散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

鉛色の雲に吸い上げられている

2006-12-07 16:02:11 | 写真
今日は曇りのち雨。雨。雨。
家の中に干した洗濯物は乾かないし、私の頭の中はぐしゃぐしゃの水浸しでこの天気では全くすっきりしない。

この鉛色の向こうに昨日生まれそうだったアイディアは吸い上げられてすっかり見えなくなった。それが戻ってくるつもりかどうかわからない。多分戻ってこない。仕方ないから、気を取り直して一からやり直しだ。
鉛色の空っをじっと眺めていると、どんどん頭の中身が吸い上げられてゆくような気分で、慌てて目を閉じた。


『表現することを本当に感じたかどうかが重要なのではない。そう思って、感じたふりをする事が出来れば充分だ。』フェルナンド・ペソア / 不穏の書、断章より。



アドヴェント7日目。
街はクリスマス市でいつもとは違う表情を見せている。
この時期には近所の街や国から団体買い物ツアーバスが次々に流れ込む。
それはまさに流れ込むという様子なのだ。
特に多く見かけるのはオランダナンバーだ。
クリスマス市に立ち並ぶ出店のキラキラした眺めとシナモンやヴァニラの香が立ち昇る辺りを通り抜ける時、耳に入って来た言葉は大半がオランダ語という有様だった。
(私はオランダ語の響きが嫌いではない。)
この悪天候にも負けずに賑わっている。
雨の中を壊れそうな傘をかかえて足早に駅に向いながら、横目で出店を眺めたが、殆ど去年と同じ様子で特に目を引くものは無い。
とは言え、一度くらいは熱々の焼き栗の袋で手を温めながら、香ばしい栗を頬張るのはいいかも知れしれない。
クリスマス市の中では、なんという事の無い小物が少しばかりいつもと違う色具合だし、普段それほど見向きもしない焼きソーセージに芥子たっぷりの匂いもちょっと美味しそうだ。
砂糖衣のアーモンドやチョコレートがけバナナや葡萄の前でも鼻をうごめかしてしまう。
やっぱり晴れ間を狙ってゆっくりクリスマス直前のざわめきを吸いに出かけることにしようとおもう。

ところで、何時晴れるのだろうか?