仕事場に行くかどうかと、迷っているうちに空は予報に反してうっすら青空がみえているので、ええい、街へ散歩にでも行ってしまえ!と今年初めて長めのダウンコートを羽織って外に出た。
冬の陽射しはとても薄い。陽射しが薄いという言い方は変だけれども、しかし”薄い”のだ。寒い。
電車で15分ほど行くとクリスマス市で街はたいそうな賑わいである。
週末だから兎に角人出が多い。オランダ語に加えて、フランス語も多く聞こえる。
旧市街の入り口付近は特別混雑で出店の小屋が押しつぶされるのじゃないかと思うほどに人がぎゅうぎゅう詰めだから、流れに従って押し出されてしまう。トコロテンを思い描きながらとりあえず出るべきところまで押し流された。
焼き栗を剥きながら、街の様子を眺めて歩く。相変わらずだな、と思いながらも何か目新しいものは無いかと眺めてみたが、やはりいつもと同じだ。
小さな町のクリスマス市が時には良い雰囲気を出していて楽しいのだけれど、無闇矢鱈に大きなこのクリスマス市は味気ないイヴェントだ。一体この騒ぎは何のためだったっけ?と思ってしまうほど、雰囲気もない。
それでも散歩がてら見物するのは悪くない。
寒い時にはグリューヴァイン(香辛料入と甘味を入れて熱くしたワイン。この地方では通常赤ワインだが、白もある。)を飲むと具合が良い。
Gluehkirschなるものを見つけて試してみた。なんだか普通のグリューヴァインよりもきつい感じがするぞ。
私は体調もシャキットしないので、カップの4分の一ほどすすっただけで、残りの処理は相棒に頼んだ。
彼は『これは普通のグリューヴァインよりちょっと効くなあ。。。』とつぶやきながら機嫌よく飲み干した。
調べて見るとこれはグリューヴァインにKirschsnapps(さくらんぼの蒸留酒)が入ったものであった。どれだけシュナップスが入っていたのか知らないけれど、効く筈だよね。
他にも体温まるアルコール飲料は色々あって、Feuerzangenbowlはラム酒を熱くして円錐に模った砂糖に注いでつくる。これは中々きつい、ガンと来る。
Eierlikoerpunch(卵リキュール)は卵リキュールを暖めて、好みによりホイップクリームを乗せる。これも甘いクリーミーな口当たりに騙されて飲むと後が大変なことになる。じわじわっと足が萎える。そしてしまいに記憶が飛ぶ。私は記憶が飛ぶほど飲んだ事は無いけれどね。
Gluehbier、これはベルギー産である。普通のビールよりアルコール度の高いBockbierに桜ん坊のジュースが混ざったものらしい。Kirschbier(桜ん坊ビール)である。
このビールを熱くしたものなのだが、まだ飲んだ事が無いのでどんな味だかわからない。
ケーキ屋の前で立ち止まってケーキを眺めているうちに、食べたくなって4つも抱えて帰った。
何で四つ?
歩き回っておなかが減ったとは言え、これはGluehkirshの所為だね。
アドヴェント、二本目の蝋燭が点った。
おまけ