しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ソロモンの偽証 第Ⅱ部決意」   宮部みゆき

2014年07月29日 | 読書
「ソロモンの偽証 第Ⅱ部決意」   宮部みゆき   新潮社    

柏木卓也と浅井松子の2人を喪った城東第三中学校、元2年A組。
「卒業制作」のテーマをこの出来事にしたいと、藤野涼子は提案する。
柏木卓也はなぜ死んだのか、自殺したならその理由は何か、他殺なら殺したのは誰かをはっきりさせたいと。
その方法として、学校内裁判を行うことになる。
被告人は告発状で名指された、大出俊次。
藤野涼子は弁護人になるつもりでいたが、諸事情から検事となる。
弁護人には他校の生徒、神原和彦。
神原は、柏木卓也と同じ塾で面識があったと言う。
検事側、弁護士側はそれぞれ裁判に向けて準備を始める。
そんな中、柏木卓也が死んだ当日、柏木家に5本の電話が掛かって来た事が分かる。
それはすべて公衆電話からで、一定の間隔で掛かって来ていた。






真ん中の第Ⅱ部は裁判の準備の為の章。
早く裁判の様子が知りたい気持ちがあり、長い準備段階だと思ったが、意外と面白かった。
関係者に話しを聞いて証言を集めたり、それを元に考えて推測したり。
中学生の立場で、踏み込める部分は少ないのでは思ったが、色々出て来る。
弁護側はまず大出俊次と意志の疎通をしなければならず、その辺りの苦労も。
周りで係る、大人たちの反応も丁寧に書かれる。
それぞれの立場からの考えもわかるので、物語が立体的になる。
だからこれだけ長くなってしまうのだろう。
しかし、長さが気にならず読めてしまうので、納得。
神原和彦はちょっと素直に反応し過ぎ。
覚悟を持って係っているのだろうから、もっとポーカーフェイスで出来そうな気がするが。
読者に知らしめる為なのだろうか。

いよいよ裁判の最終章が楽しみになった。


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