しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「父、帰る」 2003ロシア

2005年11月22日 | 映画
2人の兄弟、アンドレイとイワンのもとに12年間不在だった父親が突然戻ってくる。
兄は父親として接するが、弟は父親として受け入れられず、「パパ」と呼ぶ事が出来ない。翌朝父は彼らを小旅行に連れ出す。
父親は父親として子供に厳しく接する。兄は多少反抗しながらも、親しみをみせるが、弟は自分の戸惑いをうまく処理する事が出来ず、父親に嫌悪感を表し、反抗していく。
そして旅は、悲劇的な結末へ。

突然帰って来た父。何故今まで家にいなく、何処へ行っていたのか。父も母も何も話してくれない事でイワンの戸惑いは大きくなり、本当の父親かわからないと、反抗する。
我がままを言っても、甘えさせてくれず、父親は自分の正論で推し進める。受け入れてもらえない心の苛立ちが伝わってきた。
兄のアンドレイは父親と言う事もあるが、強い大人に憧れる様な感じがあったのだと思う。兄弟の年の差が、受け入れ方の差になったようだ。
イワンはアンドレイが父親の心を開く理由が分からない。反対にアンドレイは反抗するイワンの気持ちが分からない。しかし、それでもイワンの事は心配していて、兄弟の絆が感じられる。
ギクシャクしながらも、少しずつわかり合って行く話かと思ったら、こんなラストになるとは思わなかった。
2人の兄弟にとって父親との出会いは、幻のようだ。しかし、心にはどんな痕跡を残したのだろう。
観終わった後、もやもやしたものが残る話だ。

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