これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

2018 花見

2018年03月29日 21時29分45秒 | エッセイ
 桜には表情がある。
 今年の花見で私はそう確信した。
 3月25日。「都心の桜、満開」とのニュースを聞き、千鳥ヶ淵に行く。
 空は青く気温は高い。花見に訪れる人数も多かった。
 ここに来るたび、「もっと早く来てボートに並べばよかった」と思うのだが、一度たりとも並んだためしがない。歳を重ねるごとに、根性がすり減っていく気がする。



 お堀をのぞき込むように伸びた枝にも、たくさんの花びらがついている。きっと、近づいてくるボートに「もっとこっちにおーいでー」と話しかけているのではないか。



 緑道で構えている桜も負けてはいない。「キレイ」「美しい」と朝から晩まで褒めちぎられているせいか、カメラ慣れしてポーズも決まっているように見えた。



 3月28日。東京都北区を代表する桜の名所、飛鳥山公園を訪れる。
「お待たせ~」
 王子駅中央口に妹が登場した。今月上旬に妹から「娘が高校に入学するので、保証人になってほしい」と頼まれ引き受けたはいいが、提出書類に署名押印せねばならない。うちからも妹の家からも行きやすく、なおかつ花見ができる場所といえばここだろう。
「あら、待った?」
 妹だけでなく姉もやってきた。姉のオフィスは南北線沿線にあり、王子までのアクセスがいいから誘ってみたら、かなり喜んでくれた。
 時間は17時を少し回ったところだ。桜の淡いピンクに夕陽が重なり、薄化粧したように見える。



 頬を赤く染めた、うぶな少女とでもいえばいいのだろうか。



 色鮮やかな花とのコラボレーションも楽しめた。



 うん、ここもなかなか。今度はレジャーシートと食料を持ってこようかな。
「ねえ、飲んで帰ろうよ」
「いいねぇ」
 姉も妹も、すこぶる機嫌がいい。それぞれ、よいことがあったのだろう。私は夕飯を家で食べると言ってしまったので、1時間後に帰ったが、2人は23時過ぎまで店にいたというから恐ろしい。
 3月29日。今日は現職場最後の出勤日であった。荷物を段ボールに押し込んで、コンビニに持っていく。あて先を次の職場にしておけば、重い荷物を運ばなくてすむのだ。
「ああ、ここの桜も満開だなぁ」
 コンビニの途中には桜並木があり、道行く人が足を止めて眺めている。桜も誇らしげな顔をして、こちらに笑顔をふりまいてきた。



「最後に見られてよかった」
 しかし、しかしである。
 肝心の、職場正門に植えられた桜が驚くべき姿にされていた。



「えーっ、何でこんなに切っちゃったんだろう……」
 枝も花もまばらで、自信なさげに見えた。ジロジロと無遠慮な視線を投げつけたら、「私のせいじゃないのに」と泣き出しそうな雰囲気だ。可哀想に。
 週末は山陽地方に出かける。
 そこでどんな桜に出会えるのか楽しみにしている。


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青は私のラッキーカラー

2018年03月25日 21時46分48秒 | エッセイ
 小さくて可愛らしいホチキスを見つけた。



 いや、正しくはステープラというらしい。
 通常のものと大きさを比べてみよう。



 タテ・ヨコの長さだけでなく、厚みもかなり抑えられていることがわかるだろう。
 例えるならば、筋肉の盛り上がったレスラーと、花柄のワンピースを着た細身のOLくらいの体格差がある。よくぞここまで、ちいサイズにしたものだ。
 こんなちびっ子でも使用する針は10号。通常のものと同じだ。



 針を押し出す部分がスライドする仕組みになっており、使わないときは針の外に避難し、使うときは針の上に固定するからコンパクトに収納できる。



「ペンケースに入れられる」ところがウリらしい。
 ホチキスなんぞいくつも持っているのに、あまりのキュートさについ買ってしまった。白・黒・ピンク・青の4色ある中で、迷わず青を選んだ。
 青は私のラッキーカラー。
 青いものを身につけていると心が落ち着くし、ツキが回ってくる気がする。考えてみたら、バッグも青、お弁当を入れる巾着袋も青、タートルも青だ。無意識に青いものを集める習性があるのだろう。
 先日は職場異動の景気づけとして、久々にイッセイミヤケの青いジャケットを買った。



 素材が柔らかく、着心地抜群でうれしい。
 出勤初日には、これを着ていきましょうかね。
 おっと、ペンケースには小さなステープラを入れ忘れないように。


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15時17分、パリ行き 10時27分、池袋行き

2018年03月22日 21時46分10秒 | エッセイ
 クリント・イーストウッド監督の映画『15時17分、パリ行き』を観るため、パソコンで映画館のスケジュールを検索していた。
「うーん、8時20分か。早いなぁ」
「映画観るの?」
 大学3年生の娘が横から液晶画面をのぞき込む。
「ミキも観たい映画あるよ。テロに立ち向かった人たちの実話で、何時何分パリ行きとかいうヤツ」
「え? これ?」
 何と、親子で同じ映画を探していたようだ。だったら、一緒に行くしかない。
「7時20分には出たいから、6時起きね」
「ひー」
 朝に弱い子なのでパスするかと思ったら、アラームとともに目覚めて支度を始めた。映画の力はすごい。
 いざ、新宿ピカデリーへ。



 この映画は、2015年8月21日に高速列車内で起きた無差別テロを題材にしている。アムステルダムからパリに行くため、スペンサー、アレク、アンソニーの3人の青年がその列車に乗っていた。だが、突如、武装した男が車内に現れ、乗客に発砲したのだ。
 スペンサーとアレクは筋骨隆々の軍人である。テロリストに立ち向かい、拘束するだけなら簡単だ。彼らは戦いのプロなのだから、映画は15分で終わるだろう。しかし、そこに至るまでの過程にドラマがある。
 3人は少年時代から問題児だった。勉強はできない、集中力はない。教師には、発達障害が疑われるから薬を飲ませたらどうかと言われたり、頻繁に校長室に呼び出されたりして、母親に苦労をかけていた。
 印象深い場面はいくつかあった。とりわけ、アンソニーがスペンサーに言ったセリフが忘れられない。丸々と肥えて重量感のあるスペンサーが、空軍に入りたいと打ち明けたとき、アンソニーは「体型的に空軍ではない」との反応を見せた。スペンサーはこれに反発して「俺が減量できないと思うのか」といきり立つのだが、アンソニーはクールに「できないとは思わない。でもお前はやらない」と答えるのだ。
 ドキッとした。だって、私のことを言われたような気がしたから。今まで、やりたいのにできなかったことは数えきれないくらいある。だが、本気で取り組もうと思っただろうか。願いを叶える努力をしただろうか。やらずにすむ言い訳を見つけてはダラダラと過ごし、いくつものチャンスをフイにしてきた事実はごまかせない。
「お前がやらなかっただけだろ?」
 そうだ、アンソニー。君は正しい。私にも、君のような友達がいればよかったと思う。
 せめて、これから先の目標は「それなりに頑張ってみた」と言えるように行動しなくては。何もしないままお婆さんになるのは御免だ。
 そんなことを考えていたせいか、3人が犯人を取り押さえ、怪我人を救助して救急隊に引き渡したときには、「自分にもやりたいことができるかもしれない」という希望が見えてきた。我ながら単純なヤツなのだ。
 しっかり勉強することは大事だけど、人の役に立ちたいとか、人の命を救いたいという気持ちを持ち続けることはもっと大事。困難に立ち向かい、恐怖に負けずに行動できる人はそうそういない。点数至上主義の教師やママたちにも見てほしい。
「いい映画だったね」
 娘も早起きしたかいがあったと喜んでいた。
 時計を見ると、まだ10時を回ったところである。このあとは池袋に出て、買い物とランチをしなくては。
 副都心線でもいいのだが、定期券区間のJRにしようと娘が言う。ならば埼京線だ。電光表示板で乗り場を確認した。
「えーと、3番線だね」
「10:27当駅始発って書いてあるよ。池袋行きだって」
「池袋行き!?」
 これはおかしい。埼京線の下りでは新宿の次が池袋となる。山手線の4駅分とはいえ、時間にして5分、たったの1駅で終点になる電車を運行することが許されるのか。自分の目を疑ったものの、3番線にはその始発列車が腰を下ろして待ち構えている。やはり間違いではないようだ。
「さすがにガラガラだね」
「1駅じゃ、乗る意味ないって怒る人いるよね」
「でも、面白いから乗って行こう」
「いいね」
 ワクワクしながら乗り込んだ。車内に表示された駅名が衝撃的だ。



「池袋、池袋、終点です」
 発車から5分後、予想通りのアナウンスが流れた。本当に1駅分しか走らない電車であった。
「今日はジンとくる映画を見たし、ヘンテコな電車にも乗れたし、買い物もできてラッキー!」
「ホントだね」
 帰る頃には雪が積もっていた。
 まったくもって、奇妙な春分の日であった。


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歌舞伎座の暇人

2018年03月18日 20時39分47秒 | エッセイ
 平日の午後、銀座6丁目に行く用事があった。
「せっかく銀座に来たんだから、まっすぐ帰るのはもったいないな」
 出かけたついでに、あちこち寄り道するのは得意技である。かねてから、興味のあった歌舞伎座に入ろうと決めた。



 ついこの間、歌舞伎のチケットがなくても、地下のみやげ売り場や5階のギャラリーには入れると知った。何か面白いものを発掘しそうな予感がする。
 みやげ売り場は、東銀座駅に行く途中にある。数軒程度かと思ったら大間違いで、体育館ほどの広さに弁当、食品、衣類、雑貨、アクセサリー、ポストカードなどの店がショッピングモールのように並んでいた。「こりゃいいや!」と主婦の血が騒ぐ。
 珍しい商品と一緒に、おなじみの歌舞伎揚げが陳列棚に並んでいた。ここまで来て、コンビニやスーパーでも買えるみやげはないだろう。飛び出す歌舞伎カードが面白かったのだが、送る相手がいない。買う意味ないわと棚に戻してフラフラ歩いていたら、「きんつば」の文字が目に入った。
「いらっしゃい、温かいきんつばですよ」
「へー、焼き立て?」
 ひと手間かけたものには弱い。つい買ってしまった。



 ホカホカしていて甘すぎず、口当たりのよいきんつばである。



「うま~」
 日本的なものは数えきれないほどあったけれど、実用性を備えたものはさほど多くない。扇子も手ぬぐいもいらないが、お肌のケアができるとなれば目の色が変わる。



「フェイスパック?」
「はい、柄が2種類ございまして、人気商品です」
「ユニークですね、これ」
 くまどりパックとは笑えるではないか。気に入って、すぐさま購入した。
 私が買った柄はこんな感じで2枚入りだ。



 ふと、職場の隣の席にいるアメリカ人女性の職員を思い浮かべた。
 今週いっぱいで彼女ともお別れだ。仲よくしてくれたお礼に何かプレゼントしたいと考えていたので、もう1つ追加した。ユーモアを解する彼女は、きっと喜んでくれるだろう。
 買い物がすんだらエレベーターに乗り5階へ上がる。ギャラリーは見なかった。庭園とショップに立ち寄り、何となく満足して1階の出口でエレベーターを下りた。
 暇人だなぁ……。
 歌舞伎座は敷居が高いと思い込んでいたが、気づいたら一時間も経っている。結構、居心地のよいところだった。
 さすがに、パックをつけた姿は公開する気ないけど。


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こんな手帳が欲しかった

2018年03月15日 20時34分49秒 | エッセイ
 ついこの前、お正月を迎えたと思ったのに、もう3月も半ばである。高知では桜が開花したようだ。ときの経つのは早い。坂道を転がり落ちるほどではないが、下りエスカレーターに乗せられているようなスピードで時間が流れていく。
「そうだ、新しい手帳を買わなくちゃ」
 1月始まりの手帳よりも、4月始まりの方が使いやすい。学校勤めをしていると、年度ごとの切り替えが便利だ。
 以前はロフトで買っていたが、うんざりするほど種類が多く、全部を見て回るには時間が足りない。かといって、目についたものの中から選ぶのはシャクだから、売れ筋のみを揃えてある近所の書店に向かった。
 書店の手帳コーナーは狭い。おそらく、ロフトの5分の1ほどだろう。でも、限られた空間に、それなりにバリエーション豊かな商品を揃えているから、買い物の時間も5分の1ですむ。いつも、チャカチャカ動き回っている者にはありがたい。
 私が欲しいのは、月ごとの一覧とたくさんのメモページである。一週間単位の記入スペースや、切り取りメモはいらない。片手に収まるミニサイズもあるけれど、使いやすさを考えればA5サイズがベストであろう。
「あ、これ、いいじゃん」
 


 正直いって、見た目はバツ。電車で向かい合って座っても、顔や服装がおぼえられない人のように地味で目立たない。
 でも、月ごとの一覧は日曜始まりだし



 メモページの豊富さにはたまげた。



 なんと、全部で123ページもある。



 去年の手帳は、たったの8ページしかメモがなかったので、6月早々にページが尽きた。研修やセミナーに参加しても、別のノートを持参せねばならず不便だった。
 だが、123ページもあれば、そんな心配は無用だ。手帳を開いて、ちょっとした打ち合わせでもサラサラ、診察室で医師から指示されたこともスラスラと書き留められる。
「エッセイのネタを思いついたときも、ササッとメモれてグッドじゃない?」
 てなわけで即買いし、翌日から使っている。メモ第一号は、異動先の学校での面接だ。このたび、勤務先が変わることになり、新しい職場の校長に挨拶訪問をした。学校の特色や教育課程について説明を受け、「いくらでも書けちゃうもんね」とバッチリ記録した。
 さあ、4月。
 待っているからドーンと来い!


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あらまあ、検査結果

2018年03月11日 21時21分18秒 | エッセイ
 ようやく、医師に人間ドックの検査結果を聞くことができた。
 水色の診察着を着た、かなり年配の内科医が私の名前を呼ぶ。「はい」と答えて診察室に入るが、話を聞くだけなので気が楽だ。
「えーと、まずは心電図から。不完全右脚ブロックと書いてあるけど、高血圧じゃなければ心配いりませんからね」
 決して上からものを言う態度ではない。メモをとりながら、知りたいことを聞きやすい雰囲気でいいなと思った。
「胸部X線では異常陰影の疑いがありましたが、CTの結果は問題なしでした。でも、別の箇所に違う影が映っていましたから、4カ月後にまたCT撮りましょう」




 CTは5000円以上かかるので、2回も撮るのは痛いが、健康には代えられない。すでに7月に予約が入れている。あとは様子見だろう。
「次は胃ですね」



 実は、この「萎縮性胃炎」という記述が一番気になっている。この5文字がなければ、わざわざ結果を聞くための予約は入れていない。痛みなどの自覚症状はゼロだし、どこがいけないのか知りたかった。
「つまり、これは胃の粘膜の老朽化ですよ」
「老朽化?」
「今まで一度も言われていない? 写真を見ましょう」
 患部のレントゲン写真がPC画面に登場したが、一般的な胃の形に見えなかったので、自分のものと認めるのがイヤだった。
「……長いね」
 医師も笑いをこらえているように見える。そこに映っているものは、胃というよりテナーサックスだ。何でこんなに直線部分が長いのだろう。
「この丸いところです。おそらくピロリ菌がいると思われますので、来年は胃カメラと内視鏡の検査をおススメします」
「ピロリ菌がいるとどうなるんですか」
「胃がんのリスクが高まります。胃がんの患者からは、ほぼ100%ピロリ菌が検出されているんですよ」
「ひいいい」
 ちなみに、私は完全なる胃下垂らしい。もっとも、胃下垂という言葉を使うのは60代以上の医師ぐらいで、今は胃が垂れ下がっていようが伸びていようが、病気ではないから構わないでおくそうだ。だが、自分の胃がこんなにカッコ悪いとは……。満腹になると、重みでますます長くなりそうだから、腹七分目でやめておこうと誓った。
「白血球3.5とありますが、3あれば問題ないので気にしなくていいです」



「LDHも低いけれど、これも問題ありません」



「……ただねぇ。HbA1c、これは高いです。理想は5.5以下ですから」



 やはり言われたか! 私が最も気にしている血糖値を。
「あ、先生。ワタシ、ビールをやめたんです。だから、きっと下がると思います」
「ビール? でも、甘いものが好物と書いてありますよ」
「はい。甘いものは好きですが、ビールはなくてもいられます」
 しかし、医師は「うん」と言うどころか、体全体をこちらに向けて説得し始めた。
「いえ、ビールはやめなくていいです。甘いものをやめてください」
 もしや、ビール党? やけにビールの肩を持つ。
「でも、ビールの方が簡単にやめられるんです」
「いやいや、ビールを飲めば血行もよくなるし、やめなくていいですよ」
「わあわあ」
「ぎゃあぎゃあ」
 結局、平行線のまま診察室を出てきた。もちろん、甘いものは極力減らす気でいるけれど、ビールは飲まなくてもいいだろう。
 焼酎派、ワイン派の医師だったら、また違ったアドバイスが飛び出したのかしら。


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国内トルコ旅行

2018年03月08日 21時46分13秒 | エッセイ
 エキゾチックな場所に行きたいなぁ。
 かといって、気軽に海外旅行ができるはずもなく、近場で遊ぶ計画を立てる。たまには渋谷界隈がいいかもしれない。どこか面白い場所はないかと検索していたら……。
 あった、あった。ありました。
「東京ジャーミィ トルコ文化センター」という施設が。
 トルコには行ったことがないから、何だかワクワクする。
 外見をチラ見しただけで、期待度昇り龍の如し。



 クンクン、異国の香りがする。
 ここから中に入ろう。



 1階はトルコ文化センターだ。
 最初に見えた場所は休憩所だろうか。



 帰る頃には、チャイ(紅茶)とドライフルーツが並んでいた。もちろん、ありがたくいただき食べた。
 仲良く並んだ国旗もいい感じ。



 広間では来館者が談笑していたので、空いているところだけを撮った。



 2階から上は礼拝堂となっている。階段を上り一度外に出ると、青い空を背景に、白亜の塔がそびえ立っていた。



 ここに行くなら、晴れている日がいいだろう。空や海とのコンビネーションが抜群によい建物なのだから。



 中はもっともーっと美しく、呼吸するのを忘れるほどのきらびやかさだ。



 おっと、女性はスカーフをかぶらなければならない。ちゃんと貸出用のスカーフがあり、私のように準備ナッシングの無作法者にも優しいのだ。遠慮なくお借りしよう。
「おや、これは礼拝服だろうか……」
 コスプレに目のない私は、勝手にトルコの衣装だと思い込み、ちゃっかり着させてもらう。



 あとから知ったことだが、これはコスプレ用ではなく、露出した肌を覆うためのローブであった。肌を隠すというのもマナーだからだ。長袖長ズボンだったから、私には必要なかったのに、無知とは恥ずかしく恐ろしい。
 天井もステンドグラスも、見るもの何もかもに心を奪われる。









 ちなみに入場料は無料である。そこらの美術館に行くより、よっぽど目の保養になること間違いなしだ。
「お腹すいた」
 時計を見たら11時を回っていた。このさい、ランチもトルコ料理がよかろう。
 西新宿のチャンカヤというトルコ料理店に行った。
 サラダとスープのあとに、ピタパンとメインが運ばれてきた。私が選んだ料理は「シシケバブ」である。



 世界三大料理は、中華料理、フランス料理、そしてトルコ料理なのだという。日本料理が入っていないのは残念だが、間違いなくベスト3の味であった。口当たりがよくて、いくらでも食べられる美味しさだ。
 デザートはニンジンのケーキとチャイ。



 大、大、大満足のトルコ日和であった。
 お土産のマグネット。



 意味はわからないし、この向きでいいのか自信ないけど、旅行(?)の記念に。


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2018 ひな祭り

2018年03月04日 22時19分03秒 | エッセイ
 毎年、両親や姉妹を呼んで、ひな祭りのお祝いをしている。すき焼きと寿司は出前にするが、茶碗蒸しや前菜は自分で作ろう。でも何を?
 何週間も前から、料理ばかりを気にしていた。だが、大学3年の娘に言われて気がついた。
「お母さん、雛人形出さなくていいの?」
「しまった、忘れてた。次の土日にしよう」
 しかし、予定していた日はインフルエンザにかかり、バイキン扱いをされて部屋から出してもらえない。
 仕事再開となれば人形を出す時間がとれず、いよいよ次の休みはひな祭り当日となっている。
「今年はもう出すのやめる?」
 娘が、私の顔色を伺いながら話しかけてくる。
「は? お客さんを呼んでおいて、雛人形は出してませんって言うの? 詐欺でしょ」
「それもそうね」
 ひとまず、私が仕事から帰ったら雛段を作り、緋毛せんを敷くところまでやる。翌日、バイトに行く前に、娘がお人形やお道具を並べて完成させる作戦に切り替えた。
「できた~!」



 よし、詐欺師にならずにすんだぞ。
 そして迎えた当日。親族は18時に来るので、料理は昼食後に始める。前菜は、野菜のテリーヌだ。菜の花を添え、コンソメスープで煮込んだ色とりどりの野菜を寒天で固める。クックパッドは何と素晴らしいのだろう。



 テリーヌの評判はよかった。約1名を除いて。高2の甥が、真剣な表情で、テリーヌを崩して中身を確認しているではないか。そういえば、彼は偏食が多い子だった。
「何が入っているか確認してるの?」
「うん。あ、オクラがある。お父さん、食べて」
 甥はオクラ以外クリアしたようだ。中身が謎だなんて、悪夢のような料理に見えたに違いない。
 男3人兄弟で育った義兄は、お道具がよくわからない。
「この四角いのは何?」
「火鉢」
「この大きいのは?」
「重箱」
「えっ、重箱なの? 右側の牛より大きいじゃない。縮尺が均等じゃないんだね」
「あはは、たしかに」



 どの雛人形でも、重箱の大きさは尋常でないが、それだけ重要な道具ってことか? うーむ……。
 楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。食べて飲んでしゃべっていたらお開きとなった。
 翌日は、雛人形を片づけなくてはいけない。
「さて、お雛様。お引越ししますよ」
 この雛人形は平成8年に購入した。もう20年以上経っているので、段ボールがボロボロになってきた。生協のカタログを見ると、桐製の収納箱が売られている。7段飾りだったら、収納箱は4段だ。注文したら先月上旬に届いた。この中に引越してもらうのだ。
「えーと、小物は箱に入れたままの方がいいか」
 しかし、大物はむき出しで収納しないと入りきらない。屏風は収納箱のサイズを超えていた。桜と橘もかさばるから無理そう。でも、あとは全部中にしまうことができた。



「へー、いいね、それ。お人形も喜んでるんじゃない」
 夫が横から口を出す。うんうん、私もそう思う。
 人形は一番下の深い段に、と書いてあったが、数が多いから分けなくてはいけない。三人仕丁や七人雅楽は小さいから、浅い段でも大丈夫だ。
「となると、背の高いお道具が入るな」
 ふと、目についたのが重箱だった。牛より巨大なこの嫁入り道具を、お雛様の近くに置いてあげたい。
 来月になれば桜が咲く。
 重箱にお弁当を入れて、お内裏様と一緒にお花見してくださいね。


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赤いヌラヌラ

2018年03月01日 21時02分50秒 | エッセイ
 毎朝、小さな商店街を抜けて職場に向かう。
 午前7時半では、大半の商店がシャッターを下げ眠っているが、おにぎり屋とコーヒーショップは元気よく目覚め、何人もの客を飲み込んでいる。
 販売せずに、シャッターを開けて準備をしている店もある。揚げ物屋だ。天ぷらやコロッケ、カツなど何十種類もの揚げ物を作り、順に並べていた。30代前半の夫婦が切り盛りしているようだ。朝からアップテンポの邦楽を流し、体でリズムをとりながらの作業である。楽しそうなのはいいとして、近所迷惑にならないのかと疑問に思っていた。
 ところが、このところ、揚げ物屋のシャッターが開いていない。おおかた、寝坊でもしたのだろう。だが、気づいたら一週間も同じ状態が続いている。となると、引っ越しか? シャッターの隅の小さな貼り紙を見つけたので、読んでみた。
「失火のお詫び」
 えっ、火事?!
 不穏なタイトルに仰天する。本文には、半月前にこの店から火が出て建物を焼き、大変迷惑をかけた、申し訳ないと書いてあった。おそるおそる、シャッターの上に視線を動かしてみたら、ガラスのない窓枠が目に入った。黒ずんだ室内には天井がなく、焼け残った柱の間から青空が見える。通りに面した部分は残っているが、シャッターの中はがらんどうらしい。何とも無残な……。
 いつも、シャッターから上は見ていなかったから、気づかなかったというわけだ。裏側から見たら、巨大な亡霊に見えるに違いない。怖い怖い。
「おや? お隣のシャッターも黒いな」
 揚げ物屋の隣はソバ屋である。シャッターだけでなく、心なしか壁も黒ずんでいるような気がするが、間違いではなかった。こちらも、2階の窓が溶け落ちて、部屋の中が丸見えとなっている。隣家からの火が燃え移り、人の住めない場所に変えてしまったらしい。
「ああ……」
 炎が、ヌラヌラとうごめく大ダコに見えるのは私だけだろうか。8本の長い足に触れられると、すべてが焼け焦げてしまう。いや、タコには申し訳ないと思うが。



 だが、タコは、地震や大雪、大雨と違って封じ込めることができる。揚げ物屋がすべて火災に見舞われるわけではないし、たとえ火が出ても、正しく消火器を使って消し止められるのだから。
 関東地方の冬はカラッカラに乾燥している。
 みなさん、火事には十分お気をつけて。


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