これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

8月に一番読まれた記事

2015年08月30日 23時55分21秒 | エッセイ
 毎年、夏休みになると、アクセスの伸びる記事がある。
「読書感想文ならまかせなさい」「〇〇大学オープンキャンパス」などがそれで、夏休みの宿題を終わらせるため、学生が安易に人のブログをコピペしているのかもしれない。また、教員側がそれを見破ろうとして、候補になりそうなサイトをチェックしている可能性もある。教員対生徒の攻防戦に加担している気分となり、少々居心地が悪い。
 今年は、また違った傾向が見られた。
 私のブログは訪問者が多いほうではなく、毎日150 IP程度である。ところが、8月21日は、なぜか2221 IP。どうしてこんなに多いのかとビックリした。アクセス解析を見てみると、「ニキビダニの治療法」という記事が突出して読まれている。「なんでやねん?」と首をかしげた。
 翌日は1106 IPで、半減したとはいえ依然として多い。以後は、478、360、271と日を追って少なくなっていったが、今でも250 前後の訪問者がいる。いずれの日も、読まれた記事の8割が、やはり「ニキビダニの治療法」なのである。
 夏は皮脂が増え、汗ばんで肌がジメジメするせいか、ニキビダニが元気になる。特に今年は連続して猛暑日となっていたから、汗をかかない日はない。日焼け止めなんぞ塗ろうものなら、急速に繁殖することもあり、ニキビダニ人口も増殖したのだろうか。
 私の顔にも、わずかにニキビダニが残っている。頬や額からは撤退したが、鼻は生息に適した場のようで、いつまでも居座っていて困る。春まではおとなしくしていたのに、暑くなった途端、赤いポツポツが目立ち始めた。「くぉら~!」と威嚇しても、お構いなしだ。
 ところが、涼しくなった先週あたりから、ヤツらの勢いが急激に失速した。汗をかかなくなったからだ。皮脂の減少でエサ不足となり、居心地のよかった家が乾燥し始めたせいで、バタバタと倒れているに違いない。しめしめ。
 数多くの方がニキビダニに悩まされているとしたら、出口はすぐそこだと伝えたい。ニキビダニを完全に退治することはできないが、しっかりケアすれば封じ込めることはできる。
 8月はもう終わりだ。
 9月は、ニキビダニ撲滅月間~!


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビアガーデンの夜

2015年08月27日 23時37分35秒 | エッセイ
 まだ暑かった頃、同僚の素子さんとビアガーデンに行く約束をした。
「パークハイアットにオシャレなビアガーデンがあるみたい」
「じゃあ、そこにしましょ」
 そして、その日を待ったのだが、猛暑が去って秋らしくなってきた。とても、ビール日和とはいえない。
「なによ~、急に寒くなって」
「ホントホント、今日は長袖で来ましたよ」
 旬の時期を逃した感はあるけれど、行かないという選択肢はない。いそいそと帰り支度をして、スタートと同時に店に入った。
「いらっしゃいませ。2つのコースがありますので、どちらかお選びください」
 一つは、ビールをたくさん飲みたい人向きで、お料理プラス2種類のビールが2時間飲み放題。もう一つは、ビールはあまり飲まない人向きで、3種類の小瓶ビールプラスお料理。飲み放題ではない。どちらも料金は同じだ。
「小瓶じゃね。足りないわ」
「飲み放題でお願いします」
「かしこまりました」
 この判断は正しかった。2種類のビールは、どちらも美味しくて、飽きない味だったからだ。
 まずは、マイヤーレモンエール。



 柑橘系のテイストが漂う、フルーツビールである。量産されたビールと違って、喉ごしのよさが群を抜いており、キャッと驚く爽やかさだ。
 ポップコーンも運ばれてきた。



 映画館と同じだと思ってはいけない。塩、胡椒、ガーリックなどが利いており、ビールによく合う味に仕上がっている。塩味とキャラメル味しか知らない身には、こんな味つけもあるのかと感心した。
 ビールが進むと、アメリカ風に仕立てられた料理も登場する。



 つくづく、ビールとチキンの組み合わせは最強と思い知らされる。このコンビに勝るものはない。
 次に、パークブリュワリーエールをいただく。



 こちらの方がビールらしかったが、軽くて飲みやすい。いくらでもいけそうだった。
「美味し~い」
 素子さんは、ガンガンおかわりをしている。私は彼女ほど飲めないので、2時間でそれぞれ2杯ずつといったところだろうか。スーパーでは売っていないレアなビールを飲み、優越感や特別感に浸って、かなりいい気分になった。
 問題は、お料理である。美味しいけれど量が少ない。店を出てから、追加で別の物を食べたくなった。
「ラーメン食べましょう!」
「えっ、ラーメン?!」
 素子さんは驚いていたが、特に異論はなかったようだ。タンメンを頼む私に対抗して、焼きそばを注文していた。タンメンは、細い麺に塩気の利いたスープが絡み、熱すぎず大変食べやすい。麺も、適度に弾力があり、満足のいくお味である。あっという間に平らげた。
「じゃあ失礼しま~す」
「お疲れさまぁ」
 女子会のいい点は、あっさり終わるところだ。素子さんと別れて、私は大江戸線の乗り場に向かった。
 最寄駅に着いても、まだ10時。駅前のマクドナルドに入った。
「ソフトクリームください」
 やはり、甘いもので締めなくては気が済まない。家でも買い置きのアイスクリームを食べて、あったかいコーヒーをいれた。食べ過ぎだろうか。
「ゲープ」
 あとはネットで遊ぶだけ。ブロ友さんのブログを見て、コメントを入れていた。
「退職」と入力しようとしたら、「大食」と変換され、非常に驚いた。
 何でわかったの?!


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

M:I ローグ・ネイション

2015年08月23日 22時39分21秒 | エッセイ
 夏休み最後を飾る映画は「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」だ。
 このシリーズはしばらく観ていない。おそらく、2が最後であろう。ちょうど誕生日に観たのだが、にぎやかで派手なアクションが続き、出費以上の満足感があった。とびきりのプレゼントをちょうだいした気分になったことをおぼえている。
 5作目も、期待を裏切らない展開だった。
 のっけから、予告でおなじみの飛行機アクションが飛び出す。



 この飛行機にはある兵器が積まれており、イーサンたちは運搬を阻止しようと必死なのだ。トム・クルーズ自らが、スタントマンなしで危険なアクションに挑戦したという。
 冒頭からスケールの大きさに圧倒され、スクリーンに飲み込まれた。



 スタントマンを使わないスターの筆頭に、ジャッキー・チェンがいる。すべての指を骨折し、ほとんどの関節を脱臼したという彼は、「サンダーアーム」で頭蓋骨骨折の大けがをした。
 離陸する飛行機にしがみつく姿を見て、「ジャッキーだってケガしたのに、大丈夫かしら……」と気が気でなかった。トム・クルーズのプロ意識はスカイツリー並みの高さらしいが、運動神経はどの程度なのか。命はひとつしかないのだから、ファンとしては、あえて危険なことに挑戦してほしくない。
 さて、飛行機のあとは、IMFという略語が登場してくる。
「IMF? 国際通貨基金じゃね?」
 久しぶりすぎて、話についていけなかった。どうやら、ここでは「Impossible Mission Force」を指すらしい。なるほど。
 スパイ映画ではおなじみの、裏切りやダブルスパイも登場し、「誰も信じられない」という不信感渦巻くストーリーのはじまりだ。価値のある情報を奪うため、何人もの命が驚くべき軽さで失われるところは、いつも通りである。



 今回は、ウイーンの国立歌劇場で上演される「トゥーランドット」が見どころの一つになっている。繊細な外観に豪華な内装の建物、きらびやかなドレス、オーケストラの優雅な演奏、歌手の豊かな声量などなど、本場のオペラを見たい私にとって、刺激的な場面であった。
 だが、首相暗殺をもくろむ狙撃手に気づいたトムが、戦い始めるものだから、舞台が映らなくなる。カメラは舞台裏に移動し、殴る蹴るの場面に切り替わる。ボコッ、ガツン、ドゴンなどの効果音に歌声が遮られ、ほとんど聞こえない。
「ちょっと、どいてよ! 見えないじゃないの」と叫びたくなった。
 そのあとは、お約束のカーチェイスだ。「マッドマックス」と違って、この追いかけっこは華やかだ。砂ぼこりにまみれることもなく、都会の美しい街並みをムチャクチャに走るギャップに、思わずクスリと笑う。
 しかし、このあとに予想外の問題が起きた。アクションのない静かな場面で、猛烈に眠くなってきた。いくらレディースディで1100円とはいえ、劇場まで寝に来たのではない。「ダメダメ、起きなきゃ」と思っても、まぶたは「閉店で~す」とシャッターを下ろしかけている。何とかせねばと焦っていたら、次のアクションに移った。今度は高所から、滝つぼ並みの落差がある水中に飛び込むらしい。
「また危ないことをして!」と心配になり、目が覚めた。あとは、ウトウトすることもなく最後まで観られてホッとする。
 一番の見どころは、オートバイの疾走シーンであろう。エンジンの轟音に比例して、迫りくるスピード感に酔った。まさに風だ。私はバイクの免許を持っていないけれど、暇さえあればツーリングに出かける知人の気持ちが理解できた。



 このところ、「ターミネーター」や「ジュラシック・ワールド」といった、アドレナリンが分泌されるような映画ばかりを観ていた。激しい映像に慣れると、普通の映像が物足りなくなるのかもしれない。睡眠不足や体調不良の日を避け、せっかくの映画を存分に楽しまなくてはと反省した。
 ラストもスッキリしていた。トムは少々老けたが、いい男であることに変わりはない。



 学生のみなさん、映画を観終わったら、IMF=国際通貨基金に戻してください。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女の戦い「ジュラシック・ワールド」

2015年08月20日 21時30分46秒 | エッセイ
 映画「ジュラシック・ワールド」をIMAX3Dで観てきた。
 今回でシリーズ4作目になるそうだが、前作はまったく観ていない。好きな俳優が出演するわけではないし、恐竜は怖い。原作を読んだだけで満足していた。
 でも、予告を見て気が変わった。今年の夏は、旅行の計画もなく退屈だから、たくさん映画を観るのもいいのではないかと。
 IMAX3Dは、スクリーンが大きく奥行きが感じられる。料金はちょっぴり高いけれど、奮発した甲斐があった。
 ストーリーは単純でわかりやすい。人気のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」では、集客数を伸ばそうと、遺伝子操作によって新たな恐竜を作り出す。その名を「インドミナス・レックス」といい、巨大で凶暴な恐竜が誕生した。



 ところが、この恐竜は強いだけでなく、予想よりも遥かに高い知能を持っていた。人間たちの裏をかき、力ずくで防護壁で遮断された世界から脱出して、パーク内に侵入したのだからたまらない。一般客の安全を守るため、パーク側は必死に捕獲しようとするが、インドミナス・レックスの強いこと強いこと。鋭いカギ爪で肉を切り裂き、丸太のような尾で人を吹き飛ばし、追っ手を次々と血祭りに上げる。
 焦るパーク側の状況を知る由もない観客たちは、気ままにアトラクションを楽しんでいた。ジャイロスフィアに乗って、草食恐竜と触れ合うこの兄弟は、本当にのんきだ。このあとどうなるか、知らないから……。



 今回、活躍するのは4頭のヴェロキラプトルである。調教に挑むのは海軍出身のナイスガイ、オーウェンだ。



 ラプトルはすべてメスだからか、オーウェンには好意を持っているように見える。フェロモンのなせる業かもしれない。



「誰でもいいわけじゃないのよ、イケメン限定なんだから」と大きな目をギョロリと剥かれると、やっぱり怖い。ちなみに、メスのジャーマン・シェパードも人間の男性には媚を売ると、詩人の伊藤比呂美氏が呆れていた。
 冒頭のインドミナス・レックスもメス、ティラノサウルス・レックスもメスというから、サブタイトルをつけるとしたら、「肉食女子の場外乱闘」などはいかがだろう。
 水中にすむ「モササウルス」という恐竜もインパクトが強い。体も口も何もかもがラージサイズで、ジャンプして着水したときの水しぶきは、プールがひっくり返ったかのようだった。チョイ役なのかと侮っていたら実は……。



 おっと、これから観る方もいらっしゃるので、ネタバレになってはいけない。
 あとは劇場で、彼女たちの死闘を見届けてもらいたい。
 映画が終わり、なぜか食欲モリモリになったのは、私も肉食だからである。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バイキングの掟

2015年08月16日 21時16分26秒 | エッセイ
 妹一家から「まぐろ&ビーフフェスタ」というイベントに誘われ、埼玉県の某ホテルに行ってきた。
 このイベントでは、マグロとビーフを中心とした料理がバイキング形式で提供される。料理だけで26種類あり、デザートや飲み物も豊富だ。
「えーと、まずはマグロの造りににぎり、カルパッチョと……」
 パソコンでメニューを見て、夫は前日から何を食べるか計画していた。さすがは食いしん坊。マグロもビーフも好物なので、この日を心待ちにしていたらしい。
 妹一家も、電車とバスを乗り継いで来たという。偏食が激しい甥も、マグロは大好きだから心配ない。ビーフもそこそこ食べるので、彼を基準に選んだイベントであろう。
「今日は車じゃないから飲める!」
 義弟もうれしそうだ。運転手を務めたことがないからわからないが、みんなが美味しそうにグラスを空けているのに、自分だけがジュースを与えられていると不公平感が生まれると思う。やっと同じ土俵に立てたような満足感で、目がキラキラしていた。
「お待たせいたしました。会場の準備が整いましたので、お席へどうぞ」
 会場内で目を惹いたのが、フルーツカービングの作品である。



 ネットの画像で見たことはあるが



 あんな作品や



 こんな作品があって、果物に大輪の花が咲いている。



 繊細で緻密な作業に驚くばかりだ……。



 すごい!
 シャンデリアは花火に見えた。そういえば、真珠湾で打ち上げられた、長岡の花火が話題になっていたっけ。



「じゃあ、お料理を取って来よう」
「イエーイ!」
 左から、マグロのかぶと焼き、にぎり寿司、造り。



 牛肉の鉄板焼き、イタリアンサラダ、冷製コーンスープ。



 向かい側に中学生の姪が座っていた。テーブルには、ジュースと焼き餃子が載っている。
「あれ、今日はマグロとビーフの料理がたくさんあるんだよ。食べないの?」
「うーん」
 姪が困った顔をした。横から妹のフォローが入る。
「好きなものを取って食べなさいって言ったんだけどね。餃子だったわ」
 姪にはほとんど好き嫌いがない。甥には親が世話を焼き、「あれがイヤなら、これを食べれば」と勧めているが、手のかからない姪は放置され、少々雑に扱われている気がする。
「じゃあ、また取ってくる」
 姪が席を立つ。一応、マグロのにぎりと造りは義弟が取ってきてくれたが、次は何を選ぶのか。
「オムレツにした」
 ガクッ。
 一方、夫の食欲は群を抜いている。彼の周りには皿が10枚近く並び、マグロとろろそば、マグロのステーキ、ローストビーフやビーフシチューなども持ってきたようだ。
「はー」
 見ているこちらは、ただただ驚いてため息をつくばかり。本当によく食べる。しかも残さない。
 バイキングの掟その1「残さないのがマナー」。残念なことに、これを守らない人が多いと聞く。ちょっとは、この男を見習ってほしい。
 姪がまた席を立つ。今度は何を取ってくるのだろうか。
「カレーにした」
「……」
 バイキングの掟その2「子どもは好きなものを食べる」。大人の好みを押し付けたらいかん。
 食事がひと段落すると、タヒチアンダンスが始まる。



 タヒチアンダンスは歴史が古く、そこから分化してハワイで独自の進化を遂げたものをフラダンスと呼ぶらしい。結構な運動量があるようで、ダンサーたちの鍛えられた腹筋があらわにされていた。
 鑑賞しながらデザートタイムに移る。



 ちょっと、取りすぎたかも……。
 マグロやビーフよりも、デザートの満足感が大きい。姪のことをとやかく言えないと笑った。
 バイキングの掟その3「別腹を空けておく」。
「しまった、食べるのに一生懸命で、2杯しか飲めなかった……」
 せっかく車を置いてきたのに、義弟は料理だけで満腹になってしまい、不完全燃焼だったらしい。
 タヒチアンダンスのあとに、フルーツカービングの実演があった。大勢の子どもたちが取り巻く中で、プロがフルーツをカットしていく。切れ味の鋭い刃物が、スパスパッと迷わず果肉を切り裂く様は、とても真似できない。



 舌でも目でも楽しめたイベントであった。
 帰りの電車で、夫に話しかける。
「いやあ、お腹いっぱい。2日分くらい食べたよ」
「オレは3日分くらい食った気がする」
 前の日から絶食すればよかったかしら。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本銀行本店見学ツアー

2015年08月13日 17時32分40秒 | エッセイ
 日本銀行本店の見学会に参加してきた。



 参加者は、西門から入ることになっている。



 所要時間は約60分。荷物をコインロッカーに入れ、身軽になって参加するのがよろしい。
 防犯上の理由から、飲み物は持ち込めないため、ペットボトル類もロッカーに入れておこう。
「用意のできた方から、金属探知機をくぐっていただきます」
 カメラ、携帯電話、小銭入れなどは取り出しておくとスムーズである。
「ピンポーン」
 ……しかし、私は鳴ってしまった。手荷物を見せたが、包丁などの凶器が入っているはずもない。
「中身は問題ないので、バッグの金具に反応したようですね。どうぞ」
 入れてもらえてホッとした。空港のセキュリティより厳しい気がする。
 まずは映像学習から。日本銀行券、つまりお札が偽造されないように、いかにハイテクな技術が使われているかを紹介していた。「これだけ工夫しているんだから、つまんない考えを起こすんじゃないよ」とけん制する目的もあるのだろう。
 日本銀行の役割なども入れて、20分弱の上映だった。背の小さい人は、最前列でご覧ください。
「それでは、旧館からご案内いたします」
 映像のあとは館内の見学だ。旧館は、東京駅で有名な建築家・辰野金吾の作品である。バロック様式だの何だのと、細かいことはわからなくてもいい。明治のレトロな美を、この目にくっきりと焼き付けるだけで十分楽しめる。
 さすがに、空調は一部しか利いていない。一方、昭和48年に建てられた新館は、廊下も涼しかった。
 印象的だったのが、「日銀ネット」開通時のパソコンである。数字の入力は、通常テンキーで行う。電卓と同じで「0」はもちろん、「00」のキーも珍しくない。しかし、日銀には「000000」などという6桁のキーがあり仰天した。たとえば、「1」「000000」の2つのキーを押せば、100万円を即座に入力できる。もっとも、狭いスペースに収めるため、2行に分けて表示されていたが、いかに大金を扱っているかを思い知らされた。
 地下金庫も強烈だった。現在は使われていないから空っぽだが、扉の厚さは90cm、重さは15トン、扉を支える枠も10トンというから、関取がスクラムを組んでいるような重量感である。入口近くには、レプリカの1万円札が雑誌と同じような扱いを受け、梱包用のテープで束ねられ並んでいる。ここで働いていると、金銭感覚がおかしくなりそうだと感じた。
「奥の方の壁に穴が開いています。万一、泥棒が入ったときに、この穴から水を入れて、お札を使えないようにするためのものです」
「へー」
 実際に使ったことはないと聞き、少々安心した。
 金庫の前には、模擬紙幣1億円分のパックもあり、手に取ることができる。約10kgというから、結構重い。その隣には金塊のレプリカが並んでいる。こちらは14.5kgで、ツルツルすべるということもあり、金銭感覚が発達していても、ひ弱な私には持ち上げられなかった。残念……。
 最後に、来客が馬で来ていた時代の遺物を見る。



 これは、馬が水を飲むために作ったものだそうだ。周りには何頭もの馬が待たされ、「ヒーン」といなないては、ボトボト糞を落としていたのかもしれない。掃除が大変だったのではないだろうか。
「以上で、見学は終わりです。お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
 終了後はロッカーに戻る。おみやげを買う。
 まずは、貨幣焼という6種類の硬貨をかたどった饅頭と





 一万円札のあぶらとり紙。



 金塊ストラップは適度な重みがあって気に入った。金運が回ってきそうな手ごたえを感じる。



 その割に、浪費していたりして……。
 もっと気に入ったのが、日本銀行本館クッキーである。



 箱がオシャレだと思ったら、扉になっており、開けると地下金庫が顔を出す。金庫を手前に引き出すと、1万円札の印刷がされたクッキーにたどり着く。大人でも笑ってしまうような、遊び心満点のアイデアだ。
 童心に返って、ひとり日銀ごっこをしてみた。
「日銀さん、日銀さん、おこづかいくださーい」
「いいですよ、ギー」



 扉が開いて、金庫がお目見えした。お札クッキーはこの中だ。金庫からクッキーを取り出すと……



 割れてるじゃないか!

 何と、10枚中3枚が割れていた。打率3割の高確率だ。端が薄いから、衝撃に弱いのだろう。枚数は減らしてもいいから、もっと厚みを増して、強度を高めるべきではないか。
 でもまあ、味はよかった。そして、「他人様にあげられないから、私が全部食べちゃおう」という口実もできた。7枚は無事なので、完全なこじつけである。おすそ分けは貨幣焼にすればいいのだ。あったまいー!
 日銀の旧館は、上空から見ると「円」という文字に見えるそうだ。


   (wikipediaより)
 
 ここで一句。

 日銀の  エンタメ性は  二重丸

 楽しませていただきました!


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

男は○○のように生きていく

2015年08月09日 21時03分04秒 | エッセイ
 エッセイ教室のリーダーである美知子さんは、エッセイの腕もさることながら、優れたエンターテイナーでもある。去年の忘年会では「50音順で表す、嫌われるオヤジの特徴」などというゲームを提案し、大いに盛り上げてくれた。
「今日はね、クイズを持ってきたの。偉人の言葉の穴埋めよ」
「偉人?」
 まずは、ドイツの文豪ゲーテから。
「涙とともに(   )を食べたものでなければ、人生の味はわからない。さて、何を食べたのでしょう」
「うーん」
 その日、エッセイ教室のメンバーは4人いたが、私はすぐにピンときた。
 日本だったら「めし」となるはずだ。しかし、異国のドイツに、おにぎりや卵かけご飯があるはずもない。
「パン!」
「砂希さん、あったり~!」
「わあい♪」
「じゃあ、次いくわよ。エドワード・ヤングの言葉で、富は向こうから勝手にやってくることもあるが、(   )はこちらから近づかない限り手に入らない」
 悦子さんが早かった。
「宝くじ?」
「ブブー」
 洋子さんも手を挙げる。
「いい男?」
「ブブー。正解は、知恵でした!」
「へー」
 これはナイスな言葉である。いつの間にか賢くなっている、なんてことはあり得ない。知恵を得るには、自ら努力をしていくしかないのだ。
 珍答続出だったのが、次の問題であった。
「今度はイギリスの劇作家トマス・デッカーです。女がいなかったら、男は(   )のように生きていくだろう」
 脳裏に浮かんだのは、母がいないときの父親の姿である。片っ端から鍋のフタを取って食べ物がないか探し、着の身着のままで過ごす。食べたら食べっぱなし。衣類はその辺に脱ぎ散らかしたまま。本能で生きている様子は、およそ文化人ではなかった。
「はいはいっ、猿!」
「ブブー」
 残念、ハズレだったか。
 悦子さんも続いた。
「ゴミ?」
「ブブー」
 そもそも、ゴミは生きているものではないが……。
 これをお読みになっている皆さまも、ぜひご一緒に考えていただきたい。
 誰もが驚く正解が待っているからだ。
「答えは、神でした」
「ええーっ!」
 意外や意外。誰一人として、予想していない答えであった。どこから神がやってくるというのか。
「うちの夫なんか、ゴキブリって言ったのよ」
 美知子さんがカラカラと笑う。男性自らが「ゴキブリのように生きていくだろう」とは、自己申告?
 もっとも、この「神」には裏があって、真意は「神のようになったつもりで傲慢にふるまう存在」ということらしい。それなら納得できるが、かなり高度な穴埋めであった。
 ところで、あなたはどんな言葉をあてはめましたか?


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

専属美容師を紹介します

2015年08月06日 20時08分22秒 | エッセイ
 はじめて社会人になった年に、中学時代の同窓会があった。
「教員? 俺が一番嫌いなヤツになって~」
「カツミは子どもが2人もいるってよ」
 8年ぶりにしては会話が弾む。順に席を移動し、次に隣になったのは、週休2日制ならぬ週2日制を貫いた不登校児、志田であった。
「たしか、前に大宮で会ったよね」
 志田とは卒業するまでほとんど口を利いたことがなかった。でも、2年前にふらりと入った美容室で、彼がアシスタントとして働いていたため、同窓会の前に再会している。
「そうだね。まだあの店にいるの?」
「あそこはもう辞めた。あれから美容師の資格も取って、今度は自分の店を出すんだ。よかったら来てよ」
 場所を聞くと、歩いて行かれるところである。オープンの日にちも聞き、ためしに行ってみた。店内にはすでに3人客が待機していて、まずまず繁盛しているようだった。
「来てくれてありがとう。これ開店記念品」
 会計の際にプレゼントを受け取り、ぐうたらだった志田の勤勉ぶりに驚く。カットの腕も悪くなかった。人はどんどん成長していくものなのだと実感し、これからもお願いすることにした。
「へえ、砂希の同級生の店なの? お母さんも行ってみよう」
 やがて、志田の店には母、姉、妹も足を運ぶようになる。雨の日には志田の妻が車で家まで送ってくれたり、所持金が足りなかった妹にはカット代を800円におまけしてくれたりと、家族ぐるみのおつき合いが始まった。
 数年経つと、風向きが変わってくる。やがて、母がこんなことを言うようになった。
「最近、開店ピッタリの時間だと、お店が閉まっているのよ。志田君は来るのが遅いね」
 これには驚いた。10時を過ぎてもシャッターが開かず、客を待たせるとは失礼きわまりない。商売が軌道に乗ったせいか、志田は本来の怠け癖が出てきたようだ。その後、私は引っ越してそれきりになったが、徐々に客足が遠のき、結局、店を閉めたそうだ。
 練馬に越してからは、いくつか美容院を回った。その中で、一番似合う髪型にしてくれた美容師を選び、二度三度と通うようになる。
「こんにちは。今日もいつもと同じですか」
 美容師は、デーモン小暮がメイクを落としたような顔をしているので、「閣下」と呼ぶことにする。


        (広島県ホームページより)
 どの美容師よりも、閣下は仕事が丁寧だ。段を入れるにも、カーラーを巻くにも、髪一本一本を大事に扱っている。他の美容院ではひと月ほどしか持たないパーマも、閣下ならば2カ月近くウエーブが残る。
「どうですか、こんな感じで」
 鏡に映る自分に満足するが、問題なのはここからだ。閣下はカットが上手なのに、なぜかブローは下手。乾いたあとの髪型は野暮ったく昭和くさい。すぐさま家で洗い直し、自分でブローするといい感じにチェンジする。
 文句を言いながらも、閣下の店に通い始めてから、今年で20年目を迎えた。
 こういうのを「魔界通い」というのだろうか。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ちゃんりおメーカーの私

2015年08月02日 21時44分59秒 | エッセイ
 複数のブロ友さんが、ちゃんりおメーカーで似顔絵を作り公開していた。
 楽しそう。私も挑戦してみたい。
 まずは顔の輪郭から。丸顔を選ぶ。
 次は髪型。むむ、ピッタリのものがない。たぶん、近いのではと思うものにしてみる。
 目。お世辞にも大きな目とはいえないし、笑うとなくなってしまうから、実物に忠実に……。
 鼻。ここは目立たなくてよい。
 口。大口を開けて笑うことが多いが、該当するパーツはない。「ニヒヒ」という感じが気に入り、歯の見える口にする。
 あとは、服やらアクセサリーやらをチョイスして完成だ。
 おっと、右手にホットのカフェラテを持たせるのを忘れちゃいかん。



 結構似ていると思うのだが、実物を知っている方、いかがでしょう?
 服を選ぶとき、実は和服が着たかった。パーツを少々変えて、もう一つの私を作ってみる。



 ブログ開設のとき、お雛さまの写真をプロフィール画像に設定した。あれから7年も経つし、今回の更新は777回目なので、これに変更してみよう。ピコピコピコ。
 だんだん、はまってきた。
 そうだ、80歳の私を作ってみよう。
 顔の輪郭は垂れ下がり、目もショボショボしている。髪は、ほぼ真っ白に変わり、毛髪量も減ったので、ひっつめることにした。
 それなのに、服は少女趣味から抜け出せない。むしろ、若いときよりヒラヒラフリフリにこだわるようになっている。頭に白い花をつけ、ワンピースと同じ色のバッグを持ち、かなり危ないバーちゃんのでき上がりだ。


 
 なぜか、それなりに幸せそう。
 夫のちゃんりおも作ってあげた。特徴をとらえていると思うのだが……。



 当の夫からは、「これ誰?」なんて言われそうな気がしてきた。 
 おばあちゃんになっても、末長くおつき合いのほどお願い申し上げます。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする