しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「刹那の囁き」 アレックス・カーヴァ 

2008年01月04日 | 読書
バージニア州、ワシントンDC近郊。
FBI特別捜査官でプロファイラーのマーガレット(マギー)・オデール。
夫と離婚して一人で暮らす為に引っ越すが、その夜近所の主婦が行方不明になる事件が起こる。
そして、マギーの自宅にピザを配達した少女が殺害されて見つかる。
その手口が5ヶ月前に脱走した連続殺人犯で死刑判決を受けていたアルバート・スタッキーと同じだった。
スタッキーを逮捕したマギーは、脱走を知った日から自分を付け狙うだろう事を察していた。
そして、マギーを接触した女性が殺害されたり行方不明になる。
マギーはスタッキーを必ず捕まえると神経を尖らせる。


前作「悪魔の眼」の時に少し触れられていたが、主人公のマギー・オデールが以前に関わり自らが被害者ともなった事件。
その犯人でマギーが逮捕した、アルバート・スタッキーとの直接対決の物語。
状況が検屍官ケイの、ケイと狼男・パブティストの関係になんとなく似ている。
マギーもケイも恐れながらも立ち向かっていく姿も同じ。
こちらの犯人の方が狡猾で残忍な感じがするが。
なぜそういう人間になったかは語られていないが、こうという理由がなくても、境界線を越えてしまう人間はいるということか。
境界線を越える人間と越えない人間の違いはどこにあるのだろう。
マギーはスタッキーを憎み、自分も同じになるのではないかという恐怖もある。
銃世界のアメリカなので、復讐しようと思えば武器は簡単に手に入る。
マギーはFBIだが、そうでなくても可能なこと。
その点が日本人の思考とは違ってくるだろう。
日本は平和思考にあるのが、やはりいいことだと思ってしまう。
ちょっと物語から離れるが、そんなことも思った。

逞しく強く美しい女性。今の憧れ、理想像だ。
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