しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「人生お気楽丸。」  劇団岸野組 

2015年06月03日 | 観劇
「人生お気楽丸。」  劇団岸野組 
2015.5.23(土)~5月31日(日)     俳優座劇場

劇団岸野組 創立25周年記念公演 第一弾

作・観世桂男
演出・岸野幸正

<ストーリー>
江戸では、新興宗教『呑祖故(どんぞこ)教』が人気を集めていた。
教祖・仁誠王貴楽丸(じんせいおきらくまる)は「人生 今がどん底ならば、ここより下はありません」と今を楽しく生きる事を提唱する。
しかし、それを信じて不幸になった人もいた。
両親を亡くした娘のおまゆもその一人だった。
それは教えを正しく理解していなかったからと、幹部のお春、お夏は言う。
そのおまゆが何者かに連れ去られそうになっている所を、岡っ引きの見習い小文吾が助ける。
『呑祖故教』が怪しいと、小文吾は同心西村、岡っ引きの伝蔵と共に調べ始める。
教祖は数々の予言もしていて、それが当たっているようなそうでもないような。


<キャスト>
お気楽丸 岸野幸正
同心・西村 大倉正章
西村の奥方 金月真美
小文吾  松本慎也
おまゆ 齋藤彩夏
お春 笠原留美
お夏 奥戸裕子


<感想>
時代劇だけれど、オープニングで歌と踊りが入る。
定番なのかな。
時代劇だから殺陣があり、コメディの要素も結構あって、笑って楽しんで、面白く観られる。
そして涙と共感とホロリとさせられるエンディング。
「笑って泣いて楽しんで」の言葉がピッタリ。
悪い人は退治され、良い人が救われる。
そんなほっとする感じが、全体の雰囲気からもあって温かい気持ちになる。

「人生お気楽丸」はそのまま名前だった、「仁誠王貴楽丸」。
新興宗教と言うだけで胡散臭く感じてしまうが、登場した教祖の岸野さんは見た目も何だか胡散臭い。
怪しげな雰囲気で、何か裏にありそう。
見た目と実際はきっと違うのだろうと思っていたら、思った以上に複雑な状況や事情があった。
良い人なのだが、やっぱり胡散臭い。
お忍びで羽を伸ばしに一人で飲みに出た時の、欽ちゃん走りじゃ余計にそんな感じ。
そして、ラストに刺されて、「大丈夫、大丈夫」と去っていった教祖様。
全然大丈夫じゃないでしょと突っ込みたくなったけど、あの後はどうなったのだろう。

松本さんは、スタジオライフでいる時より若く見えた。
メインキャストは年上の役者さんが多いから相対的に見てもそうなのだけれど。
ライフではもう中堅で、悩みの多い役も多いから物思いに沈んだ表情も見慣れている。
小文吾は下っ端の若い岡っ引き。
張り切っていることが凄く伝わって来て、エネルギーが溢れている。
兎に角元気で、走り回って、楽しそうな様子が観ていて楽しい。
ほぼ出ずっぱりで、そんな姿が沢山見られてよかった
髷姿は、秀頼で観ていたので、想像はついたけど、似合っている。

同心西村の大倉さんが表情豊かで印象的だった。
小文吾と対照的な存在で元気があるのか、ないのかと言う感じだったが。
段々、西村の良さが出て来て、味がある面白い人物だった。
その奥方も凛として強い人で、2人の関係も楽しかった。
やっぱり「出世がすべてじゃない、曲がったことは大嫌い」とそんな心意気を持ちたい。

岸野組は創立25周年。
スタジオライフからの客演は初めてだったのだろうか。
また、こんな機会があるといいな。


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