しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎  

2006年11月14日 | 読書
公務員の成瀬は後輩大久保と、苦情に来ていた市民が災難に合っているのに場面に遭遇する。そして、そこから、別の事件を察知する。
喫茶店のマスターの響野は客の藤井から幻の女の話を聞き、その正体を捜そうとする。
雪子は派遣社員として来た会社でOLの鮎子に送られた謎のチケットの解明に手を貸す。
久遠は公園で殴られていた「弱った羊」の和田倉を助け、襲った相手を探す手伝いをする。

「陽気なギャングが地球を回す」の続編。
始めは4人がそれぞれの短編で登場。それが少しずつリンクしている。これが日常。
最後は銀行強盗をしている時のお客さんの行動から、誘拐事件を知り首を突っ込んでいく。これが襲撃。
4人それぞれが出会った人物もみんな何らかの係わりがある、パズルの様な物語。


あとがきに、「前作から読んでいただけるとありがたいです」の言葉がある。
こちらだけ読んでも充分面白いが、確かに人物を良く知る事と、ちょっと前作のネタばれがあるので、これは読んでいるから分かるのかも知れないが、順番の方がいいと思う。
そして、自分は「地球を回す」より「日常と襲撃」の方が面白かった。
伊坂さんは会話の面白さが楽しいが、この物語も会話の面白さが抜群で何度も笑ってしまった。伊坂節、絶好調。
そして、4人の個性がよりはっきりした感じがする。
そして、前回より4人にとても好感が持てた。
4人が持っている特性の説明がくどくどとないのも良かった。もう知っているのが前提。
だから物語もテンポよく進んでいる感じがする。
個性は他の登場人物全員にあり、みんな生き生きしていて楽しい。
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