「デッドマン」 １９９５米

１８７０年頃、アメリカ西部のマシーンという町に、はるばる東部クリーグラントから、雇用するという手紙をもらってやって来た会計士ウィリアム・ブレイク（ジョニー・デップ）。
しかしすでに他の会計士が雇われていることを知る。
社長に直接訴えようとしたが、社長のディッキンソンに銃を向けられ退散する。
途方にくれていたウィリアムは街中で座り込んでいて、花売りの女性、セルを助ける。そして、セルの部屋へ行くことになるが、そこにセルの恋人だった男が現わる。
男が撃った銃弾が、セルを貫通してウィリアムに当る。ウィリアムがセルの銃で撃ち返すと、それは男にあたり男とセルは死んでしまう。
慌てたウィリアムは逃げ出すが、死んだ男はディッキンソンの息子だったので、ディッキンソンは３人の殺し屋を雇いウィリアムを殺すように命令する。
そして、指名手配書も張り出す。
ウィリアムは逃げた森でインディアンのノーボディーに助けられる。
ウィリアムの身体に止まった銃弾を取ろうとする。心臓近くに傷を受けるとそこから魂が出てしまい、デッドマンになるという。
２人の旅が始まる。



モノクロで、ＢＧＭのニール・ヤングのギターとジョニー・デップが印象的な不思議な感じの映画。
どうしようのない状況に追い込まれた弱々しい感じのウィリアムが、平気で人を殺していくようになる。
今まで普通に生活していたであろう人間がなんの躊躇もなく、人を殺せるものだろうかと思う。しかも、殺し屋のように素早く。
しかも淡々としているウィリアムという人間はよく分からない。
いままでと違う世界や状況に触れて、ウィリアムの中で変化が起こっていたのだと思うが、何か悟っていた感じだったのは、なんだろう。
森の中で、撃たれて死んだ子鹿に寄り添うように、ウィリアムが横になるシーンがある。
ウィリアムは、そのまま子鹿と一緒に死後の世界に行きたかったのかも知れない。
無になってしまったのか。タイトルの「デッドマン」は死んだ人だから。

何人も殺され、かなり残酷な感じもあるが、ユーモアのエッセンスもあり、モノクロだからか、あまり悲惨さは伝わらず、
何だか、ただ目が離せないから見ているような感じもあった。
よくわからないところもあるが、印象には残る映画だ。