しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「病める狐」 ミネット・ウォルター

2008年12月10日 | 読書
「病める狐」 ミネット・ウォルターズ  創元推理文庫  上/下巻 
 FOX EVIL             成川裕子・訳

2001年8月、イギリス、ドーセットの寒村シェンステッド。
この地に古くからある由緒あるロキャー・フォックス家。
当主のジェームズの妻、エイルサが数ヶ月前に不審な死を遂げていた。
ロキャー・フォックス家の世話はロッジに住まわせてもらっている、ボブ・ドーソンと妻のヴェラがしていたが、ヴェラは痴呆が進み働けなくなり、いつも何やらぶつぶつ呟いていた。
一方、村の一角にある雑木林にはトラヴェラー(移動生活者)の一段が6台のバスでやって来て占拠する。
そのリーダー、フォックス・イーヴルと名乗る男はシェンステッドの村のことをよく知り、ジェームズや村人を見張っているようだった。
フォックスの息子、10歳になるウルフィーはフォックスが剃刀を持ち歩き狐や兎を虐待し、自分を脅かすのでいつも怯えていた。
ロキャー‐フォックス家の弁護士マーク・アンカートンは、ジェームズの娘エリザベスが若くして産み、すぐに養子に出されたナンシー・スミス訪ねる。
ジェームズが会いたがったのだが、ナンシーは拒否する。
クリスマスにロキャー・フォックス家を訪ねたマークは、ジェームズが深夜に中傷や無言の電話で悩まされていることを知る。
そして、ジェームズから手紙が届いたことがきっかけでナンシーもジェームズを訪ねて来る。
ナンシーとマークはロキャー・フォックス家について色々聞くことになる。
暗い影を落とすロキャー・フォックス家にはジェームズの息子レオとエリザベスが関係しているようだった。



多くの人たちの視点から物語が展開していく、お馴染みのパターン。
始めはよく分からないことが段々と結びついていく。
この物語は不気味な印象はあったが、面白くなるのに少し時間がかかる。
視点が多いからか少々散漫とした感じがあるからか。
読み終わり、分かってから読み直すと、なるほどとまた面白みがます。
主役はナンシー・スミスなのだと思うが、他の人のキャラクターが強く、ナンシーはちょっと霞み気味かも知れない。
登場人物が印象的なのは誰もが心に暗い部分を持って悩み戸惑っているから。
結構落ち込み気分にもなるかも知れない。
そして悪い人間がたくさん登場するが、悪いというのも色々。
しっかり自分の悪さを自覚している人物もいれば、自覚なく他人を傷つけている人物もいる。
悪いという自覚がないのは結構怖い。
それが匿名性となれば尚更だ。そして、皆がしているから、と言う理由も。
影響され易い人間は操り易い。

12月26日はボクシングデーというらしい。
日本では知られていない日だ。

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