください

2023年10月01日 22時07分08秒 | エッセイ
 涼しくなってきたので、武蔵野三十三観音巡りを再開することにした。
「そうだ、文化祭振替休業日の火曜日なんかいいかもね。空いていて」
 出かけるのはもっぱら土日ばかり。多くの人が働いている平日に外出することが、とびきりの贅沢という気がした。
 しかし、翌日は仕事である。遠出せず、西所沢駅から歩いて巡ることのできる4つのお寺だけにしよう。
 その一つに新光寺というお寺がある。ここの印象は強烈で忘れられない。
「おおっ、キレイな観音様だなぁ~」



 第一印象はよかった。入ってすぐの場所で、すかさずスマホを出して撮影する。写真の出来映えを確認するため画面を見たら、藪蚊が「ブウ~ン」と飛んできて、液晶にとまった。やたらと大きくて、触覚も足も真っ黒なのに、白い斑が点々としている。見た瞬間に鳥肌が立った。
「ヒッ」
 心臓がジャンプしていても、手は反射的に蚊を叩きつぶす。境内で、観音様の前なのに殺生してしまったことを反省し、仏罰が下りそうだと天を仰ぐ。
 心臓の鼓動が落ち着いたところでお線香を上げ、観音堂にお参りする。あとは御朱印をいただくだけだ。観音堂の隣にそれらしい建物があったので、インターホンを押してみたが何の反応もない。
「あれっ、誰もいないのかな」
 人の気配も感じられず、引き戸に手を掛けたら、スルスルと抵抗なく開いた。中にはお経を収める箱や小銭の入った受け皿などが重ねられており、閉店処理をしたままの状態となっている。どうやら、人はいないらしい。
 そして、人の代わりに、ここにも藪蚊が何匹も潜んでいた。まさか留守番をしているわけではないだろうが、私の脳裏には「三十六計逃げるに如かず」という言葉しか浮かんで来ず、脱兎のごとく逃げ出した。おかげで、虫刺されの被害はない。これも条件反射であろう。
 あとから知ったことだが、ネットで調べてみたら、このお寺は日曜日であれば有人となるようだ。それ以外の日は、セルフサービスで記入済みの御朱印を入手することができるようなことが書かれていた。残念ながら、私の目には蚊ばかりがクローズアップされ、御朱印を見つけることができなかったが。
「キイ~、悔しいな」
 先日、新聞にも、9月の長雨でボウフラが繁殖し、涼しくなったこの時期に蚊に刺されやすいとの記事が載っていた。御朱印欲しさに長居していたら、何カ所も刺されて難儀したに違いない。人間、諦めが肝心だ。
「新光寺には、12月の日曜日に行けばいいや」
 巡礼は、仏の心で回りましょう。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする