2006.12.7(木)~12.17(日) シアター1010
原作 アネット・カーティス・クラウス 脚本・演出 倉田淳
ストーリーは原作とほぼ同じ。
ひとつ違うのは、少女ゾーイが、足の悪い設定になっていた。
〈感想〉
足が悪いという設定は、同じ年頃の少女たちとダンスにいったり出来ないという孤独感を出す為なのか。
母親の入院もあり、ゾーイの孤独が強調された感じがする。
そのゾーイと吸血鬼サイモンとの出会いは、ゾ-イの好きな夜の公園なのだが、
舞台はあまり魅力的な公園ではなかったのがかなり残念。
ベンチもなかったし、公園ではなかったのか。
原作を読んでいると、勝手に思いこんで補っていることもあるので。
実際に演じるのを見て、印象に残ったのは、ゾーイとサイモンの物語よりも、ゾーイと死を覚悟している母親のアンのやり取り。
父親が母親の病気だけに心がいって、娘のことが考えられなくなっているのに対して、アンは残していくゾーイに命について伝えようとする。
命はずっと続いていくものだと。
ゾーイはサイモンからは、永遠に続く命の虚しさ淋しさを伝えられる。
限られた命と永遠の命、そんなことを考えさせられる物語。
ライフの吸血鬼ものが続くが、「DRACLIA」も永遠の命を捨てようとする吸血鬼だった。
〈個人感想〉
☆Vita(ヴィータ) *Anima(アニマ)
サイモン
☆山本芳樹
淋しさが前面に出たサイモンで、生きているのがやっとのような弱々しさがあったが、
自分のサイモンのイメージはもっと、スマートに生きている感じだったので、もっと格好良くやって欲しかったかなというのがある。
ビジュアル的には申し分ないのだけれど。
*曽世海児
明るさと強さのあるサイモン。性格的にはこちら。
銀髪が似合っていない、気もする。
ゾーイ
☆松本慎也
うーん、特に特徴のない感じだった。
*舟見和利
自分の世界を持っている、強さもあるゾーイで、松本ゾーイよりお姉さんという感じがした。
ゾーイという役は難しいと思う。母親や父親のことで、気持ちは沈んでいるのは分かるが、なぜサイモンに惹かれたのかは、なんとなくしっくり来ない。
自分の中でも、ゾーイがよく分からないからかも知れない。
クリストファー
☆深山洋貴
クリストファーは残酷な存在だが、サイモンと同じで表情で淋しさや孤独の辛さが見て取れて、魅力的な人物になっていた。
子どもになって甘えるところは、わざとらしさがあり、サイモンと対する時は上に立つ威厳をみせていた。深山さんはやっぱり上手い。
*荒木健太朗
荒木さんも表情の変化や目の動きで心情を上手に表していた。
甘える時の表情から嫌悪感を見せる表情の変化が大きく魅力的。
ラストのシーンで、サイモンのことを兄弟として同じ仲間として、本当は愛し頼りにしていたことが伝わって来た。
ラストは荒木クリストファーの方が悲しかった。
クリストファーが、「銀のキス」の中では1番好きなキャラクターだった。
そう、ラストにどっきりがあるが、その時登場するのが、女の子になった、クリストファーなのだが、その時の荒木さんの可愛いこと。
深山さんは衣装が地味なので、分かり辛かった。と思ったら、2度目に見た時、衣装が変わっていたが、それでも、インパクトは荒木クリストファーだった。
アン
林勇輔
ゾーイの母親
身体中の毛を剃ってアンになった林さん。
自分の命の限界を悟っているアンは、それを受け入れ、夫や娘を励ましている。
永遠の命を持っているサイモンの悲しさと、限られた命をたくましく生きているアンが対比になっている感じもする物語。
出番は少ないが、印象に残る強さとして、アンは主役と言っていいかも知れない。
「自分がいなくなったからといって、世界が終わるわけではない」とアンはゾーイを励ます。
確かに、この世の中、どんなに重要な人がいなくなっても世界は変わらない。
少しすると、その人に代わる人が現れたり、世界は休みなく動いていく。
でも、その人と係わりの深い人は世界はその時に1度は壊れてしまうのだと思う。
ゾーイの父親
高根研一
アンを失うと考えただけで、世界が壊れてしまっているお父さん。
その気持ちがゾーイに向かってしまっている苛立ちが感じられる。
きっと、ゾーイと一緒に崩れ、ゾーイに立ち直らされるのではないかと思えた。
しかし、トークショーの時、高根パパは、「アンな治ると信じている」と言っていた。
そんな強さ、見られなかった気がするけれど、見落としていたのかも。
その言葉を聞いて、ちょっと安心したのだが。
原作 アネット・カーティス・クラウス 脚本・演出 倉田淳
ストーリーは原作とほぼ同じ。
ひとつ違うのは、少女ゾーイが、足の悪い設定になっていた。
〈感想〉
足が悪いという設定は、同じ年頃の少女たちとダンスにいったり出来ないという孤独感を出す為なのか。
母親の入院もあり、ゾーイの孤独が強調された感じがする。
そのゾーイと吸血鬼サイモンとの出会いは、ゾ-イの好きな夜の公園なのだが、
舞台はあまり魅力的な公園ではなかったのがかなり残念。
ベンチもなかったし、公園ではなかったのか。
原作を読んでいると、勝手に思いこんで補っていることもあるので。
実際に演じるのを見て、印象に残ったのは、ゾーイとサイモンの物語よりも、ゾーイと死を覚悟している母親のアンのやり取り。
父親が母親の病気だけに心がいって、娘のことが考えられなくなっているのに対して、アンは残していくゾーイに命について伝えようとする。
命はずっと続いていくものだと。
ゾーイはサイモンからは、永遠に続く命の虚しさ淋しさを伝えられる。
限られた命と永遠の命、そんなことを考えさせられる物語。
ライフの吸血鬼ものが続くが、「DRACLIA」も永遠の命を捨てようとする吸血鬼だった。
〈個人感想〉
☆Vita(ヴィータ) *Anima(アニマ)
サイモン
☆山本芳樹
淋しさが前面に出たサイモンで、生きているのがやっとのような弱々しさがあったが、
自分のサイモンのイメージはもっと、スマートに生きている感じだったので、もっと格好良くやって欲しかったかなというのがある。
ビジュアル的には申し分ないのだけれど。
*曽世海児
明るさと強さのあるサイモン。性格的にはこちら。
銀髪が似合っていない、気もする。
ゾーイ
☆松本慎也
うーん、特に特徴のない感じだった。
*舟見和利
自分の世界を持っている、強さもあるゾーイで、松本ゾーイよりお姉さんという感じがした。
ゾーイという役は難しいと思う。母親や父親のことで、気持ちは沈んでいるのは分かるが、なぜサイモンに惹かれたのかは、なんとなくしっくり来ない。
自分の中でも、ゾーイがよく分からないからかも知れない。
クリストファー
☆深山洋貴
クリストファーは残酷な存在だが、サイモンと同じで表情で淋しさや孤独の辛さが見て取れて、魅力的な人物になっていた。
子どもになって甘えるところは、わざとらしさがあり、サイモンと対する時は上に立つ威厳をみせていた。深山さんはやっぱり上手い。
*荒木健太朗
荒木さんも表情の変化や目の動きで心情を上手に表していた。
甘える時の表情から嫌悪感を見せる表情の変化が大きく魅力的。
ラストのシーンで、サイモンのことを兄弟として同じ仲間として、本当は愛し頼りにしていたことが伝わって来た。
ラストは荒木クリストファーの方が悲しかった。
クリストファーが、「銀のキス」の中では1番好きなキャラクターだった。
そう、ラストにどっきりがあるが、その時登場するのが、女の子になった、クリストファーなのだが、その時の荒木さんの可愛いこと。
深山さんは衣装が地味なので、分かり辛かった。と思ったら、2度目に見た時、衣装が変わっていたが、それでも、インパクトは荒木クリストファーだった。
アン
林勇輔
ゾーイの母親
身体中の毛を剃ってアンになった林さん。
自分の命の限界を悟っているアンは、それを受け入れ、夫や娘を励ましている。
永遠の命を持っているサイモンの悲しさと、限られた命をたくましく生きているアンが対比になっている感じもする物語。
出番は少ないが、印象に残る強さとして、アンは主役と言っていいかも知れない。
「自分がいなくなったからといって、世界が終わるわけではない」とアンはゾーイを励ます。
確かに、この世の中、どんなに重要な人がいなくなっても世界は変わらない。
少しすると、その人に代わる人が現れたり、世界は休みなく動いていく。
でも、その人と係わりの深い人は世界はその時に1度は壊れてしまうのだと思う。
ゾーイの父親
高根研一
アンを失うと考えただけで、世界が壊れてしまっているお父さん。
その気持ちがゾーイに向かってしまっている苛立ちが感じられる。
きっと、ゾーイと一緒に崩れ、ゾーイに立ち直らされるのではないかと思えた。
しかし、トークショーの時、高根パパは、「アンな治ると信じている」と言っていた。
そんな強さ、見られなかった気がするけれど、見落としていたのかも。
その言葉を聞いて、ちょっと安心したのだが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます