一本の葦

あんなこと・こんなこと・・・

歌と和歌

2010-11-13 21:23:55 | 介護・介助

今日は施設へバリデーションの仕事へ行った日です。

午前のグループバリデーションではお年寄り達も

ミーティングを楽しんでいただき、会話も多かったのですが

午後は眠気に勝てない方もいたりで、きちんとしたバリデーションは

出来なかったのが現状でした。

でも、歌の大好きなあるお年寄りにとってはとても楽しい会に

なりました。

彼女は末期ガンで肺炎を起こしている状態でした。

認知症のその方は自分の病状を分かってはいません。

疲れやすいけど、大丈夫!というばかり。

そして歌を楽しそうに歌うのです。

時々ゼーゼー苦しそうになるのですが。

グループミーティングが終わった後も夕食ぎりぎりまで

ミーティング部屋に来て、昔の歌のCDを全部一緒に

歌い、ハミングし、身体でリズムをとっていました。

残された日々を大好きな歌と共に過ごして頂きたいです。



歌違いですが、私が気になっていた目の不自由な

心も閉ざしているNさんに、

昨日見つけた和歌をメモして、愛知県鳴海出身の

その方の前で読み上げました。

Nさんはきっとご存じの歌だろうとおもいますが、

喜んで下さるかと思って持ってきました。


遠くなり 近くなるみの 浜千鳥

               なく音にしほの 満ち干をぞ知る (藤原為守)


分かりますか?鳴海ですよ。

これを聞くとその方は、この上ない笑みを浮かべて

「 もう一度読んでください 」 とおっしゃいました。

もう一度読みだすと、一緒に声を大きく諳んじて下さいました。

そしてそのあと、お経を大きな声で唱えられました。

毎朝毎晩唱えられているとか、そのあと私を気遣い

また会うのを待っています。貴方のお陰で勉強出来ました。

気をつけてお帰り下さい。

と言ってくださいましたので、私も、

また来週お会いしに来ます。私もNさんのお陰で和歌を勉強出来ました。

ありがとうございます。

お身体にお気をつけくださいね。

といって手を握り、細い肩を抱きました。。。




                              

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