一本の葦

あんなこと・こんなこと・・・

思いやる心とアイコンタクト

2015-04-04 23:21:58 | 介護・介助


老健の仕事でのことです。

私の気になっているMさんは、失語症で大概は塗り絵をしている?させられている?

のですが、その方の傍に座った時、ある介護士さんが、Mさんは、かわいいでしょ。

と、ニコニコと呼びかけて来ました。

一瞬、どう答えたらいいのかわかりませんでした。

話していてかわいい感じの方ならわかるのですが、話しが出来なくていつも

我慢をしたり悔しい思いをしている方を捕まえてかわいいとは私は言えません。

一般的に、面倒をかけないお年寄り、おとなしいお年寄りをかわいい

と言っている方が多いのでしょうか。


そのMさんは以前に車いすから立ち上がろうとして、すぐに介護士さんに肩を押されて

座らされていたことを思い出し、「ずっと座っていると腰が痛くなりますが、

今日は腰は痛みますか?立ち上がってリハビリしたいですか?」といいながら

腰をさすると、テーブルをもって支えながら立とうとしました。

私も傍で支えましたが、3回程ゆっくりと立ち上がりました。

「3回も立って、疲れましたか?」と聞くと私の目をみてゆっくりと頷かれました。

「今日は私がいたのでいいのですが、誰かいる時でないと、危ないから

絶対に立ち上がらないでくださいね。」というとまた私の目をじっと見て頷きました。

背中に手を当て、しばらく黙って息を合わせていましたが、窓に貼ってある桜の花と

その下の野原で飛び跳ねるウサギたちを見て、昔飼っていたウサギの話を

Mさんにしてみました。

すると、途中からじっと私の目を見て話を聞いてくださいました。

なんでもよく解っていらっしゃるのです。

言葉でのコミュニケーションは出来なくとも、思いやる心とアイコンタクトが

相手を理解する大きな助けになると思いました。。。






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