散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

電話

2006-12-09 14:20:14 | 思考錯誤
『こんにちわっ!今日はとてもよい話を貴方にお伝えします。』
ああ、また来たね。
『貴方はお金を増やしたいと思いませんか?』
はい、そりゃあ思います。
貴方は宝くじを買った事がありますか?』
『ありません。』

『。。。。何でですか?』

受話器の向うから聞こえてくるのは、Lottoを売りつけようと張り切っている男の声である。

私は
『兎に角なんでもいいじゃありませんか、興味ないのですよ。。』

『興味が無い? 何で興味が無いのですか?』
『宝くじには興味ありません』
『お金を増やす興味は無いんですか?』
『。。。』
『何で?』

何でといわれても困る。
最もお金が増えることに異議は無いし、歓迎である。
余分なお金が沢山あったら。。。と夢を見る事しきりではある。
しかし電話で宝くじ買いませんか?ハイ買います。。。とは考えない。

電話の向こうで『何故?』をしきりに繰り返すのが聞こえる。
何故?
『私は、そんなに甘い汁をただ吸わせてくれるものがこの世に存在するとは思えないですね。』
『それはやってみなければわからないでしょう。貴方はくじを買った事が無いのだから。。』
『あのね、私は買わない理由を貴方に釈明する義務は無いので、電話切りますね。』

と答えて受話器をおく寸前にもまだ

『何故?』

と言う声がかすかに聞こえた。







メモ:
今日注文してあった、Susan Vreeland/Das Maedchen in Hyayunthblau(ス-ザン・ヴリーランド/ヒヤシンスブルーの少女)を本屋に取りに行ってきた。
早速、今から読み始めるところ。